short
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
怖くてできずにいる問いかけがある。
『なんで俺と付き合ってるの?』
その質問をしてしまったら、俺とあずさとの関係が終わってしまうんじゃないかと思ってしまって。別に、あずさと別れそうな気配があるわけではないけど、なんとなくそう思ってしまうのだ。
俺は決して見た目のいいほうではないし、勉強もそんなにできない。こんなことを言うのは悲しいけど、俺にはなんの魅力もない、気がする。
そんな俺に、あずさは突然告白してきた。ちょうど、学園祭が終わったころだ。そう、それも引っかかる。いわゆる学園祭マジックなのではないか?学園祭の前後はカップルが生まれやすいっていう。そう思ってしまうくらい、あずさの気持ちは俺にとって意外だったのだ。
だから、「なんで俺と付き合ってるの?」という疑問が、水をかけても消えない火のように俺の中でくすぶっている。
「どうしたの?」
物思いにふけっていた俺は、その声にハッと顔を上げた。あずさが俺の顔を覗き込んでいた。
「なんか悩んでそうな顔してるけど」
「そ、そうかな...ごめん」
「謝ることじゃないけどさ、大丈夫?」
昼ご飯を終えた他の生徒たちの喧騒が遠くに聞こえる。1階校舎のはずれ、2段しかない外階段に座る俺の隣に、あずさが座る。背中を扉に預けたのが、俺の背に振動して伝わった。
「...」
返す言葉に迷った俺は黙りこくってしまった。すると、あずさが眉根を寄せて聞いた。
「もしかして、私、何かしちゃった?」
不安そうではあるけど、真剣な瞳が俺の視線を捕まえる。あずさのそういう嫌なことから目を逸らさない、まっすぐな姿勢が好きだな、とふと思った。
あんなに恐れていたのに、あずさの辛そうな顔を見たくなくて、俺は思わず聞いてしまった。
「...なんで俺と付き合ってるの?」
俺って全然いいところないし、と一度言ってしまったら堰を切ったように言葉がこぼれた。
俺の話を聞くと、不安そうな表情は消え、あずさは目を丸くした。
「うーん...」
あずさは考え込んだが、俺が不安に耐えきれなくなる前に再び口を開いた。
「理由なんかないよ。でもじんわりと好きだな~~~って思う」
「...そ、うなの?」
意外な答えに俺は困惑した。でも、あずさの次の一言でなんとなく、腑に落ちた。
「好きとか仲いいとか、理由ある?忠は月島くんと仲良くする理由があって仲良くしてるの?私、忠の好きなところとかいいところはたくさん言えるけど、なんでそう思うのかって聞かれると...わかんないよ」
そう言ってあずさは微笑とも苦笑ともとれる顔で笑った。
「...そっか」
「そうだよ」
言われてみれば、食べ物の好き嫌いにだって別に理由はない。あずさの言ったことが、すごく当たり前のことのように思えた。
「ありがと、あずさ」
あずさはにこっと笑ったあと、ふいに口を尖らせた。
「俺に魅力がないとか、好きって言ってる私に失礼だから禁止ね。…次言ったらキスするから」
大胆なことを言いながら照れてるあずさがかわいくて、思わず俺からキスしちゃった。
『なんで俺と付き合ってるの?』
その質問をしてしまったら、俺とあずさとの関係が終わってしまうんじゃないかと思ってしまって。別に、あずさと別れそうな気配があるわけではないけど、なんとなくそう思ってしまうのだ。
俺は決して見た目のいいほうではないし、勉強もそんなにできない。こんなことを言うのは悲しいけど、俺にはなんの魅力もない、気がする。
そんな俺に、あずさは突然告白してきた。ちょうど、学園祭が終わったころだ。そう、それも引っかかる。いわゆる学園祭マジックなのではないか?学園祭の前後はカップルが生まれやすいっていう。そう思ってしまうくらい、あずさの気持ちは俺にとって意外だったのだ。
だから、「なんで俺と付き合ってるの?」という疑問が、水をかけても消えない火のように俺の中でくすぶっている。
「どうしたの?」
物思いにふけっていた俺は、その声にハッと顔を上げた。あずさが俺の顔を覗き込んでいた。
「なんか悩んでそうな顔してるけど」
「そ、そうかな...ごめん」
「謝ることじゃないけどさ、大丈夫?」
昼ご飯を終えた他の生徒たちの喧騒が遠くに聞こえる。1階校舎のはずれ、2段しかない外階段に座る俺の隣に、あずさが座る。背中を扉に預けたのが、俺の背に振動して伝わった。
「...」
返す言葉に迷った俺は黙りこくってしまった。すると、あずさが眉根を寄せて聞いた。
「もしかして、私、何かしちゃった?」
不安そうではあるけど、真剣な瞳が俺の視線を捕まえる。あずさのそういう嫌なことから目を逸らさない、まっすぐな姿勢が好きだな、とふと思った。
あんなに恐れていたのに、あずさの辛そうな顔を見たくなくて、俺は思わず聞いてしまった。
「...なんで俺と付き合ってるの?」
俺って全然いいところないし、と一度言ってしまったら堰を切ったように言葉がこぼれた。
俺の話を聞くと、不安そうな表情は消え、あずさは目を丸くした。
「うーん...」
あずさは考え込んだが、俺が不安に耐えきれなくなる前に再び口を開いた。
「理由なんかないよ。でもじんわりと好きだな~~~って思う」
「...そ、うなの?」
意外な答えに俺は困惑した。でも、あずさの次の一言でなんとなく、腑に落ちた。
「好きとか仲いいとか、理由ある?忠は月島くんと仲良くする理由があって仲良くしてるの?私、忠の好きなところとかいいところはたくさん言えるけど、なんでそう思うのかって聞かれると...わかんないよ」
そう言ってあずさは微笑とも苦笑ともとれる顔で笑った。
「...そっか」
「そうだよ」
言われてみれば、食べ物の好き嫌いにだって別に理由はない。あずさの言ったことが、すごく当たり前のことのように思えた。
「ありがと、あずさ」
あずさはにこっと笑ったあと、ふいに口を尖らせた。
「俺に魅力がないとか、好きって言ってる私に失礼だから禁止ね。…次言ったらキスするから」
大胆なことを言いながら照れてるあずさがかわいくて、思わず俺からキスしちゃった。
2/17ページ