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日向翔陽くんは、とても元気な男の子だ。名前の通りぴかぴかの太陽みたい。私だって暗いほうではないけど、自分に自信がないし、あんなに底抜けに明るくなんてなれない。この気持ちはたぶん、憧れってやつなんだと思う。
烏野高校に入学してもうすぐ3ヶ月。我がクラスの太陽を浴びるのも3ヶ月だ。そろそろ本当に日焼けしてしまう。まぶしくて直視できず、ただ焦がれる、そんな憧れだ。
「日向~、誕生日おめでとー」
朝、教室に入ってきた日向くんの友だちが、日向くんに言った。日向くんの席は私の左斜め後ろなので、思いっきり声が聞こえたのだ。
今日が誕生日なんだ。知らなかった。
そう思ってなんとなく「おぉー!ありがとー!」と答えている日向くんを振り返ると、日向くんと目があった。
大きな瞳が、私にはまぶしい。私が目を逸らしそうになったとき、日向くんがにかっと笑った。
「おはよー、久原さん!」
私の太陽は叫んだ。なんだ、と周りの人の視線が集まる。それが恥ずかしかったけど、私も同じ言葉を返した。
「おはよう、日向くん」
思っていた通り小さい声になってしまったが、日向くんには伝わったみたいで、日向くんはにこにこしていた。
日向くんの笑顔は、人を幸せにしてくれる。笑顔ってそういうものだけど、日向くんのは特別だ。私だけかな。
そのまま前を向いてしまったが、日向くんにおめでとうを言っていない。別に日向くんと特別仲良しなわけではなく、話したのも片手で数えるほどだ。
でも、口と体が勝手に動いた。
「日向くん!誕生日、おめでと」
再び振り返ってそう言ったときには、日向くんの友だちは日向くんの傍からいなくなっていた。
日向くんのまん丸な瞳が私をじっと見つめる。
「久原さん、ありがとー!久原さんに言ってもらえると思わなかった!超うれしい!」
そう言って日向くんは目を細めてにかっと笑った。あー、もう。私は日向くんが好きなのだ。
太陽みたいな日向くんのぴかぴかな笑顔に、私はやっぱり日焼けしてしまった。
2019.6.21
title:ユリ柩
烏野高校に入学してもうすぐ3ヶ月。我がクラスの太陽を浴びるのも3ヶ月だ。そろそろ本当に日焼けしてしまう。まぶしくて直視できず、ただ焦がれる、そんな憧れだ。
「日向~、誕生日おめでとー」
朝、教室に入ってきた日向くんの友だちが、日向くんに言った。日向くんの席は私の左斜め後ろなので、思いっきり声が聞こえたのだ。
今日が誕生日なんだ。知らなかった。
そう思ってなんとなく「おぉー!ありがとー!」と答えている日向くんを振り返ると、日向くんと目があった。
大きな瞳が、私にはまぶしい。私が目を逸らしそうになったとき、日向くんがにかっと笑った。
「おはよー、久原さん!」
私の太陽は叫んだ。なんだ、と周りの人の視線が集まる。それが恥ずかしかったけど、私も同じ言葉を返した。
「おはよう、日向くん」
思っていた通り小さい声になってしまったが、日向くんには伝わったみたいで、日向くんはにこにこしていた。
日向くんの笑顔は、人を幸せにしてくれる。笑顔ってそういうものだけど、日向くんのは特別だ。私だけかな。
そのまま前を向いてしまったが、日向くんにおめでとうを言っていない。別に日向くんと特別仲良しなわけではなく、話したのも片手で数えるほどだ。
でも、口と体が勝手に動いた。
「日向くん!誕生日、おめでと」
再び振り返ってそう言ったときには、日向くんの友だちは日向くんの傍からいなくなっていた。
日向くんのまん丸な瞳が私をじっと見つめる。
「久原さん、ありがとー!久原さんに言ってもらえると思わなかった!超うれしい!」
そう言って日向くんは目を細めてにかっと笑った。あー、もう。私は日向くんが好きなのだ。
太陽みたいな日向くんのぴかぴかな笑顔に、私はやっぱり日焼けしてしまった。
2019.6.21
title:ユリ柩
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