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夜遅く、金田一が部活を終えて家へ帰ると、玄関に見慣れたスニーカーがあった。金田一はまたか、と思った。このスニーカーの持ち主は、隣の家の一人娘だ。金田一の幼なじみである久原あずさである。小学校と中学校が同じだったが、高校は金田一がバレーボール部の推薦で高校を選んだため別々だ。
キッチンに立つ母親に「ただいま」と挨拶をして、金田一は階段を上って自分の部屋を目指した。ドアを開けると、金田一のベッドの上に幼なじみが横たわっていた。どうやら寝ているらしい。
高校に上がってから約1か月。あずさは1週間に1度ほど、こうして金田一の部屋に遊びに来ているのだった。母親が何も言わなかったのも、慣れてしまったからだろう。夜、男の部屋に女子を迎え入れてよいのだろうかと金田一はここ一月ほど悩んでいた。
部活用のエナメルバッグを床に下ろすと、金田一はため息を着いた。梅雨が近づき、だんだん蒸し暑くなってきたためか、あずさはTシャツに短パンという露出のやや多い格好をしている。好きな女の子が自分のベッドに寝ているというだけでも気持ちのやり場に困るのに、こんな格好をされると下半身に集まる熱を抑えるのに苦労する金田一だった。
「人んちでそんな格好して寝るなよ。襲っちまうぞ」
あずさが眠っているのをいいことに、金田一はベッドの横にしゃがんで言った。すると、あずさの目がぱちっと開いた。
「襲ってくれるの?」
金田一は自分の耳を疑った。聞いてたのか、とか、なんつーことを言うんだと頭の中で羞恥心や困惑に振り回されていると、あずさが「なんてね」と言って上半身を起こした。あずさは顔を赤くした金田一と目を合わせたまま、柔らかく笑った。
「誕生日おめでとー!」
「ありが、とう」
依然混乱している金田一は、ついカタコトの返事をしてしまった。あずさの「襲ってくれるの?」という意味深な言葉が頭から離れず、ひたすらどぎまぎする金田一であった。
「これ、プレゼント」
あずさはベッドに寝転んだ時に放っておいたであろうラッピングを金田一に差し出した。それを受け取ろうと金田一が手を出すと、あずさはベッドから立ち上がり、金田一の前に立った。金田一の身長があまりに高いので、そこまで小さいわけでもないあずさは自然と金田一を上目遣いで見上げる形になった。
「おまけで、私もプレゼントね」
「はぁっ!?」
金田一はますます混乱した。1度落ち着こうと頭に手を当て天井を見上げる金田一。そんな金田一に構わず、あずさはさらに追い討ちをかけた。
「勇太郎、好きだよ」
その言葉にあずさを見下ろすと、さすがにあずさも頬をうっすらピンクに染めていた。
「俺も、好きだ」
語尾が少し小さかったが、金田一の言葉はあずさに届いていた。あずさは金田一の胸のあたりのジャージを引っ張り金田一の目線を自分のそれに合わせると、ちゅ、と金田一の頬に唇を落とした。
2019.6.6
title: 子猫恋
キッチンに立つ母親に「ただいま」と挨拶をして、金田一は階段を上って自分の部屋を目指した。ドアを開けると、金田一のベッドの上に幼なじみが横たわっていた。どうやら寝ているらしい。
高校に上がってから約1か月。あずさは1週間に1度ほど、こうして金田一の部屋に遊びに来ているのだった。母親が何も言わなかったのも、慣れてしまったからだろう。夜、男の部屋に女子を迎え入れてよいのだろうかと金田一はここ一月ほど悩んでいた。
部活用のエナメルバッグを床に下ろすと、金田一はため息を着いた。梅雨が近づき、だんだん蒸し暑くなってきたためか、あずさはTシャツに短パンという露出のやや多い格好をしている。好きな女の子が自分のベッドに寝ているというだけでも気持ちのやり場に困るのに、こんな格好をされると下半身に集まる熱を抑えるのに苦労する金田一だった。
「人んちでそんな格好して寝るなよ。襲っちまうぞ」
あずさが眠っているのをいいことに、金田一はベッドの横にしゃがんで言った。すると、あずさの目がぱちっと開いた。
「襲ってくれるの?」
金田一は自分の耳を疑った。聞いてたのか、とか、なんつーことを言うんだと頭の中で羞恥心や困惑に振り回されていると、あずさが「なんてね」と言って上半身を起こした。あずさは顔を赤くした金田一と目を合わせたまま、柔らかく笑った。
「誕生日おめでとー!」
「ありが、とう」
依然混乱している金田一は、ついカタコトの返事をしてしまった。あずさの「襲ってくれるの?」という意味深な言葉が頭から離れず、ひたすらどぎまぎする金田一であった。
「これ、プレゼント」
あずさはベッドに寝転んだ時に放っておいたであろうラッピングを金田一に差し出した。それを受け取ろうと金田一が手を出すと、あずさはベッドから立ち上がり、金田一の前に立った。金田一の身長があまりに高いので、そこまで小さいわけでもないあずさは自然と金田一を上目遣いで見上げる形になった。
「おまけで、私もプレゼントね」
「はぁっ!?」
金田一はますます混乱した。1度落ち着こうと頭に手を当て天井を見上げる金田一。そんな金田一に構わず、あずさはさらに追い討ちをかけた。
「勇太郎、好きだよ」
その言葉にあずさを見下ろすと、さすがにあずさも頬をうっすらピンクに染めていた。
「俺も、好きだ」
語尾が少し小さかったが、金田一の言葉はあずさに届いていた。あずさは金田一の胸のあたりのジャージを引っ張り金田一の目線を自分のそれに合わせると、ちゅ、と金田一の頬に唇を落とした。
2019.6.6
title: 子猫恋
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