無自覚な小悪魔!?
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「あっ、瑞貴さん! やっと来てくれたんですね!」
「どうしたの?」
「実は、トリコさんが瑞貴さんが来ないことでずーっとイライラしてたので……」
「ああん? 小松、そういうお前だって『瑞貴さんがずっと誰かと一緒で寂しいです』とかボヤいてたくせによ」
「ぎゃー! 聞こえていたんですかー!?」
確かに、最初の挨拶だけで二人の元には全く行かなかったな。一番最初の仲間なのに申し訳ないや。
「ごめんね。でも、ちゃんとトリコと小松さんと話そうと思ってたから」
((そういう意味じゃないんだけど/ですけど……))
なんか同時に半目になった。この二人はコンビになってから、さらに息が合ってきたような気がする。
「どうしたの?」
「お前があちこちで話しかけられて、モテモテだなって思っただけだよ」
「モテモテって……この場に女性が私一人しかいないから、みんな気を遣ってくれているんだよ」
「女? どこにいんだよ?」
「ここにいるでしょ! つか、あんた私のこと女と見ていなかったのか!?」
たぶん冗談だろう(本気があってもおかしくない)けど、思わず私はブレスレットを薙刀にして構える。
「うおっ! 危ねぇだろ!」
「瑞貴さーん! 薙刀はダメですって! しまってください!」
「じゃあ風舞で吹っ飛ばすとか?」
「それもダメです!」
小松さんに慌てて止められたから薙刀をブレスレットに戻した。私は冗談だったよ? ……少しだけ本気もあったけど。
「……なあ、瑞貴。楽しいか?」
「えっ? もちろんだよ。トリコも庭を提供してくれてありがとう!」
「そっか」
礼を言うとトリコはガシガシと私の頭を撫でた。力強いながらもどこか優しいからびっくりした。
「急にどうしたの?」
「トリコさんは、さっき瑞貴さんが寂しそうな顔をしているから楽しくないか不安だったんですよ」
「おい、小松!」
「寂しそうって?」
「マッチさんたちに声をかけられる前に見つけたんです。本当は最初にトリコさんが声をかけようとしていたんですけど、先越されちゃって」
そっか、元の世界のことを思い出していたからだ。相変わらず、鋭いんだから。
「トリコ、小松さん」
「「ん?」」
「元の世界のことが恋しくないって言ったら嘘になるけど、私はこの世界も大好き。トリコと小松さんを始め、いろんな人と出会えたからこの場にいることが最高に嬉しいんだよ。ここは、私のもう一つの故郷だからね」
この二人との出会いは原作の始まりでもあり、私の新たな人生の始まりでもあった。
「んじゃ、瑞貴。――Trick or Treat!」
「えっ!?」
「ハロウィンって言ったらこれだろ。で、菓子は?」
「ここに料理と一緒にお菓子が――あっ! もうなかったんだ!」
「んじゃ、イタズラ決定だな」
「ちょっ、ズルい――」
チュッ。
「わ――っ!!」
反論しようとしたら、トリコが私の頬にキスをした。一瞬何をされたかわからなかったけど小松さんの悲鳴を聞いてジワジワと頬が赤くなっていく。
「何するのー!」
「ん? イタズラだ」
「それって卑怯じゃん!」
「み、瑞貴さん! Trick or Treatです!」
「えっ――」
チュッ。
トリコを怒ろうとしたら、小松さんに唇の端のギリギリにキスされた。少し身長差があるから小松さんが背伸びした場所がたまたまそこだったんだろうけど、
「ぼ、僕からもイタズラです!」
そう言って、私より顔が真っ赤になった小松さんは走ってその場から離れてしまった。もちろん、小松さんがそんなことすると思わなかった私も顔が赤くなっている。
――ハロウィンってこういうイベントだっけ!?
あとがき→
「どうしたの?」
「実は、トリコさんが瑞貴さんが来ないことでずーっとイライラしてたので……」
「ああん? 小松、そういうお前だって『瑞貴さんがずっと誰かと一緒で寂しいです』とかボヤいてたくせによ」
「ぎゃー! 聞こえていたんですかー!?」
確かに、最初の挨拶だけで二人の元には全く行かなかったな。一番最初の仲間なのに申し訳ないや。
「ごめんね。でも、ちゃんとトリコと小松さんと話そうと思ってたから」
((そういう意味じゃないんだけど/ですけど……))
なんか同時に半目になった。この二人はコンビになってから、さらに息が合ってきたような気がする。
「どうしたの?」
「お前があちこちで話しかけられて、モテモテだなって思っただけだよ」
「モテモテって……この場に女性が私一人しかいないから、みんな気を遣ってくれているんだよ」
「女? どこにいんだよ?」
「ここにいるでしょ! つか、あんた私のこと女と見ていなかったのか!?」
たぶん冗談だろう(本気があってもおかしくない)けど、思わず私はブレスレットを薙刀にして構える。
「うおっ! 危ねぇだろ!」
「瑞貴さーん! 薙刀はダメですって! しまってください!」
「じゃあ風舞で吹っ飛ばすとか?」
「それもダメです!」
小松さんに慌てて止められたから薙刀をブレスレットに戻した。私は冗談だったよ? ……少しだけ本気もあったけど。
「……なあ、瑞貴。楽しいか?」
「えっ? もちろんだよ。トリコも庭を提供してくれてありがとう!」
「そっか」
礼を言うとトリコはガシガシと私の頭を撫でた。力強いながらもどこか優しいからびっくりした。
「急にどうしたの?」
「トリコさんは、さっき瑞貴さんが寂しそうな顔をしているから楽しくないか不安だったんですよ」
「おい、小松!」
「寂しそうって?」
「マッチさんたちに声をかけられる前に見つけたんです。本当は最初にトリコさんが声をかけようとしていたんですけど、先越されちゃって」
そっか、元の世界のことを思い出していたからだ。相変わらず、鋭いんだから。
「トリコ、小松さん」
「「ん?」」
「元の世界のことが恋しくないって言ったら嘘になるけど、私はこの世界も大好き。トリコと小松さんを始め、いろんな人と出会えたからこの場にいることが最高に嬉しいんだよ。ここは、私のもう一つの故郷だからね」
この二人との出会いは原作の始まりでもあり、私の新たな人生の始まりでもあった。
「んじゃ、瑞貴。――Trick or Treat!」
「えっ!?」
「ハロウィンって言ったらこれだろ。で、菓子は?」
「ここに料理と一緒にお菓子が――あっ! もうなかったんだ!」
「んじゃ、イタズラ決定だな」
「ちょっ、ズルい――」
チュッ。
「わ――っ!!」
反論しようとしたら、トリコが私の頬にキスをした。一瞬何をされたかわからなかったけど小松さんの悲鳴を聞いてジワジワと頬が赤くなっていく。
「何するのー!」
「ん? イタズラだ」
「それって卑怯じゃん!」
「み、瑞貴さん! Trick or Treatです!」
「えっ――」
チュッ。
トリコを怒ろうとしたら、小松さんに唇の端のギリギリにキスされた。少し身長差があるから小松さんが背伸びした場所がたまたまそこだったんだろうけど、
「ぼ、僕からもイタズラです!」
そう言って、私より顔が真っ赤になった小松さんは走ってその場から離れてしまった。もちろん、小松さんがそんなことすると思わなかった私も顔が赤くなっている。
――ハロウィンってこういうイベントだっけ!?
あとがき→