無自覚な小悪魔!?
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「――瑞貴さんを離してください! 困っているでしょう!」
ベリッ!
勢いよく私をマッチさんから話してくれたのは滝丸くん。彼はそのあと私を自分の背にかばってくれた。
「それなら僕は看守として、おじさんたちを牢に入れますよ? 二度と瑞貴さんを危ない目に遭わせないように見張ってね!」
「野郎に見張られる趣味はないんだよな~」
「それは俺も同じだ」
「僕も本当なら見張る趣味はないですけどね。でも――」
「ん?」
さっきまで声を上げていた滝丸くんは、私のほうに体を向けて手を取ると爽やかに笑ってくれた。背景が月夜だから絵になる。
「瑞貴さんという小悪魔なら、僕のほうが捕まってもいいと思いますよ。でも……もう手遅れですけどね」
チュッ。
「わみゃ!?」
滝丸くんは片膝を付くと私にキスをした。あまりにも流れる動作だったから、また顔が赤くなったじゃん!
「わ、私、他のみんなの所にいってきまーす!」
滝丸くんが手を離した隙に私はその場から退散した。あそこにあのままいたらどうなるかわからないもん!
……瑞貴が去ったあとの、マッチと鉄平と滝丸。
「あ~あ、行っちゃったね。俺ってば口下手だからこれでもがんばったんだけどな~」
「それを言うなら、一番がんばったのはこいつだろ」
「~~っ!」
なんと滝丸がしゃがんで耳まで真っ赤にしている。さっきまでの積極性と余裕さがわからないくらいだ。
「ハハッ! 確かに、最年少ながらがんばったね~。褒めてあげる。偉い偉い」
「い、いりませんよ! そんなの!」
「ククッ。照れるぐらいなら最初からやらなきゃよかったのに。まあ、滝丸少年にしてはよくやったほうだ」
「お、おじさんまで!」
……今度は海賊(マッチ)とゾンビ(鉄平)が看守(滝丸)をからかうという、不思議な構図ができあがるのだった。
――次の集まりに行ったのは、ココさんとサニーとゼブラ。集まっていると言っても、さっきから食べてばっかりいるゼブラのそばで、ココさんとサニーが呆れてるって感じだけどね。
「あっ、瑞貴ちゃん。いらっしゃい」
「お前(マ)もさっさと食わねーと、ゼブラとトリコに全部食われちまうぞ」
「ハンッ! トロい奴が悪いんだよ!」
でも、ゼブラは小松さんだけでなく私が作った料理も次々と食べてくれる。それは料理人冥利に尽きるって言うか、とにかく嬉しいのは間違いなくて笑ってしまう。
「フフッ」
「ああん? 瑞貴、お前チョーシに乗ってねぇか?」
「笑うのは許してよ。それにしてもゼブラまで仮装して来るなんて思わなかったな」
「俺(レ)のおかげさ。一人だけ仮装しないなんて調和してねーだろ」
「僕も黒スーツとマントだけならって思ったんだけど、フェイクの牙も含めて全部サニーが用意してくれたんだ」
「もともと毒のセンスなんて俺(レ)の美意識に届くわけもねーけどな」
「なんてストレートな……」
だからゼブラの顔に手術の後のような傷やネジが頭に刺さって本格的になっているんだ。ココさんも落ち込んでいるとはいえ吸血鬼の仮装はスゴく似合う。
「なんだかサニーってば、本当の魔法使いだね。ほら、シンデレラを舞踏会に送り届けるような」
サニーは美意識が強いし、いつもオシャレだ。グルメ馬車のときみたいなパーティーの場だけじゃなく、普段着だって髪型まで気を遣っているからね。
「……フンッ。野郎はともかく、俺(レ)はシンデレラを舞踏会なんて送ることなんてしねーし」
「えっ?」
「だってそうだろ?」
首を傾げるとサニーは片手を私の手を取り、もう片方の手を背に回して引き寄せた。
「とっておきの魔法で着飾ったシンデレラを、他の奴に渡すなんてもったいなくね? 俺(レ)は俺(レ)のためにシンデレラに魔法をかけるんだし。当然――舞踏会でダンスするためだけじゃなく、嫁にするためにな」
「ふえっ!?」
至近距離まで顔を近づけられて囁くように言われた。ちょっと待って! そういうのに私、免疫ないんですけどー!
《サニー! てめぇさっきからチョーシに乗ってんじゃねー!》
「なっ!?」
「わみゃ!?」
まさか音弾が飛んで来るとは思わなかったから、思わず私はサニーと離れてしまった。おかげで顔赤いのをサニーにバレることなかったよね!?
ベリッ!
勢いよく私をマッチさんから話してくれたのは滝丸くん。彼はそのあと私を自分の背にかばってくれた。
「それなら僕は看守として、おじさんたちを牢に入れますよ? 二度と瑞貴さんを危ない目に遭わせないように見張ってね!」
「野郎に見張られる趣味はないんだよな~」
「それは俺も同じだ」
「僕も本当なら見張る趣味はないですけどね。でも――」
「ん?」
さっきまで声を上げていた滝丸くんは、私のほうに体を向けて手を取ると爽やかに笑ってくれた。背景が月夜だから絵になる。
「瑞貴さんという小悪魔なら、僕のほうが捕まってもいいと思いますよ。でも……もう手遅れですけどね」
チュッ。
「わみゃ!?」
滝丸くんは片膝を付くと私にキスをした。あまりにも流れる動作だったから、また顔が赤くなったじゃん!
「わ、私、他のみんなの所にいってきまーす!」
滝丸くんが手を離した隙に私はその場から退散した。あそこにあのままいたらどうなるかわからないもん!
……瑞貴が去ったあとの、マッチと鉄平と滝丸。
「あ~あ、行っちゃったね。俺ってば口下手だからこれでもがんばったんだけどな~」
「それを言うなら、一番がんばったのはこいつだろ」
「~~っ!」
なんと滝丸がしゃがんで耳まで真っ赤にしている。さっきまでの積極性と余裕さがわからないくらいだ。
「ハハッ! 確かに、最年少ながらがんばったね~。褒めてあげる。偉い偉い」
「い、いりませんよ! そんなの!」
「ククッ。照れるぐらいなら最初からやらなきゃよかったのに。まあ、滝丸少年にしてはよくやったほうだ」
「お、おじさんまで!」
……今度は海賊(マッチ)とゾンビ(鉄平)が看守(滝丸)をからかうという、不思議な構図ができあがるのだった。
――次の集まりに行ったのは、ココさんとサニーとゼブラ。集まっていると言っても、さっきから食べてばっかりいるゼブラのそばで、ココさんとサニーが呆れてるって感じだけどね。
「あっ、瑞貴ちゃん。いらっしゃい」
「お前(マ)もさっさと食わねーと、ゼブラとトリコに全部食われちまうぞ」
「ハンッ! トロい奴が悪いんだよ!」
でも、ゼブラは小松さんだけでなく私が作った料理も次々と食べてくれる。それは料理人冥利に尽きるって言うか、とにかく嬉しいのは間違いなくて笑ってしまう。
「フフッ」
「ああん? 瑞貴、お前チョーシに乗ってねぇか?」
「笑うのは許してよ。それにしてもゼブラまで仮装して来るなんて思わなかったな」
「俺(レ)のおかげさ。一人だけ仮装しないなんて調和してねーだろ」
「僕も黒スーツとマントだけならって思ったんだけど、フェイクの牙も含めて全部サニーが用意してくれたんだ」
「もともと毒のセンスなんて俺(レ)の美意識に届くわけもねーけどな」
「なんてストレートな……」
だからゼブラの顔に手術の後のような傷やネジが頭に刺さって本格的になっているんだ。ココさんも落ち込んでいるとはいえ吸血鬼の仮装はスゴく似合う。
「なんだかサニーってば、本当の魔法使いだね。ほら、シンデレラを舞踏会に送り届けるような」
サニーは美意識が強いし、いつもオシャレだ。グルメ馬車のときみたいなパーティーの場だけじゃなく、普段着だって髪型まで気を遣っているからね。
「……フンッ。野郎はともかく、俺(レ)はシンデレラを舞踏会なんて送ることなんてしねーし」
「えっ?」
「だってそうだろ?」
首を傾げるとサニーは片手を私の手を取り、もう片方の手を背に回して引き寄せた。
「とっておきの魔法で着飾ったシンデレラを、他の奴に渡すなんてもったいなくね? 俺(レ)は俺(レ)のためにシンデレラに魔法をかけるんだし。当然――舞踏会でダンスするためだけじゃなく、嫁にするためにな」
「ふえっ!?」
至近距離まで顔を近づけられて囁くように言われた。ちょっと待って! そういうのに私、免疫ないんですけどー!
《サニー! てめぇさっきからチョーシに乗ってんじゃねー!》
「なっ!?」
「わみゃ!?」
まさか音弾が飛んで来るとは思わなかったから、思わず私はサニーと離れてしまった。おかげで顔赤いのをサニーにバレることなかったよね!?