これも平和な日?
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そろそろお前の用事とやらに行くか?」
「あっ、うん。グルメデパートにあるんだけどいい?」
「構わない」
許可ももらったから私たちはグルメデパートへと向かった。
――相変わらずグルメデパートには高級調理器具もたくさん売っているから、料理人のみならず富豪もたくさんいる。もしカーネル=モッコイがいたら見つけ次第ぶっ飛ばしてやりたい! アイスヘルの恨みは鉄平同様に忘れてないぞ!
「で、何を買うんだ?」
「グルメケースのデータカードをね、買おうと思っているの。ハントして捕獲した食材の中にはデータカードになっていないのもあるけど、素材が似ていたらデータ入力の参考になると思って」
「ホォ。相変わらず美食屋としても料理人としても、腕を着実に上げているようだな」
「そっちには不都合かな?」
「むしろ好都合だ。いずれ我々美食會のために働いてもらうことになるだろう」
「ハッハッハッ! そんな未来が来ないことを心底願うよ!」
本気だろうが冗談だろうが、私はスタージュンの言葉を笑い飛ばした。
確かに私たちは敵同士だし、スタージュンは私と小松さんを美食會に連れて行こうと狙っている。それでもこんな風に過ごせるのは案外楽しいと思う自分もいた。……敵じゃなかったら、きっと頼れる仲間だっただろうなぁ。
――夕方になる頃、スタージュンは美食會から呼び出しを受けたから戻ることになった。例の毛綿みたいな通信器の音が鳴るまで、私はスタージュンが敵だってことを一時忘れそうになっていたなんて絶対に言えない。
食べ歩きをするときも扱ったことのない特殊調理食材の調理法を教えてもらったり、データカードを選ぶ際もアドバイスをもらったし、さすが美食會副料理長なだけあって戦闘だけじゃなく料理にも詳しいと感心してしまったほどだ。
「ここには私の求める食材はなかったか……。付き合ってもらわせて悪かったな」
「いやいや。こっちだって奢ってもらったし、用事に付き合ってもらったし……。きょ、今日はその……あ、ありがとう……」
対立している敵という立場のせいか、無意識に変な抵抗があってしどろもどろになって礼を言う。平和だったしもうちょっと素直に礼を言え、自分!
そう葛藤していたら、フッと笑ったスタージュンは私の頭をポンポンと優しく叩いた。
「礼を言うのはむしろこちらのほうだろう。お前のおかげでとても楽しい時間を過ごせた。――感謝する」
夕日に照らされているせいか、微笑むスタージュンがまた割り増しにカッコよく見えた。
チュッ。
「……へっ?」
「相変わらず無防備過ぎだな。私が想いを寄せていることを忘れていただろう。トリコの前でなく、このままさらってやろうか?」
「~~っ! さっさと美食會に帰れー!」
やっぱり気のせいだ! 絶対こいつも倒せるくらい強くなってやるー!
あとがき→
「あっ、うん。グルメデパートにあるんだけどいい?」
「構わない」
許可ももらったから私たちはグルメデパートへと向かった。
――相変わらずグルメデパートには高級調理器具もたくさん売っているから、料理人のみならず富豪もたくさんいる。もしカーネル=モッコイがいたら見つけ次第ぶっ飛ばしてやりたい! アイスヘルの恨みは鉄平同様に忘れてないぞ!
「で、何を買うんだ?」
「グルメケースのデータカードをね、買おうと思っているの。ハントして捕獲した食材の中にはデータカードになっていないのもあるけど、素材が似ていたらデータ入力の参考になると思って」
「ホォ。相変わらず美食屋としても料理人としても、腕を着実に上げているようだな」
「そっちには不都合かな?」
「むしろ好都合だ。いずれ我々美食會のために働いてもらうことになるだろう」
「ハッハッハッ! そんな未来が来ないことを心底願うよ!」
本気だろうが冗談だろうが、私はスタージュンの言葉を笑い飛ばした。
確かに私たちは敵同士だし、スタージュンは私と小松さんを美食會に連れて行こうと狙っている。それでもこんな風に過ごせるのは案外楽しいと思う自分もいた。……敵じゃなかったら、きっと頼れる仲間だっただろうなぁ。
――夕方になる頃、スタージュンは美食會から呼び出しを受けたから戻ることになった。例の毛綿みたいな通信器の音が鳴るまで、私はスタージュンが敵だってことを一時忘れそうになっていたなんて絶対に言えない。
食べ歩きをするときも扱ったことのない特殊調理食材の調理法を教えてもらったり、データカードを選ぶ際もアドバイスをもらったし、さすが美食會副料理長なだけあって戦闘だけじゃなく料理にも詳しいと感心してしまったほどだ。
「ここには私の求める食材はなかったか……。付き合ってもらわせて悪かったな」
「いやいや。こっちだって奢ってもらったし、用事に付き合ってもらったし……。きょ、今日はその……あ、ありがとう……」
対立している敵という立場のせいか、無意識に変な抵抗があってしどろもどろになって礼を言う。平和だったしもうちょっと素直に礼を言え、自分!
そう葛藤していたら、フッと笑ったスタージュンは私の頭をポンポンと優しく叩いた。
「礼を言うのはむしろこちらのほうだろう。お前のおかげでとても楽しい時間を過ごせた。――感謝する」
夕日に照らされているせいか、微笑むスタージュンがまた割り増しにカッコよく見えた。
チュッ。
「……へっ?」
「相変わらず無防備過ぎだな。私が想いを寄せていることを忘れていただろう。トリコの前でなく、このままさらってやろうか?」
「~~っ! さっさと美食會に帰れー!」
やっぱり気のせいだ! 絶対こいつも倒せるくらい強くなってやるー!
あとがき→