「それじゃあ、開けますよー！」


時間も迫って来たので、気を取り直して小松が代表として扉を開くと……。


パアンッ！


｢｢｢ようこそ！　バレンタインパーティーへ！｣｣｣


盛大なクラッカーを鳴らして迎えてくれたのは瑞貴とリンとティナ。三人共、バレンタインに合わせて赤と黒を基調としたデザイン違いのパーティードレスを纏っていた。


「トリコー！　待ってたしー！」

「さあさあ、みんな！　入って入って！」

「今日は私たち三人で用意したんだよ～」


リンとティナと瑞貴が室内へ案内すると、いくつかのテーブル席があり、少し離れた場所には食事とチョコ系が中心な様々な種類のスイーツがそろっていた。バイキング形式であれば、全員好きなモノや初めて食べる料理も好きな量で選べる。


「おおっ！　うまそー！」

「どれもおいしそうです～！」

「っ……！　テーブルの料理の周りに花が彩られて調和し、さらに料理が美(ﾂｸ)しくなってるし……！」

「何泣いてんだ」

「これ、全部君たちが？」

「そうだし！」

「と言っても、ほとんど瑞貴が作ったモノだけど」

「ううん、二人の協力があったからパーティーができるんだよ」


リンにはチョコに使われたり調和する食材を調べてもらったり、ティナには調理の参考に取材などで聞いた流行りのスイーツを教えてもらった。おかげでそんなに悩むことなくメニューも決められた。

チョコはチョコレートの噴水から採ってきたのをテンパリングし、さらにフルーツやナッツや酒を加えたりして種類を増やしたのだ。もちろんスイーツだけでは飽きるため、簡単な食事も用意されている。塩っけがあるため、口の中が甘いままではないようにしている。飲み物も紅茶やコーヒーや水やジュースもちゃんとある。

そして主な調理は瑞貴だが、デコレーションや飾り付けはリンもティナも協力してくれたので、これだけの量を当日に間に合わせたのは三人の協力があってこそだ。