皆で囲む食卓!!
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――フルコース七品目・デザートは、七色の圧倒的糖度、トリコフルコース記念すべき最初の決定食材。甘味のデパート・虹の実だ。
『小松、スタッフ全員集めろ!』
『えっ?』
『みんなで虹の実、食おうじゃないか! みんなで食ったほうがうめぇからな!』
フルコースの最初の一品目となった虹の実の実食は、このホテルグルメで行われた。そしてトリコはそのときも虹の実を自ら全員で分け合ったのだ。
今回の虹の実はゼリー仕立て。その中身はビックリLV100の人面リンゴ・ビックリアップルに、食林寺の伝説の寺宝・シャボンフルーツ、そして世界一臭い果物で別名においの爆弾・ドドリアンボムが入っている。
「ぎゃー出たー!」
「くせー!」
「ワッハッハッ! 懐かしい臭さだ!」
「ホント、よくこれ捕獲してきたね……」
モータンを始め阿鼻叫喚の声が上がる中、トリコは鼻をつまみながらも笑っていたが、逆に瑞貴は少し頬を引きつらせている。臭いは抑えてあるし、慣れるとヤミツキになると言われたが、どうにも初見ではそう思えない。だが……。
「どこがくせーんだ? うめぇじゃねーかドドリアン。おかわりだ、おかわり!」
「ボムだけおかわり!?」
「えー! マジっすか、ゾンゲ様!?」
唯一適応している者がいた……なんとゾンゲである。鉄平が再生させたドドリアンボムの実が落ちて世界中に異臭が漂ったときも、一人だけ全く顔をしかめず動じなかっただけはある。
虹の実なども一緒ではなくドドリアンボムだけを求める姿はある意味大物なので、坂巻も白川も驚いていた。
――そしてついに、フルコース八品目・ドリンクは、一龍のフルコースの完成形となったビリオンバードの卵。これを飲むとまつ毛や髪の毛が伸びて乙女ちっくになる。
ビリオンバード自体は発見された当時、単為生殖で有精卵を無限に生み続ける幻の鳥で寿命は数千年とも数億年とも言われる。しかし味はあまりにもお粗末なモノと言われていたのが、それは当時の調理の悪さによるものだ。現代の料理人はおいしく調理できる。
そしてそのビリオンバードは愛情を注いで心から感謝すると特殊な卵を産卵する、それがこのドリンクの原料となっている。
「美しいですね……!」
「まるで星空のよう……!」
「卵だけじゃないな……これは、コーラか」
ボーノとコリョウはグラスを手に取りながら感動し、リョウテイは卵だけじゃなく他のドリンクが使われていることに気づいた。
「ドリンクは今回メロウコーラと混ぜて……ビリオンバードのメロウドリンクにしてみましたよ」
「あー! 小松シェフだー!」
「小松シェフー!」
「ありがとう、小松シェフー! てか、何泣いてんだ小松シェフー!」
「メロウコーラのジュワジュワが目にじみて……涙が止まりまぜん……ごめんなざい……」
調理したときの影響だろうが、もしかしたらこれまでの旅を思い出して涙かもしれない。大竹と仲梅と共に現れた小松は涙を流して招待客たちに謝罪していた。
「このドリンク、ある意味トリコと一龍さんの親子の絆の象徴だよね」
「何気持ち悪いこと言ってんだよ。……ったく」
『これが会長(オヤジ)のフルコース! 無限食材・ビリオンバードだ!』
悪態付きながらもトリコは満更でもないようで、瑞貴と共にモニターに向かってドリンクを掲げると、それが伝わったのかわからないが、ちょうど一龍も同じように笑顔でドリンクを掲げていた。
「「「!」」」
すると別の気配を感じたトリコと瑞貴と小松。一瞬だが、小松たちのうしろの出入口に長髪の大男が見えた。その正体がわかったトリコと瑞貴はお互いの顔を見合わせてからモニターを食い入るように見ると、一龍たちがいる別室に現れたのは先ほどの男――三虎が現れた。
三虎が部屋に入ると、ちゃぶ台を囲っている四人見つける。そして今までモニターからも入口からもうしろを向いていた女性が振り向くと、懐かしい姿に三虎は目を見開いた。
「おいで、三虎。一緒に食べよ!」
「!」
食霊とはいえ、あのときと変わらない笑顔、自分を歓迎する声……全てが三虎にとって死して別れてからずっと求めていたモノだ。愛おしくて敬愛する恩人であり母であり、アカシアの最愛のコンビ・フローゼ。
「うん……!」
涙を流し始めた三虎は、まるで昔に戻った気持ちでちゃぶ台にいる家族の元へと向かった。
プツッ――。
それを確認したトリコはモニターの電源を切った。それはトリコがやらなかったら瑞貴がやっていただろう。ここからは家族水入らずで過ごす時間だ。
トリコは小松に、瑞貴は節乃に笑顔で頷く。その意図がわかった小松は一気に号泣し、節乃も目尻に涙を浮かべた。何百年も前に別れてしまった家族が、こうして再び一つの食卓を囲い食事をする……それがついに叶ったのだ。
「俺たちも……」
「ん?」
「俺たちも、これからも食卓を囲もう。何度でも、何度でも」
「うん……約束!」
キンッ……。
トリコと瑞貴は誓いとして、そっとビリオンバードのドリンクグラスで乾杯した。
あとがき→
『小松、スタッフ全員集めろ!』
『えっ?』
『みんなで虹の実、食おうじゃないか! みんなで食ったほうがうめぇからな!』
フルコースの最初の一品目となった虹の実の実食は、このホテルグルメで行われた。そしてトリコはそのときも虹の実を自ら全員で分け合ったのだ。
今回の虹の実はゼリー仕立て。その中身はビックリLV100の人面リンゴ・ビックリアップルに、食林寺の伝説の寺宝・シャボンフルーツ、そして世界一臭い果物で別名においの爆弾・ドドリアンボムが入っている。
「ぎゃー出たー!」
「くせー!」
「ワッハッハッ! 懐かしい臭さだ!」
「ホント、よくこれ捕獲してきたね……」
モータンを始め阿鼻叫喚の声が上がる中、トリコは鼻をつまみながらも笑っていたが、逆に瑞貴は少し頬を引きつらせている。臭いは抑えてあるし、慣れるとヤミツキになると言われたが、どうにも初見ではそう思えない。だが……。
「どこがくせーんだ? うめぇじゃねーかドドリアン。おかわりだ、おかわり!」
「ボムだけおかわり!?」
「えー! マジっすか、ゾンゲ様!?」
唯一適応している者がいた……なんとゾンゲである。鉄平が再生させたドドリアンボムの実が落ちて世界中に異臭が漂ったときも、一人だけ全く顔をしかめず動じなかっただけはある。
虹の実なども一緒ではなくドドリアンボムだけを求める姿はある意味大物なので、坂巻も白川も驚いていた。
――そしてついに、フルコース八品目・ドリンクは、一龍のフルコースの完成形となったビリオンバードの卵。これを飲むとまつ毛や髪の毛が伸びて乙女ちっくになる。
ビリオンバード自体は発見された当時、単為生殖で有精卵を無限に生み続ける幻の鳥で寿命は数千年とも数億年とも言われる。しかし味はあまりにもお粗末なモノと言われていたのが、それは当時の調理の悪さによるものだ。現代の料理人はおいしく調理できる。
そしてそのビリオンバードは愛情を注いで心から感謝すると特殊な卵を産卵する、それがこのドリンクの原料となっている。
「美しいですね……!」
「まるで星空のよう……!」
「卵だけじゃないな……これは、コーラか」
ボーノとコリョウはグラスを手に取りながら感動し、リョウテイは卵だけじゃなく他のドリンクが使われていることに気づいた。
「ドリンクは今回メロウコーラと混ぜて……ビリオンバードのメロウドリンクにしてみましたよ」
「あー! 小松シェフだー!」
「小松シェフー!」
「ありがとう、小松シェフー! てか、何泣いてんだ小松シェフー!」
「メロウコーラのジュワジュワが目にじみて……涙が止まりまぜん……ごめんなざい……」
調理したときの影響だろうが、もしかしたらこれまでの旅を思い出して涙かもしれない。大竹と仲梅と共に現れた小松は涙を流して招待客たちに謝罪していた。
「このドリンク、ある意味トリコと一龍さんの親子の絆の象徴だよね」
「何気持ち悪いこと言ってんだよ。……ったく」
『これが会長(オヤジ)のフルコース! 無限食材・ビリオンバードだ!』
悪態付きながらもトリコは満更でもないようで、瑞貴と共にモニターに向かってドリンクを掲げると、それが伝わったのかわからないが、ちょうど一龍も同じように笑顔でドリンクを掲げていた。
「「「!」」」
すると別の気配を感じたトリコと瑞貴と小松。一瞬だが、小松たちのうしろの出入口に長髪の大男が見えた。その正体がわかったトリコと瑞貴はお互いの顔を見合わせてからモニターを食い入るように見ると、一龍たちがいる別室に現れたのは先ほどの男――三虎が現れた。
三虎が部屋に入ると、ちゃぶ台を囲っている四人見つける。そして今までモニターからも入口からもうしろを向いていた女性が振り向くと、懐かしい姿に三虎は目を見開いた。
「おいで、三虎。一緒に食べよ!」
「!」
食霊とはいえ、あのときと変わらない笑顔、自分を歓迎する声……全てが三虎にとって死して別れてからずっと求めていたモノだ。愛おしくて敬愛する恩人であり母であり、アカシアの最愛のコンビ・フローゼ。
「うん……!」
涙を流し始めた三虎は、まるで昔に戻った気持ちでちゃぶ台にいる家族の元へと向かった。
プツッ――。
それを確認したトリコはモニターの電源を切った。それはトリコがやらなかったら瑞貴がやっていただろう。ここからは家族水入らずで過ごす時間だ。
トリコは小松に、瑞貴は節乃に笑顔で頷く。その意図がわかった小松は一気に号泣し、節乃も目尻に涙を浮かべた。何百年も前に別れてしまった家族が、こうして再び一つの食卓を囲い食事をする……それがついに叶ったのだ。
「俺たちも……」
「ん?」
「俺たちも、これからも食卓を囲もう。何度でも、何度でも」
「うん……約束!」
キンッ……。
トリコと瑞貴は誓いとして、そっとビリオンバードのドリンクグラスで乾杯した。
あとがき→