「ホレ、さっさと起きんかい」


ペシッ！


｢｢｢｢イテッ！｣｣｣｣

「無理矢理じゃないですか!?」

「いつものことだし」

「えっ」


叩いて四人を起こす一龍会長に私は思わずツッコミを入れたけど、見慣れているリンちゃんの言葉に思わず唖然としてしまった。


「瑞貴よ、お前さんから見てこいつらの戦いはどうじゃった？」

「えっと、そうですね……――まずはココ」


私は言葉を頭の中でまとめると、まずはココを見る。


「一応毒が効かないことを教えても、躊躇しているときに隙が生じているんだよね」

「それでも弱めの毒を出したんだけど……」

「うん、私には全く効かない」


まだこの頃のココは毒を完全にコントロールしきれてないのか、毒を出すのに躊躇いが出てしまう。思わず致死性のが出たらどうしよう、トリコたちを巻き込んだら……なんて考えているのかもしれない。


「次にサニー。触覚を操る時間があまり保てないのか、集中するため攻撃の軌道を目線で追っちゃうから読みやすい」

「っ、前もココと一緒で俺(ﾚ)の触覚が見えてんのか？」

「見えないけど感覚……私の得意能力の第六感でわかるんだ」


触覚を動かす集中力が今は弱点にもなっている。さっきの戦闘で髪(ﾍｱ)パンチも繰り出されたけど、逆に他がガラ空きになっていた。


「最後にトリコとゼブラは……単純」

｢｢なんだとコラ！｣｣

「だって二人共、かなり力任せに戦っているじゃん。対人はもちろん、猛獣にも知能を持つのがいるんだから、攻撃の軌道が読みやすいし、特に大技を出す前後が隙だらけなんだよ」

｢｢…………｣｣


思い当たる節があるのか二人共黙っちゃった。二人はどちらかというとパワータイプだから、頭を使うのが苦手みたい。


「あと、みんな私が『女で年下だから』ってナメてかかってたよね」

｢｢｢｢…………｣｣｣｣


図星かこいつら。私のこのくらいの年齢だとリンちゃんと同い年だから、自然と『弱い存在』って思ったのかな。


「まっ、見ての通り瑞貴はお前たちより強い。なにせ瑞貴はグルメ界から来たんじゃからな」

｢｢｢｢｢えっ!?｣｣｣｣｣


正確には『異世界から』なんだけどね。ややこしくなるから黙っておこっと。