四天王のお姫様
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私は瑞貴。交通事故で天命を全う(?)したと思ったら、前世の記憶を持って生まれ変わってしまった。
この世界はなんでも金銀財宝やお金より『食材』がお宝と言われる変わった世界。私が前世で知っている生き物や野菜や果実類とは結構かけ離れたモノが生息したり、一部の人間には『グルメ細胞』と言われる変わった細胞を持っている。かくいう私やこの世界でできた兄もその細胞の持ち主だ。
だけど兄と違って私は戦闘力に長けた力はなく、常人より動きが俊敏だったり嗅覚は普通だけど微かな匂いで違いがわかるくらい。その能力と前世の職業である香水の調合師の経験を利用して、身寄りがない私は兄と共に引き取られた『グルメ研究所』で小学生ながら研究員として活動している。
「よし。あとはこのレポートを提出して――」
バンッ!!
「「瑞貴ー!」」
「ハァ……」
私専用に与えられた研究室の扉を壊すんじゃないかって思うくらい開けたのは、私より五つくらい歳が離れたトリコとゼブラ。時計を見ると時間からして今日の修業は終わったんだろう。
「ねぇ、なんで私の所に毎回来るの?」
「「暇だから」」
「ハァ……」
二人が訪れることも私の問いに対してこう答えるのも、最早毎度のことなんだ。二人は私を連れ回して何かと競争したり、ケンカしたり……とにかく思い出したらキリがない。
「悪いけど、今日は絶対にダメ。今やった研究結果のレポートを提出して、やっている途中に思いついた別の香りの研究もしたいの」
「なんだよー。また匂いかよー」
「お前、そんなんだと鼻がバカになるぞ」
「ほっといて」
トリコとゼブラに構っていたらそれこそキリがない。私はうしろで叫ぶ二人を無視して片付けながら持って行くレポートを整理する。
「匂いなんてどうでもいいだろ!」
「そんなモノより俺たちと遊べ!」
その言葉で私の中の何かがプチッと切れた。前世の記憶持ちだから香水の調合師としての何かが許さず、私は一つの瓶を手にとって大きく息を吸い込んで口の中に溜めた。
そして私の行動に不思議に思ったトリコとゼブラに手に取った瓶を突き出す。トリコもゼブラも不思議に思ってその瓶をマジマジ見始めたので私は瓶のフタを開けた。すると――。
「「ぐああぁぁあああ!!」」
瓶から放たれた香りに二人は鼻をつまみながら涙目になって悶絶する。その隙に私は瓶のフタを閉めて机に置くと、そのまま急いで部屋から出て行った。何を隠そう、これは物凄い悪臭を放つ香り――名付けて、デビルドリアンフレグランス!
――私は研究室からしばらく廊下を走ると、近くの窓を開けて大きく息を吐いてしばらく呼吸した。
「プハァ~……。あ~、息を止めてたとはいえ私にもちょっとキツかったなぁ」
「――あれ? 瑞貴ちゃん?」
「――お前、そんなとこで何してるし?」
私の行動に不思議そうな声を出すのは、ココと私のお兄ちゃんであるサニー。ずっと一緒なお兄ちゃんはともかく、ココは私たちの中で最年長だからあの二人と違って落ち着いているから過ごしやすい。
「トリコとゼブラがしつこいし香りのことをバカにしたから、この間完成させたデビルドリアンのフレグランスを至近距離で嗅がせた」
「そ、それはまた……」
「お前(マ)、えげつないぞ……」
「おかげで逃げられたし、二人の反応からいいデータがとれたよ」
理由を言ったらココには苦笑いされたし、お兄ちゃんにはドン引きされた。そして私は苦だけじゃなかったとウキウキしながらデータ確保についていったら、さらに二人の顔は青くなった。何故?
この世界はなんでも金銀財宝やお金より『食材』がお宝と言われる変わった世界。私が前世で知っている生き物や野菜や果実類とは結構かけ離れたモノが生息したり、一部の人間には『グルメ細胞』と言われる変わった細胞を持っている。かくいう私やこの世界でできた兄もその細胞の持ち主だ。
だけど兄と違って私は戦闘力に長けた力はなく、常人より動きが俊敏だったり嗅覚は普通だけど微かな匂いで違いがわかるくらい。その能力と前世の職業である香水の調合師の経験を利用して、身寄りがない私は兄と共に引き取られた『グルメ研究所』で小学生ながら研究員として活動している。
「よし。あとはこのレポートを提出して――」
バンッ!!
「「瑞貴ー!」」
「ハァ……」
私専用に与えられた研究室の扉を壊すんじゃないかって思うくらい開けたのは、私より五つくらい歳が離れたトリコとゼブラ。時計を見ると時間からして今日の修業は終わったんだろう。
「ねぇ、なんで私の所に毎回来るの?」
「「暇だから」」
「ハァ……」
二人が訪れることも私の問いに対してこう答えるのも、最早毎度のことなんだ。二人は私を連れ回して何かと競争したり、ケンカしたり……とにかく思い出したらキリがない。
「悪いけど、今日は絶対にダメ。今やった研究結果のレポートを提出して、やっている途中に思いついた別の香りの研究もしたいの」
「なんだよー。また匂いかよー」
「お前、そんなんだと鼻がバカになるぞ」
「ほっといて」
トリコとゼブラに構っていたらそれこそキリがない。私はうしろで叫ぶ二人を無視して片付けながら持って行くレポートを整理する。
「匂いなんてどうでもいいだろ!」
「そんなモノより俺たちと遊べ!」
その言葉で私の中の何かがプチッと切れた。前世の記憶持ちだから香水の調合師としての何かが許さず、私は一つの瓶を手にとって大きく息を吸い込んで口の中に溜めた。
そして私の行動に不思議に思ったトリコとゼブラに手に取った瓶を突き出す。トリコもゼブラも不思議に思ってその瓶をマジマジ見始めたので私は瓶のフタを開けた。すると――。
「「ぐああぁぁあああ!!」」
瓶から放たれた香りに二人は鼻をつまみながら涙目になって悶絶する。その隙に私は瓶のフタを閉めて机に置くと、そのまま急いで部屋から出て行った。何を隠そう、これは物凄い悪臭を放つ香り――名付けて、デビルドリアンフレグランス!
――私は研究室からしばらく廊下を走ると、近くの窓を開けて大きく息を吐いてしばらく呼吸した。
「プハァ~……。あ~、息を止めてたとはいえ私にもちょっとキツかったなぁ」
「――あれ? 瑞貴ちゃん?」
「――お前、そんなとこで何してるし?」
私の行動に不思議そうな声を出すのは、ココと私のお兄ちゃんであるサニー。ずっと一緒なお兄ちゃんはともかく、ココは私たちの中で最年長だからあの二人と違って落ち着いているから過ごしやすい。
「トリコとゼブラがしつこいし香りのことをバカにしたから、この間完成させたデビルドリアンのフレグランスを至近距離で嗅がせた」
「そ、それはまた……」
「お前(マ)、えげつないぞ……」
「おかげで逃げられたし、二人の反応からいいデータがとれたよ」
理由を言ったらココには苦笑いされたし、お兄ちゃんにはドン引きされた。そして私は苦だけじゃなかったとウキウキしながらデータ確保についていったら、さらに二人の顔は青くなった。何故?