パートナーとの出会い
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【フィルロンドとの出会い】
人間界に来てから五年後、ヒールフォレストの家にある二階のベランダで読書しながらくつろいでいた私は、森がざわめきだしたことに気づいた。まるで私を呼んでいるような……。
「何かいる?」
今までこんなことなかったからおかしいと思い、私は本を閉じて家を出ると防犯装置を発動させた。
森だけじゃなくヒールフォレストに住む動物や虫たちも、まるで引き寄せられるかのように同じ方向に向かう。それを道案内として私も一緒に向かった。そこにいたのは――。
「小鹿……?」
生まれてそんなに年月が経っていない小鹿が倒れていた。美食屋してからずいぶん経つけど、私はこんな種類は見たこともない。さっきまで案内してくれた他の動物や虫たちは、まるでこの子を心配しているかのように周りを囲っている。
私が近づくとそっとよけてくれたので、小鹿のそばに座って様子を見てみる。目立った外傷はないけど衰弱している。いくらこの森が癒しの波動を持っているからとはいえ、このままだと危険だ。
「誰か私の家まで運んでくれない?」
〈ガウッ!〉
返事をしてくれたのはこの森に住むバロンタイガー。普段凶暴な猛獣もこの森に住む内に大人しくなっているので、協力的な子が多くて助かる。
小鹿だったからバロンタイガーの背に軽々乗せることができて、私の家まで連れて行ってくれた。バロンタイガーにはお礼に以前採ったガララワニの肉をあげると、喜んで口にくわえて森の奥へ戻って行った。
「さて、やりますか!」
セミダブルくらいある私のベッドに小鹿を寝かせ、私は看病にいそしもうとすると――。
〈クウッ……〉
「あっ、気がついた?」
〈!〉
ゆっくりだけど目を開けたので、意識はあるんだとホッとすると――。
〈クウウゥゥウウウ!!〉
「わみゃ!?」
突然目から雷が放たれたから私はびっくりしつつも受けた。環境適応能力のある私は効かないし、それに子供だから弱っているせいか微弱だ。それでも警戒心を向き出しという瞳を向けてフラつきながらも起き上がろうとする。
〈クウウッ……!〉
「落ち着いて、私は敵じゃないよ。あなたが元気になるお手伝いをしたいだけなの」
何もしないという意思表示として私は両手を上げて真っ直ぐ見つめる。すると小鹿は落ち着いて来たのか、それとも体力の限界なのか、またベッドに倒れ込んでしまった。
触ろうとしたらまた睨まれたので、もう一度私は声をかける。
「大丈夫。大丈夫だから」
そう言いながら撫でつつ容体を見ていくと、だんだんと小鹿の緊張がほぐれてまた眠った。とりあえず警戒はなくなったってとこかな?
――それから私は小鹿の看病をして行き、ときどきやって来るライトニングフェニックスとアーマーガララが滋養にいい食材を持って来てくれたので小鹿は一週間で元気になった。そしてアーマーガララのように私に懐いてくれたので晴れて仲間になった。
あとで調べたらグルメ界に住むスカイディアと知ったときは、盛大に驚いたけどね。
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みんなに名前を付けたのはつい最近だ。ここまで長い付き合いになるとは考えてなかったから敢えて付けなかったけど、私の仲間になってくれて、家族になってくれてとても感謝している。トリコたちとはまた違う暖かさがあるよ。
それぞれのおやつを食べているみんなを見ていると、好みを合わせたおかげか笑顔で食べてくれる。
「おいしい?」
〈アオッ!〉
〈ギュア!〉
〈クウッ!〉
私が尋ねると全員嬉しそうに鳴いてくれた。――サン、ウォー、フィル、これからもよろしくね!
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