恋すれば変わるモノ
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放課後、今日は部活もないので円堂が鉄塔広場で特訓すると決めた。瑞貴もその付き添いで来たのだが……。
「守? 今日はどうしたの?」
「えっ!? いや、その……」
自分が座っているベンチの隣に腰かけた円堂に向けて瑞貴が尋ねると、円堂はビクッと肩を跳ねたあと目をキョロキョロと忙しなく動かす。タイヤ特訓している間は集中しているからおかしい所はないが、こうして休憩になったり瑞貴がアドバイスをするときになると様子がおかしいと思った。
円堂は嫉妬してしまったことを離すべきか迷った。もちろん瑞貴からは昼休みのあとで会ったら『告白されたけど断ったから』と説明してくれたので、もう一度安堵とした同時に疑ってしまった自分を恥ずかしく思った。
さらに豪炎寺と鬼道が瑞貴のことをあきらめるつもりはないと宣言され、またもや混乱してしまう円堂は考え過ぎるのが苦手なので正直に話すことにした。
「――ってわけ」
「守が嫉妬してくれたんだ……」
「あ、ああ。俺、こういう気持ちは初めてだからさ。どうしたらいいかわからなくて……それに鬼道からも『嫉妬深いと嫌われる』って言われたし……」
「そんなことないよ。むしろ嬉しいって思う」
「えっ?」
思いがけない言葉が返って来て円堂は瑞貴を見て目をパチクリした。その表情が少し可愛らしく見えて瑞貴は微笑む。
「それに守が私のことで嫉妬するのが初めてなら、私も守のことで嫉妬するのが初めてだよ」
「そうなのか?」
「うん。こんなに『好き』って気持ちが溢れたり、こうして手を繋いでいるだけでも『幸せ』って感じたり、他の女の子と楽しそうに過ごす姿を見て『嫌だ』と思ったり……何もかもが初めてなの」
秋や夏未や冬花が円堂を見つめる目が、たまに恋する乙女のモノだってことは瑞貴も気づいていた。彼女たちだって早々に円堂への気持ちのケリを付けられるわけがないし、瑞貴だって同じ立場だったらそうだ。
それに瑞貴のことを言えず、円堂だって女子に人気がある。廃部寸前のサッカー部を日本一に導いたり、日本代表を世界一に導いた伝説とも呼べる存在になっている。その話題と元来の男女問わず人を惹きつける彼の人柄が人気の秘訣だ。
「もちろん守の交友関係や隠しごとに私は必要以上に口出すつもりはないよ。でも、ちょっとだけ嫉妬するのは許してね。不安になったりしたらちゃんと守に相談するから」
「なら、俺もそうする。でも――俺が世界一好きなのは、瑞貴だけだから」
「っ!」
真っ直ぐに目を合わせてそう言われた瑞貴は顔を赤くした。それに円堂は不思議そうに首を傾げる。
「どうした?」
「守って、ときどき直球だよね。……私も」
「?」
「私も、世界一……ううん、全て次元で一番大好きなのは守だけだよ」
「っ! へへっ、そうか!」
それは瑞貴の世界も含めての言葉だ。それに気づいた円堂は嬉しそうに笑うと、二人の間にある瑞貴の手に優しく自分の手を重ねた。その温もりを感じた瑞貴は一度その重なった手を見て再び円堂を見ると、二人は笑い合い、どちらかともなく唇を重ねるのだった。
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