背伸びをしていた恋
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ミーティングのあとで練習を始める前にペアに分かれて柔軟体操をしていると、霧野は誘われた浜野と一緒にやっていた。俺は青山とペアになっていると、不意に二人の会話が聞こえてきた。
「瑞貴~」
「浜野、重い……」
「聞いてくれよ~。俺さ、今日の数学の小テストで赤点を取っちゃってさ、来週再テストだって言われた~」
「うん、あたしの話も聞いてくれないかな。そして部活休んで勉強しろ」
そんな会話が聞こえて顔を向けると、両足を伸ばして上半身を倒す霧野の背中に浜野が抱きつくように乗っかかる。本来ならば浜野は背中を押すだけなんだが……。
「痛い痛い痛い! 神童! 押し過ぎ!」
「ああっ! すまない!」
向こうに意識を集中していたせいで、瑞貴と同じ体勢の青山の背を押し過ぎた。
謝罪したあともう一度二人に目をやれば、浜野を倉間が引っ剥がし、錦が霧野に「災難じゃったの!」と言いながらバシバシと背中を叩く。あっ、今度は霧野が錦の頭にチョップをくらわした。痛かったんだな。
「瑞貴さん、大丈夫でした? 浜野くん、ずいぶん乗っかかっていましたし、体が痛いとか……」
「いや、あたしは体が柔らかいから大丈夫。ありがとう、速水は本当に優しいな」
「ええっ! いや、俺は、その、当然のことを言ったまでで……」
「出た、瑞貴の男前発言。あれは男でも照れるんだよな」
カシャカシャ。
「フフッ。速水くんの赤面と瑞貴ちゃんの笑顔、ゲット」
俺だけじゃなく瀬戸と山名も今の光景をバッチリ見たらしい。山名に至っては写真も撮っているが……さっきの霧野の写真、もらえないかな。
霧野は瀬戸と似てサバサバした所があるが、率直に感謝や相手のいい所を笑顔で言うものだから男女問わず惹かれてやまない。だけど本人は昔からそういうのには鈍感で、浜野のさっきの行動だってふざけているのかスキンシップ程度しか思っていないんだろう。加えて倉間が引っ剥がした行動がヤキモチだということも気づいていない。
「神童……次はお前の番だぞ?」
「っ! す、すまない!」
青山に声をかけてもらうまで俺はまた気づかなかった。俺はどれだけ霧野のことばかり見ているんだ……。