十年に一人の天才
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《ゴォ――ルッ!! なんと井上がたった一人でビッグウェイブスからゴールを奪った――っ!! イナズマジャパン、同点です!》
その試合を観たとき、幼いながらも衝撃が走った……前半でイナズマジャパンが相手の攻撃に追いつくのが精一杯だったのに、後半開始早々に一気に空気が変わった。
世界大会唯一の女子選手だから自然と注目するけど、それ以上にあの人のプレーは僕にとって一人の選手としての憧れと尊敬の念が生まれた。いつか会ってみたい……僕もサッカーをすれば会えるのかな。
☆☆☆☆☆
あれから中学に入っても僕の病気は治らなかった。いつも検査や治療のため入退院の繰り返ばかりだし、思いっきりサッカーがしたいのに、できないのがもどかしい。
いつもは病室から抜け出したりするんだけど、今日はこれを読んでいたい気分だった。僕の宝物でもある、この雑誌を。
「あら、ずいぶん懐かしい雑誌を読んでいるのね」
「冬花さん」
僕の担当の久遠冬花さん。僕が病室を抜け出す度に探してくれて怒ってくるんだけど、それは全然嫌とか思わない。それに冬花さんは昔サッカー部のマネージャーをやっていたから、話し相手にもなってくれる。
「それ、十年前のイナズマジャパンの記事が特集になっている雑誌よね? 太陽くんは憧れの選手とかいるの? やっぱり豪炎寺さん?」
「豪炎寺さんもそうなんですけど、僕はこの選手が一番好きです」
僕はとある人のページを開いて冬花さんに見せる。やっぱり冬花さんは意外だったのか、目を少し見開いていた。
「『イナズマジャパン副キャプテン・井上瑞貴』……彼女が太陽くんの一番好きな選手?」
「はい。子供の頃に見たオーストラリアとの試合が印象的で、それをキッカケにファンになったんです」
「ああ、あのときの。後半でFWになって、一気に一人で点を取った試合ね」
「冬花さんも知っているんですか!?」
「ええ。相手の技を利用したり、それまで破られなかったGKの必殺技を獅子王雷っていう必殺技で打ち破ったのよね」
「そうなんですよ! それに触発されたように綱海さんや豪炎寺さんや、他のイナズマジャパンの選手も動きがよくなって! 今思い出しても興奮します!」
「あまりハシャぎ過ぎると他の病室の患者さんに迷惑だから気をつけてね」
「はーい!」
本当は今すぐサッカーしたいんだけど、この分じゃ抜け出せそうにないや。
それならこの興奮を他の人とも話したい……あっ、今度優一さんの病室に行ってみよう! あの人もサッカーが好きだし、弟さんとの会話のネタにもなるって言ってたなぁ。
☆☆☆☆☆
あれから数ヶ月経つと今年のホーリーロードが開催された。僕はサッカーに出会ったこと、井上さんという存在を見つけたこと、それと同等の感動を見つけた。それは雷門中サッカー部だ。
フィフスセクターのことは僕も入退院を繰り返しているとはいえ、サッカー部に所属しているから知っている。それでも松風天馬っていう選手が必死にボールを食らいつく姿は、まさしく『本当のサッカー』をしていた。そして彼に触発されるように
「スゴい……!」
僕はそんな言葉が思わず零れてしまうくらい魅入っていた。同年代の選手の試合だからか、僕のサッカーへの気持ちはますます膨らむばかりだ。この調子で雷門が全国大会まで勝ち進んでくれたら、僕がいる新雲学園とも戦える。僕も新雲学園のみんなと、雷門と……天馬と一緒にサッカーがしたい!
コンコン。
「はーい」
ノックが聞こえたから返事をすると扉が開いて冬花さんが現れた。まだ検査の時間じゃない上に何故か部屋の中に入って来ない。
その試合を観たとき、幼いながらも衝撃が走った……前半でイナズマジャパンが相手の攻撃に追いつくのが精一杯だったのに、後半開始早々に一気に空気が変わった。
世界大会唯一の女子選手だから自然と注目するけど、それ以上にあの人のプレーは僕にとって一人の選手としての憧れと尊敬の念が生まれた。いつか会ってみたい……僕もサッカーをすれば会えるのかな。
☆☆☆☆☆
あれから中学に入っても僕の病気は治らなかった。いつも検査や治療のため入退院の繰り返ばかりだし、思いっきりサッカーがしたいのに、できないのがもどかしい。
いつもは病室から抜け出したりするんだけど、今日はこれを読んでいたい気分だった。僕の宝物でもある、この雑誌を。
「あら、ずいぶん懐かしい雑誌を読んでいるのね」
「冬花さん」
僕の担当の久遠冬花さん。僕が病室を抜け出す度に探してくれて怒ってくるんだけど、それは全然嫌とか思わない。それに冬花さんは昔サッカー部のマネージャーをやっていたから、話し相手にもなってくれる。
「それ、十年前のイナズマジャパンの記事が特集になっている雑誌よね? 太陽くんは憧れの選手とかいるの? やっぱり豪炎寺さん?」
「豪炎寺さんもそうなんですけど、僕はこの選手が一番好きです」
僕はとある人のページを開いて冬花さんに見せる。やっぱり冬花さんは意外だったのか、目を少し見開いていた。
「『イナズマジャパン副キャプテン・井上瑞貴』……彼女が太陽くんの一番好きな選手?」
「はい。子供の頃に見たオーストラリアとの試合が印象的で、それをキッカケにファンになったんです」
「ああ、あのときの。後半でFWになって、一気に一人で点を取った試合ね」
「冬花さんも知っているんですか!?」
「ええ。相手の技を利用したり、それまで破られなかったGKの必殺技を獅子王雷っていう必殺技で打ち破ったのよね」
「そうなんですよ! それに触発されたように綱海さんや豪炎寺さんや、他のイナズマジャパンの選手も動きがよくなって! 今思い出しても興奮します!」
「あまりハシャぎ過ぎると他の病室の患者さんに迷惑だから気をつけてね」
「はーい!」
本当は今すぐサッカーしたいんだけど、この分じゃ抜け出せそうにないや。
それならこの興奮を他の人とも話したい……あっ、今度優一さんの病室に行ってみよう! あの人もサッカーが好きだし、弟さんとの会話のネタにもなるって言ってたなぁ。
☆☆☆☆☆
あれから数ヶ月経つと今年のホーリーロードが開催された。僕はサッカーに出会ったこと、井上さんという存在を見つけたこと、それと同等の感動を見つけた。それは雷門中サッカー部だ。
フィフスセクターのことは僕も入退院を繰り返しているとはいえ、サッカー部に所属しているから知っている。それでも松風天馬っていう選手が必死にボールを食らいつく姿は、まさしく『本当のサッカー』をしていた。そして彼に触発されるように
「スゴい……!」
僕はそんな言葉が思わず零れてしまうくらい魅入っていた。同年代の選手の試合だからか、僕のサッカーへの気持ちはますます膨らむばかりだ。この調子で雷門が全国大会まで勝ち進んでくれたら、僕がいる新雲学園とも戦える。僕も新雲学園のみんなと、雷門と……天馬と一緒にサッカーがしたい!
コンコン。
「はーい」
ノックが聞こえたから返事をすると扉が開いて冬花さんが現れた。まだ検査の時間じゃない上に何故か部屋の中に入って来ない。