クールな君と海の出会い!
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コンコンコンコンコン。
扉をノックする音が聞こえたので私たちは顔を向けると、誰かが向かう前に扉が開き……。
「よお」
「「「「「わああぁぁあああ!?」」」」」
なんと大きな魚がこちらに向かって口を開けて真正面にいた挙句、しゃべってた! ……って、よく見ると足がある?
「邪魔すっぜ」
「お、お兄さん……?」
「ああ。これ、食わせてやろうと思って釣ってきたぜ」
「あ、ありがとう……」
魚の顔を下からよけて現れたのは昼間に会ったお兄さんで、口の端を引きつらせながらも円堂くんがお礼を言う。釣ってきたって言ってたけどこんな大きな魚を……お兄さん、どんな腕力をしているの?
――そうしてお兄さんの手によって調理して完成した、大量の刺身と焼きハマグリ。新鮮な海の幸のご馳走にみんな目を輝かせる。もちろん私もだよ、魚介類は私の大好物だからね。
「スッゲー!」
「さ、遠慮なく食え」
「サンキュー、綱海!」
「「「「「いっただきまーす!!」」」」」
私は最初に赤身をひと口食べた。どんなにいい魚でも調理する人によって味は異なるのに、お兄さんの調理はピカイチだったようで舌どころか私の全身がとても喜んでいる。
「おいしい……!」
「口に合ったか?」
「はい!」
「そっか、そりゃよかったぜ!」
「…………」
さっきまで立っていたお兄さんが私の隣に腰をかけると、私の言った感想に満足そうに笑ってくれた。……お兄さんとは反対の隣にいる帰国子女(一之瀬)から妙なオーラを感じるのは気のせいかな?
そしてやっぱりみんなはお兄さんを二年生だと思っていたみたいで、お兄さんが年上だとわかると一気に体を硬くした。でもお兄さんは「堅苦しいのは抜きで」と言ったので、元のように話すようになった。年下に同い年と思われていたのに、なんてことのないように言うどころかタメ口で構わないっていうなんて、やっぱり海みたいな広い心を持っているんだなぁ。
打ち解けて食事を再開していると、再び私の隣に座っているお兄さんが「そういや」と言いながら顔を向けたので、私は箸を止めて聞く態勢に入る。
「お前、名前なんていうんだ?」
「あっ、まだ名前を言ってませんでしたね。浦部瑞貴といいます。昼は助けてくれて本当にありがとうございました」
「瑞貴か、よろしくな! それにしても……」
「はい?」
「笑った顔のほうがいいと思うぜ」
「ングッ!?」
「「「「「ええっ!?」」」」」
突然のお兄さんの言葉に一之瀬くんは刺身を喉に詰まらせ、他のみんなは大袈裟とも言えるほど叫んだ。
私は昔から無表情って言われているし、嬉しいことや楽しいことでも感情が表に出ないから『わかりづらい』とはよく言われるのに……もしかして最初の刺身を食べたとき笑ってたいた?
「私、いつ笑っていましたか?」
「砂浜で練習していたときだぜ。ふとしたら一度だけ笑っていたのに自分で気づかなかったのか?」
「気づきませんでした……」
「無意識ってことか。でもお前の笑った顔は結構可愛いし、俺は好きだぜ」
「ハァ……」
感情に率直っていうかなんていうか……私とは真逆のタイプだな。普段観察されているのがバレないようにポーカーフェイスが自然になっちゃったからちょっとうらやましいかも。
☆☆☆☆☆
翌日。船に乗ってお兄さんと別れたら、甲板で私は顔をしかめた一之瀬くんとマネージャー組に囲まれていた。
「沖縄に着いたら絶対離れないで! 一人にもならない! いいね!?」
「えっ? なんで?」
「なんででもよ!」
「瑞貴さんは無自覚過ぎなんです!」
「沖縄で悪い虫に近寄られたら大変よ」
「虫?」
南の地域なんだから虫は普通にいると思うけど……よほど気持ち悪い虫じゃなかったら平気なんだけどな。
(そういえば綱海は沖縄に住んでいるって言ってたな。できれば二度と会わないことを願いたい!)
……そう心底祈る一之瀬だが、後日綱海から雷門イレブンに――特に瑞貴に会いに来てサッカー部に入ったことを伝えに来たことや、キャラバンに入って瑞貴を巡る攻防戦があることなど気づきもしなかった。
あとがき→