クールな君と海の出会い!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ん? サッカーって砂浜でもやるもんなのか? まあいっか、がんばれよ」
自分から聞いたのに私たちの答えを聞くこともなく、サーフボードを持って行ったお兄さん離れた所でシートを敷き、サーフボードを日陰にして昼寝を始めた。
「海から…飛んできた……?」
円堂くんに続いて私も海を一度見てお兄さんに顔を向ける。サーフィンはバランス感覚が特に必要なのに、お兄さんはあんなに大きな波に乗っていた挙句に高い位置から飛び降りて来た。あのテクニック、チームには欲しいかも。
――気を取り直して練習をしていると、力不足を悔やんでいるのか塔子ちゃんの力が入り過ぎている。
「マジン・ザ・ハンド!」
塔子ちゃんのシュートを止めた立向居くんはもうすっかりマジン・ザ・ハンドを使いこなしている。福岡で私も円堂くんの動きを思い出しつつ立向居くんにピッタリなフォームを教えたりしたからなんだか感慨深いね。
「塔子!」
「でやっ!」
一之瀬くんからパスを受け取った塔子ちゃんのシュートは立向居くんのいるゴールじゃなく、別の方向へ飛んでいってしまう。
「ミスった!」
「塔子ちゃん、焦り過ぎ!」
ボールが海に飛んで行きそうだったから、私はベンチから立ち上がって慌てて追いかけると……。
ガンッ!
「どわっ!」
「「「あっ!」」」
ボールはお兄さんのサーフボードに当たってしまい、さらに反動でサーフボードはお兄さんの顔にぶつけてしまった。思わぬ事故に私と塔子ちゃんと円堂くんは声を上げてしまうと、当然昼寝から起きたお兄さんはサーフボードをつかんで立ち上がる。
「なっ……おおぉぉおおお!!」
「ごめん! 怪我しなかったか?」
「……これ、蹴ったの誰だ?」
「あたしだけど……」
「……っ!」
「なっ、ちょっ!」
低い声で尋ねたお兄さんに塔子ちゃんがそう答えると、お兄さんは拳を握って震えている。もしかして殴られるのではと思った円堂くんが慌てて止めようとすると……。
「サンキュ!」
「「えっ?」」
なんとお兄さんは拳を解いて塔子ちゃんの肩に手を置いて礼を言った。思いがけない行動に私も一緒に呆気に取られる。
「ちょうど、いい波の立つ時間なんだ。危うく寝過ごすところだったぜ~」
「大丈夫なのか?」
サーフボードを思いっきり顔にぶつけたことには変わらないので、塔子ちゃんが怪我の心配をするとお兄さんはなんのことかと目をパチクリして、次いでようやく塔子ちゃんの言いたいことがわかったのか、なんてことのないように笑う。
「ああ、いいっていいって。ンなこたぁ海の広さに比べりゃあ、ちっぽけな話だ。じゃあな」
怒ることも責めることもなく、お兄さんは塔子ちゃんにただ礼を言って何食わぬ顔でサーフィンに戻った。
「なんなんだ? あいつ……」
「でも、なんだか面白い人」
(ま、まさか……――瑞貴が吊り橋効果に落ちた!?)
……ほとんど(自分を含めた)男子に興味を持たず、ほとんど(これも自分を含めた)人に笑顔を向けない瑞貴が、少年を見て微笑んでいた。次の瞬間になるといつも通り無表情になったが、恋する相手の変化に敏感な一之瀬は嫌な予感がして冷や汗をかいた。服を着たまま海に落ちて命の危機にさらされた所を助けられたのだ。惚れてもおかしくないかもしれない。
「瑞貴!」
「ん?」
「ダメだよ、吊り橋効果で惹かれるなんて! あれは一種の気の迷いが多いんだから!」
「いや、一之瀬くんのほうが気を迷わせ過ぎなんじゃない?」
急に声を上げたと思ったら何を言ってんだろう。一之瀬くんは大阪を出てから頭のネジが何本か抜けたのかもしれない。
「秋、かける言葉が見つからねぇくらいかわいそうだな」
「そうね。瑞貴ちゃんはきっと一之瀬くんの頭のネジが外れたと思っているに違いないわ」
……瑞貴と出会ってここに来るまでアプローチも無意識にのらりくらりとかわされ、さらには嫉妬すらもスルーされている一之瀬に幼馴染組の土門と秋は常に哀れと思っていた。
――またボールが海に行ってしまったら、お兄さんが波に乗っている最中だっていうのに物凄いバランス感覚で蹴り返した。そのシュートは立向居くんのゴールに行ったんだけど、とっさのこととはいえ立向居くんが受け止めきれなかったなんて。
再び浜辺に戻ってきたお兄さんは一回もサッカーをやったことがないらしく、それでもあんなシュートが撃てる彼に興味を持った円堂くんはサッカーに誘った。だけどお兄さんが断ったのであきらめかけていたら、鬼道くんが挑発するように言えば狙い通り……。
「よし、決めた! おい、サッカーやってやるぜ!」
「本当か!?」
「ああ。この俺様に二言はねぇ!」
さっきと打って変わってお兄さんはサッカーをやると決めた。それに円堂くんは嬉しそうに声を上げ、作戦通りだと鬼道くんは不敵に笑っている。さすが天才ゲームメーカーと言うべきかな?
自分から聞いたのに私たちの答えを聞くこともなく、サーフボードを持って行ったお兄さん離れた所でシートを敷き、サーフボードを日陰にして昼寝を始めた。
「海から…飛んできた……?」
円堂くんに続いて私も海を一度見てお兄さんに顔を向ける。サーフィンはバランス感覚が特に必要なのに、お兄さんはあんなに大きな波に乗っていた挙句に高い位置から飛び降りて来た。あのテクニック、チームには欲しいかも。
――気を取り直して練習をしていると、力不足を悔やんでいるのか塔子ちゃんの力が入り過ぎている。
「マジン・ザ・ハンド!」
塔子ちゃんのシュートを止めた立向居くんはもうすっかりマジン・ザ・ハンドを使いこなしている。福岡で私も円堂くんの動きを思い出しつつ立向居くんにピッタリなフォームを教えたりしたからなんだか感慨深いね。
「塔子!」
「でやっ!」
一之瀬くんからパスを受け取った塔子ちゃんのシュートは立向居くんのいるゴールじゃなく、別の方向へ飛んでいってしまう。
「ミスった!」
「塔子ちゃん、焦り過ぎ!」
ボールが海に飛んで行きそうだったから、私はベンチから立ち上がって慌てて追いかけると……。
ガンッ!
「どわっ!」
「「「あっ!」」」
ボールはお兄さんのサーフボードに当たってしまい、さらに反動でサーフボードはお兄さんの顔にぶつけてしまった。思わぬ事故に私と塔子ちゃんと円堂くんは声を上げてしまうと、当然昼寝から起きたお兄さんはサーフボードをつかんで立ち上がる。
「なっ……おおぉぉおおお!!」
「ごめん! 怪我しなかったか?」
「……これ、蹴ったの誰だ?」
「あたしだけど……」
「……っ!」
「なっ、ちょっ!」
低い声で尋ねたお兄さんに塔子ちゃんがそう答えると、お兄さんは拳を握って震えている。もしかして殴られるのではと思った円堂くんが慌てて止めようとすると……。
「サンキュ!」
「「えっ?」」
なんとお兄さんは拳を解いて塔子ちゃんの肩に手を置いて礼を言った。思いがけない行動に私も一緒に呆気に取られる。
「ちょうど、いい波の立つ時間なんだ。危うく寝過ごすところだったぜ~」
「大丈夫なのか?」
サーフボードを思いっきり顔にぶつけたことには変わらないので、塔子ちゃんが怪我の心配をするとお兄さんはなんのことかと目をパチクリして、次いでようやく塔子ちゃんの言いたいことがわかったのか、なんてことのないように笑う。
「ああ、いいっていいって。ンなこたぁ海の広さに比べりゃあ、ちっぽけな話だ。じゃあな」
怒ることも責めることもなく、お兄さんは塔子ちゃんにただ礼を言って何食わぬ顔でサーフィンに戻った。
「なんなんだ? あいつ……」
「でも、なんだか面白い人」
(ま、まさか……――瑞貴が吊り橋効果に落ちた!?)
……ほとんど(自分を含めた)男子に興味を持たず、ほとんど(これも自分を含めた)人に笑顔を向けない瑞貴が、少年を見て微笑んでいた。次の瞬間になるといつも通り無表情になったが、恋する相手の変化に敏感な一之瀬は嫌な予感がして冷や汗をかいた。服を着たまま海に落ちて命の危機にさらされた所を助けられたのだ。惚れてもおかしくないかもしれない。
「瑞貴!」
「ん?」
「ダメだよ、吊り橋効果で惹かれるなんて! あれは一種の気の迷いが多いんだから!」
「いや、一之瀬くんのほうが気を迷わせ過ぎなんじゃない?」
急に声を上げたと思ったら何を言ってんだろう。一之瀬くんは大阪を出てから頭のネジが何本か抜けたのかもしれない。
「秋、かける言葉が見つからねぇくらいかわいそうだな」
「そうね。瑞貴ちゃんはきっと一之瀬くんの頭のネジが外れたと思っているに違いないわ」
……瑞貴と出会ってここに来るまでアプローチも無意識にのらりくらりとかわされ、さらには嫉妬すらもスルーされている一之瀬に幼馴染組の土門と秋は常に哀れと思っていた。
――またボールが海に行ってしまったら、お兄さんが波に乗っている最中だっていうのに物凄いバランス感覚で蹴り返した。そのシュートは立向居くんのゴールに行ったんだけど、とっさのこととはいえ立向居くんが受け止めきれなかったなんて。
再び浜辺に戻ってきたお兄さんは一回もサッカーをやったことがないらしく、それでもあんなシュートが撃てる彼に興味を持った円堂くんはサッカーに誘った。だけどお兄さんが断ったのであきらめかけていたら、鬼道くんが挑発するように言えば狙い通り……。
「よし、決めた! おい、サッカーやってやるぜ!」
「本当か!?」
「ああ。この俺様に二言はねぇ!」
さっきと打って変わってお兄さんはサッカーをやると決めた。それに円堂くんは嬉しそうに声を上げ、作戦通りだと鬼道くんは不敵に笑っている。さすが天才ゲームメーカーと言うべきかな?