タイムジャンプする恋心
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意識を失って目を覚ましたあと、支援者Xが私の父親、そして黄名子が私の母親だって知った。今の私に母さんはいないし、父さんは小さい私を捨ててずっと一人ぼっちだと思っていたのに……。
「今更そんなこと知らされたって、もう後戻りはできない。信じてくれたみんなを……私は裏切ったんだ! 私にはもう、フェーダを抜けても行く所はない!」
私は記憶が戻っても雷門で過ごした日々が忘れることができなかった。チーム・ガルとして試合に出てる間も、天馬が呼びかけてくれるおかげで断ち切ろうとした想いを断ち切ることができなかった。
「あるよ、ミズキ! ミズキの帰る場所はここにある」
「ここに……?」
「当たり前じゃないか! 俺たち、これまでずっと一緒にサッカーやってきた仲間だろ! ミズキが『サッカーが好きだ』って言った言葉は絶対に嘘じゃない。だから一緒にサッカーを守ろうとしたんだろ?」
「あっ……」
「ミズキの帰る場所は雷門(ココ)なんだ。絶対、ここなんだ!」
「天馬……」
天馬だけじゃない……神童くんも三国さんもみんなも、私が帰ることを望んでくれている。記憶を取り戻して裏切って、さっきの試合だってヒドいことをしたのに……。
でもこのまま何もせずに帰るわけにもいかない。そのためにみんなに背を向けてその場を去ろうとすると、天馬は『待ってるよ』って言ってくれたから、私は頷き返して歩き始めた。
「私にはいたんだね……。一緒にいてくれる仲間が……!」
そしてもう誤魔化すことはできない……私は天馬が好きなんだ……!
――フェーダの本部に行った私は、周りを警戒しつつ箱に保管されていた円堂さんのクロノストーンを見つけて手に取って去ろうとすると、いつの間にか壁際にSARUがいた。
SARUは私と円堂さんが帰れば天馬たちは逃げると言ったけど、天馬たちは絶対逃げない。そして私はSARUたちの力を知っても、天馬たちと一緒に戦うって決意したんだ。
「……と、いうのは『フェーダのリーダー』としての言葉さ」
「えっ?」
「ここからは『サリュー=エヴァン』として言わせてもらう。――行くな、ミズキ!」
「SARU……?」
さっきまで淡々となんでもないように言っていたSARUが、急に感情を露わするように声を上げて来た。私がフェーダにいる間から今まで、こんなSARUの姿なんて見たことない。きっと他のフェーダのみんなも。
「本当はラグナロクに勝利し、世界を僕らのモノにしてから言おうとしたんだが……――僕は、君のことが好きだ!」
「!」
突然の告白に私は驚かずにいられなかった。でも、私はもう自分の決意も想いも固まっている。
「ごめん、SARU」
「……松風天馬か?」
SARUは私の気持ちに気づいていたんだ……。
「彼と君じゃ生きる時代が違う。たとえ想いが通じ合ったとしても、その先に待ち受ける未来はどうやっても不幸でしかない。今からでも遅くないよ……思い直すんだ、ミズキ!」
「確かに天馬と私は生きる時代が違うよ。でも、想いにそんなの必要なの?」
私が帰ろうとしている場所は、出会った場所も時間も時代も全然違う仲間たちだ。でも私は、『一緒の時代に生きている』SARUたちじゃなく、その『違う時代に生きている』天馬たちと戦いたい……この戦いの最後までそばにいたいと決めた。
「フィールドで会おう」
そう言って、私は今度こそフェーダから去って行った。
――雷門が集まっていると聞いた部屋の扉の前に来た私。帰ってきていいと言われても、少なからず何か言われるに違いない。だけどそれを含めて覚悟もできている。そっと扉を開けると……。
パンッパパンッ!!
「「「「「おかえりー!」」」」」
「えっ……? これって……」
扉を開けると同時に鳴り響いたクラッカー音、みんなの笑顔、そして横断幕には『おかえりミズキ』と書かれていた。この案は水鳥さんが考えてくれたみたい。
「「「「「おかえり! ミズキ!」」」」」
「ありがとう……! 私、ここにいてもいいんだね?」
「当たり前じゃないか!」
天馬たちの言葉が温かくて胸がいっぱいになる。これから戦うのはかつての仲間たちでも、天馬たちが一緒ならなんとかなる、そう思えるんだ。
そしてマスターDが望んで、サッカーとSARUを救うための時空最強イレブンはコンプリートした。全ては明日の最終決戦のために!