トリップ少女は孤高のゲームメーカー?
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
春奈の口から出た言葉に全員が驚いた。彼女は佐久間と源田をスカウトし、禁断の必殺技を使わせるようにした張本人だ。それを『助けて』というなどおかしいと思う。
しかし、春奈と同意するように秋と夏未も言葉を続ける。
「私たち、聞いたの。彼女は本心であんな行動に出ているわけじゃないって」
「聞いたって、誰から?」
「真・帝国学園にいるもう一人の女子選手よ。あなたたちが控え室で着替えている間にね」
円堂が再び問うと夏未は視線で忍を示し、そして理由を説明する。
☆☆☆☆☆
――円堂たちが控え室に入ったあと、自分たちはドリンクやタオルの準備をしようと移動したら突然廊下の陰から春奈の腕を引かれたのだ。最初は影山の手の者かと思ったが、次いで秋と夏未にも腕を引かれて引き寄せられた。
『シッ! 静かに。大丈夫、危害は加えないわ』
『あなたは……?』
『私は小鳥遊忍。真・帝国学園のメンバーよ』
『『『なっ――』』』
『静かに。ここは防犯カメラの死角になるとはいえ、油断できないわ』
驚いて叫ぼうとするマネージャーたちの先手を打って、忍は再び静かにするように言う。
『信じるか信じないかはあなたたちに任せるわ。でも、聞いてほしい。――この試合に絶対勝って、そして瑞貴を救ってほしい』
『『『!』』』
まさか瑞貴を救ってほしいなど言われるとは思わず、戸惑うマネージャーたちだが忍は話を続けた。
本当の瑞貴は心優しいサッカーが大好きな少女ということ。影山に両親と雷門イレブンを人質に取られ、そいなサッカーをされているということ……。
『でも、どうして私たちのことまで?』
『そうですよ。両親のことはわからなくもないですが……』
『あなたの言うことが真実でも、不動さんに私たちを守るメリットはなくてよ?』
『瑞貴はね、あなたたちのサッカーが好きなの』
『『『えっ……?』』』
『「どんなときでもあきらめず、正々堂々と戦って絆を深めていく雷門イレブンのサッカーが大好き」って言ってたわ。研究と称してでも雷門イレブンの試合を見ることが、唯一の癒しだったのよ』
――まるで妹を見守る姉のような表情をする忍に、秋も夏未も春奈もひと言も声を発することができなかった。
☆☆☆☆☆
もちろん簡単に受け入れるわけにもいかないので、マネージャーたちは前半で様子見をしていたのだ。
「彼女、あなたたちにヒドいプレーや罵声を言うとき、必ず躊躇いが見られたの」
「私たちはピッチの外でいつも試合を見ているから、それぞれの表情で気持ちが伝わってくるんです」
「ずっと『こんなサッカーしたくない』、『ごめんなさい』って……」
外から観ることでピッチの中じゃわからないことがある、それを知ることができるのはベンチにいる選手や監督もそうだが、マネージャーだって同じだ。
「不動も、影山に脅されているというのか?」
「だがそれも、俺たちを陥れるための罠という考えもあるぞ」
一之瀬と土門が顔を見合わせて鬼道を見る。この試合で一番強い思いがあるのは彼なので、最終的な意見が欲しかった。
「たとえ罠であろうと、俺たちがやることは一つだ。この試合に勝つこと――……それが佐久間や源田だけでなく、不動を救う手立てにもなる」
「ああ! そうだな!」
鬼道の意見に円堂は力強く頷いた。もし騙されていても、佐久間と源田を救うことが第一なのだ。そのために試合に勝つしかない。
――その後、染岡が負傷してしまう事件が起こってしまった。原因は瑞貴との接触だ。
だがそれは原作のようなものではなく、体の痛みで体勢を崩した瑞貴が染岡と当たってしまったのだ。エイリア石に抵抗し続け辛い特訓を受けたのでムリが祟ったのだろう。潜水艇から脱出したあと、瑞貴も佐久間と源田と共に病院へ運ばれた。
「瑞貴、調子はどう?」
「うん。だいぶ食欲も出たし、リハビリもしているよ」
瑞貴は積み重なった負担が倒れたことによって爆発するように不調を起こし、瞳子が紹介した病院で入院している。そして忍は毎日欠かさず見舞いに来てくれた。
「忍ちゃん……。私…総帥から見限られちゃったよ……」
「瑞貴……」
「でも…これでよかったんだよね……」
鬼道の二番目と称された上に、作戦が失敗したことで瑞貴は影山にとって眼中外の存在になった。ショックを受けるどころかホッとしているのだ。これで彼の呪縛から解放されたのだと思うと……。
「雷門イレブンはこれからも大変な戦いをしているのに、ホッとするなんて薄情者だよね……」
「あんたは充分よくやったわ。だから今は休みなさい。――またサッカーをするために」
忍は宥めるように瑞貴の頭を撫でた。忍自身も、彼女に背負わされた荷が下りたことに安堵している。
――数ヶ月後、瑞貴は再び影山と対峙することになる。今度は鬼道と佐久間と円堂と同じチームで。
しかし、春奈と同意するように秋と夏未も言葉を続ける。
「私たち、聞いたの。彼女は本心であんな行動に出ているわけじゃないって」
「聞いたって、誰から?」
「真・帝国学園にいるもう一人の女子選手よ。あなたたちが控え室で着替えている間にね」
円堂が再び問うと夏未は視線で忍を示し、そして理由を説明する。
☆☆☆☆☆
――円堂たちが控え室に入ったあと、自分たちはドリンクやタオルの準備をしようと移動したら突然廊下の陰から春奈の腕を引かれたのだ。最初は影山の手の者かと思ったが、次いで秋と夏未にも腕を引かれて引き寄せられた。
『シッ! 静かに。大丈夫、危害は加えないわ』
『あなたは……?』
『私は小鳥遊忍。真・帝国学園のメンバーよ』
『『『なっ――』』』
『静かに。ここは防犯カメラの死角になるとはいえ、油断できないわ』
驚いて叫ぼうとするマネージャーたちの先手を打って、忍は再び静かにするように言う。
『信じるか信じないかはあなたたちに任せるわ。でも、聞いてほしい。――この試合に絶対勝って、そして瑞貴を救ってほしい』
『『『!』』』
まさか瑞貴を救ってほしいなど言われるとは思わず、戸惑うマネージャーたちだが忍は話を続けた。
本当の瑞貴は心優しいサッカーが大好きな少女ということ。影山に両親と雷門イレブンを人質に取られ、そいなサッカーをされているということ……。
『でも、どうして私たちのことまで?』
『そうですよ。両親のことはわからなくもないですが……』
『あなたの言うことが真実でも、不動さんに私たちを守るメリットはなくてよ?』
『瑞貴はね、あなたたちのサッカーが好きなの』
『『『えっ……?』』』
『「どんなときでもあきらめず、正々堂々と戦って絆を深めていく雷門イレブンのサッカーが大好き」って言ってたわ。研究と称してでも雷門イレブンの試合を見ることが、唯一の癒しだったのよ』
――まるで妹を見守る姉のような表情をする忍に、秋も夏未も春奈もひと言も声を発することができなかった。
☆☆☆☆☆
もちろん簡単に受け入れるわけにもいかないので、マネージャーたちは前半で様子見をしていたのだ。
「彼女、あなたたちにヒドいプレーや罵声を言うとき、必ず躊躇いが見られたの」
「私たちはピッチの外でいつも試合を見ているから、それぞれの表情で気持ちが伝わってくるんです」
「ずっと『こんなサッカーしたくない』、『ごめんなさい』って……」
外から観ることでピッチの中じゃわからないことがある、それを知ることができるのはベンチにいる選手や監督もそうだが、マネージャーだって同じだ。
「不動も、影山に脅されているというのか?」
「だがそれも、俺たちを陥れるための罠という考えもあるぞ」
一之瀬と土門が顔を見合わせて鬼道を見る。この試合で一番強い思いがあるのは彼なので、最終的な意見が欲しかった。
「たとえ罠であろうと、俺たちがやることは一つだ。この試合に勝つこと――……それが佐久間や源田だけでなく、不動を救う手立てにもなる」
「ああ! そうだな!」
鬼道の意見に円堂は力強く頷いた。もし騙されていても、佐久間と源田を救うことが第一なのだ。そのために試合に勝つしかない。
――その後、染岡が負傷してしまう事件が起こってしまった。原因は瑞貴との接触だ。
だがそれは原作のようなものではなく、体の痛みで体勢を崩した瑞貴が染岡と当たってしまったのだ。エイリア石に抵抗し続け辛い特訓を受けたのでムリが祟ったのだろう。潜水艇から脱出したあと、瑞貴も佐久間と源田と共に病院へ運ばれた。
「瑞貴、調子はどう?」
「うん。だいぶ食欲も出たし、リハビリもしているよ」
瑞貴は積み重なった負担が倒れたことによって爆発するように不調を起こし、瞳子が紹介した病院で入院している。そして忍は毎日欠かさず見舞いに来てくれた。
「忍ちゃん……。私…総帥から見限られちゃったよ……」
「瑞貴……」
「でも…これでよかったんだよね……」
鬼道の二番目と称された上に、作戦が失敗したことで瑞貴は影山にとって眼中外の存在になった。ショックを受けるどころかホッとしているのだ。これで彼の呪縛から解放されたのだと思うと……。
「雷門イレブンはこれからも大変な戦いをしているのに、ホッとするなんて薄情者だよね……」
「あんたは充分よくやったわ。だから今は休みなさい。――またサッカーをするために」
忍は宥めるように瑞貴の頭を撫でた。忍自身も、彼女に背負わされた荷が下りたことに安堵している。
――数ヶ月後、瑞貴は再び影山と対峙することになる。今度は鬼道と佐久間と円堂と同じチームで。