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円堂はリリアを真っ直ぐ見て告げる。それは迷いのない目だった。
「瑞貴はサッカーに対してはいつも真剣なんだ。それでも来ないってことは何かあったに違いない」
「キャプテン……」
「鬼道、手分けして探そう」
「ああ。よし、荷物を置いているということは外ではなく学校にいる確率は高い。みんな探すぞ」
「「「「「オウッ!」」」」」
源田の提案に頷いた鬼道はみんなに向かってそう言うと、全員それぞれの方向に向かって走り出した。――ただ一人、残ったリリアは予想外のことだらけで、その場に佇んでいる。
「なんで……――なんで誰も疑わないんですの?」
「天野宮さーん! 行くよー!」
「は、はい!」
秋に呼びかけられたリリアはとりあえず駆け出してあとを追った。……そしてうまくいかないことばかりで、密かに顔をしかめていた。
☆☆☆☆☆
一方、体育倉庫に閉じ込められた瑞貴は悩んでいた。
「鍵が掛かって開けられない……。必殺技で壊したら夏未ちゃんに叱られるよね……」
ここに入る原因となったバレーボールを見て瑞貴はそう思ったが、そもそも必殺技で開けられる自信もないのだ。
「幸い、通気口になっている小窓が開いているからいいけど……私の体じゃ通れないし。……――あっ!」
天井付近で赤ちゃんが入れるぐらいの小窓を見た瑞貴は、自分の体の大きさにガッカリしつつも、何か思いついたように拳をポンッと手の平に当てた。
☆☆☆☆☆
あれから二時間――雷門中サッカー部と帝国学園サッカー部が合同で探してみるが、どこに行っても瑞貴の姿が見当たらない。校舎の中まで捜索範囲を広げたり、瑞貴の行きそうな場所を探しているが影も形もない。
円堂も秋もリリアと共に昼休みによく行く屋上へ来たが、隅から隅まで探しても見つからないのである。
「やっぱり、瑞貴の身に何かあったんだ!」
「これ以上探して見つからないようなら、事件の可能性もあるかも」
「……んで」
「「えっ?」」
円堂と秋が顔を見合わせて推測を立てていると、リリアの声に二人は振り向いた。彼女は顔をうつむけているので表情は見えないが、口はしっかり開いて言葉を繋げる。
「なんでみなさんは瑞貴さんのことを信じられるんですの!? あんなどこにでもいるような平凡な女性が、雷門中も帝国学園も心配して一斉に探すなんて普通じゃありません! あの方のどこかがいいんですか!?
「天野宮さん……?」
「リリア……」
「っ!」
秋と円堂の驚いた顔を見て、リリアは一瞬やってしまったと思った。しかし言ってしまった以上は引けないし、これはテレビ越しで見ていたときから思っていたことなので全て本心なのである。
だけどちょうどいいと思っていたし、これを機に聞いてみたかった。――瑞貴のどこにそんな人を惹きつける力があるのかと。
「リリアはさ、俺が女子サッカーチームに入ったらどう思う?」
「……えっ?」
「いいから、どう思うんだ?」
突然の問いかけにリリアは目を丸くしたが、円堂は自分を指差して首を傾げたのでとりあえず答える。
「び、びっくりします……」
「他には?」
「じょ、女子の中に男子がいるのは変とか考えてしまいますわ……」
「そうだろ? ――瑞貴も言われたことがあるんだよ」
「瑞貴さんが……?」
円堂は空を見上げて言う。それはまるで遠い思い出を見つめているように……懐かしむように……。
「あいつがスゲーサッカー選手だってことは誰もが知っているけど、最初は知らされていなかった。俺たちは練習で一緒だったし、あいつの実力を間近で見てきたから違和感があまりなかった。でも――知らない奴から見たら『異端』になってしまうんだよ」
目金も瑞貴のことを邪険にしていたし、帝国学園もバカにしていた。どんなスポーツだろうが、たった一人の異性はそれだけ目立つ存在である。瑞貴はそれを跳ね除けてしまうくらい並大抵じゃない努力を積んできた。
「今じゃ豪炎寺や染岡にも負けないストライカーで、副キャプテンで、俺の相棒なんだぜ? 男子や女子がどうとか言う前に、一人のサッカーが大好きな奴として、あんなスゲープレーを見せられちゃ……――惹かれないわけにもいかないだろ?」
「…………!」
初めて会ったときもサッカーを汚す行為をしたことに不良へ真っ直ぐ突っかかっていた。サッカーが好きな者としては気持ちを代弁してくれたようで嬉しかったし、極めつけがあのシュートだ。気にならないわけがない。
「あっ、もちろん瑞貴自身のこともみんな大好きだけどな。なっ、秋!」
「うん!」
笑い合う円堂と秋は、今のリリアにとって眩し過ぎた。自分は勝手な都合で瑞貴を悪者にしようとしたし、みんなが楽しみにしていた練習試合を踏みにじるような行為をしてきたのだから……。
「あの、わたくし――」
「!」
「円堂くん!?」
リリアが何か言おうとした途端、円堂が血相抱えたようにフェンスへ走り出した。その異変に秋もびっくりして思わず声を上げる。
「瑞貴はサッカーに対してはいつも真剣なんだ。それでも来ないってことは何かあったに違いない」
「キャプテン……」
「鬼道、手分けして探そう」
「ああ。よし、荷物を置いているということは外ではなく学校にいる確率は高い。みんな探すぞ」
「「「「「オウッ!」」」」」
源田の提案に頷いた鬼道はみんなに向かってそう言うと、全員それぞれの方向に向かって走り出した。――ただ一人、残ったリリアは予想外のことだらけで、その場に佇んでいる。
「なんで……――なんで誰も疑わないんですの?」
「天野宮さーん! 行くよー!」
「は、はい!」
秋に呼びかけられたリリアはとりあえず駆け出してあとを追った。……そしてうまくいかないことばかりで、密かに顔をしかめていた。
☆☆☆☆☆
一方、体育倉庫に閉じ込められた瑞貴は悩んでいた。
「鍵が掛かって開けられない……。必殺技で壊したら夏未ちゃんに叱られるよね……」
ここに入る原因となったバレーボールを見て瑞貴はそう思ったが、そもそも必殺技で開けられる自信もないのだ。
「幸い、通気口になっている小窓が開いているからいいけど……私の体じゃ通れないし。……――あっ!」
天井付近で赤ちゃんが入れるぐらいの小窓を見た瑞貴は、自分の体の大きさにガッカリしつつも、何か思いついたように拳をポンッと手の平に当てた。
☆☆☆☆☆
あれから二時間――雷門中サッカー部と帝国学園サッカー部が合同で探してみるが、どこに行っても瑞貴の姿が見当たらない。校舎の中まで捜索範囲を広げたり、瑞貴の行きそうな場所を探しているが影も形もない。
円堂も秋もリリアと共に昼休みによく行く屋上へ来たが、隅から隅まで探しても見つからないのである。
「やっぱり、瑞貴の身に何かあったんだ!」
「これ以上探して見つからないようなら、事件の可能性もあるかも」
「……んで」
「「えっ?」」
円堂と秋が顔を見合わせて推測を立てていると、リリアの声に二人は振り向いた。彼女は顔をうつむけているので表情は見えないが、口はしっかり開いて言葉を繋げる。
「なんでみなさんは瑞貴さんのことを信じられるんですの!? あんなどこにでもいるような平凡な女性が、雷門中も帝国学園も心配して一斉に探すなんて普通じゃありません! あの方のどこかがいいんですか!?
「天野宮さん……?」
「リリア……」
「っ!」
秋と円堂の驚いた顔を見て、リリアは一瞬やってしまったと思った。しかし言ってしまった以上は引けないし、これはテレビ越しで見ていたときから思っていたことなので全て本心なのである。
だけどちょうどいいと思っていたし、これを機に聞いてみたかった。――瑞貴のどこにそんな人を惹きつける力があるのかと。
「リリアはさ、俺が女子サッカーチームに入ったらどう思う?」
「……えっ?」
「いいから、どう思うんだ?」
突然の問いかけにリリアは目を丸くしたが、円堂は自分を指差して首を傾げたのでとりあえず答える。
「び、びっくりします……」
「他には?」
「じょ、女子の中に男子がいるのは変とか考えてしまいますわ……」
「そうだろ? ――瑞貴も言われたことがあるんだよ」
「瑞貴さんが……?」
円堂は空を見上げて言う。それはまるで遠い思い出を見つめているように……懐かしむように……。
「あいつがスゲーサッカー選手だってことは誰もが知っているけど、最初は知らされていなかった。俺たちは練習で一緒だったし、あいつの実力を間近で見てきたから違和感があまりなかった。でも――知らない奴から見たら『異端』になってしまうんだよ」
目金も瑞貴のことを邪険にしていたし、帝国学園もバカにしていた。どんなスポーツだろうが、たった一人の異性はそれだけ目立つ存在である。瑞貴はそれを跳ね除けてしまうくらい並大抵じゃない努力を積んできた。
「今じゃ豪炎寺や染岡にも負けないストライカーで、副キャプテンで、俺の相棒なんだぜ? 男子や女子がどうとか言う前に、一人のサッカーが大好きな奴として、あんなスゲープレーを見せられちゃ……――惹かれないわけにもいかないだろ?」
「…………!」
初めて会ったときもサッカーを汚す行為をしたことに不良へ真っ直ぐ突っかかっていた。サッカーが好きな者としては気持ちを代弁してくれたようで嬉しかったし、極めつけがあのシュートだ。気にならないわけがない。
「あっ、もちろん瑞貴自身のこともみんな大好きだけどな。なっ、秋!」
「うん!」
笑い合う円堂と秋は、今のリリアにとって眩し過ぎた。自分は勝手な都合で瑞貴を悪者にしようとしたし、みんなが楽しみにしていた練習試合を踏みにじるような行為をしてきたのだから……。
「あの、わたくし――」
「!」
「円堂くん!?」
リリアが何か言おうとした途端、円堂が血相抱えたようにフェンスへ走り出した。その異変に秋もびっくりして思わず声を上げる。