十年間の培った想い
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円堂と瑞貴は中学時代からの想いが実り、ついに結婚した。しかし円堂は海外で瑞貴は日本のプロリーグに所属しており、別居をしなければならない状況だった。
だが両チームの監督が新婚ということで気を利かせてくれたのか、二人は手続きをしたあと一週間の休みをもらい日本の家で暮らせるようになった。――これはフィフスセクターとの戦いから数年前の出来事である。
☆☆☆☆☆
新居というわけではないが、瑞貴が以前から住んでいた家に二人は暮らすことになった。トリップしてずっと共にある家なのでリフォームはすれど、思い出が詰まっている家に瑞貴は円堂と暮らせて嬉しく思った。
いつものように瑞貴はリビングで掃除機をかけていると、円堂はソファに座ってその姿を見ながらソワソワしていたが、ついに立ち上がった。
「瑞貴、俺も何か手伝うよ」
「えっ? 大丈夫だよ。守こそ、せっかく帰国したんだから休んでて」
瑞貴は家事を一人でやるのが決して苦ではない。むしろ生活の一部となっていて、やらない日など考えていない。だからイナズマジャパン時代でも宿舎でマネージャーの手伝いをやってきた。
円堂は瑞貴が『ゆっくりしてて』と言われて以来、新聞を読んだりテレビでサッカーの試合を見たりしていたが、せっせと働く妻を見ると何もしない自分に歯がゆかった。
「いや、その、なんだか落ち着かなくてさ……。それに、嫁さんばかりに任せるのもどうかとして思って」
「よ、嫁さん……!」
サラッと口に出た円堂の言葉に瑞貴は顔が赤くなった。確かにそうなのだが、結婚して半年も経っていないので自身が『円堂の妻』ということにまだ慣れないのだろう。
「じ、じゃあ守は庭の草むしりをお願いできる?」
「オウッ。任せとけ」
円堂はゴミ袋や軍手を用意して庭に出て行って草むしりを始めた。今日は気温が涼しいので草むしりには最適だ……と思ったが、普段から瑞貴が手入れしているせいか、ほとんどやることがない。
全体を見てやり残しがないかも確認すると、道具を片づけて家の中に入ればリビングで瑞貴がお茶の用意をしていた。
「お疲れ様。喉乾いたでしょ? お茶とお茶菓子があるから手を洗って来てね」
「オ、オウッ……」
言われるがままに円堂は洗面所に行った。そして鏡に映る自分を見て思わず溜息を吐く。
「ハァ……。できた嫁さんで嬉しいんだけど……なんかなぁ」
自分も彼女もプロサッカー選手である。練習や特訓によって時間は不規則になるし、自分など家に帰れば疲れてそのまま寝てしまうこともある。
つき合っている間に海外に行くならと母から必要最低限の家事を教えてもらったし、瑞貴も時間があればアドバイスをくれた。だから結婚しても家事で役に立つと思ったが……。
(何もかも瑞貴にやらせて、申し訳ない気がしてくる……)
休みをもらってあれから三日経ったが――瑞貴は朝早く起きてランニングして、朝食を作り、洗濯物を干し、家の掃除をし、昼食を作り、余った時間をサッカーに使い、買い物に行き、夕飯を作り……もちろん休むときは休んでいるが、とにかく働いているのだ。
声をかければ先ほどのように自分に仕事を回してくれるが、基本何もかもやってくれる瑞貴。家事をしなくていいという理想を持つ夫もいるだろうが、円堂は昔からがんばり屋の相棒であり妻にムリさせている気がして申し訳なく思う。
友達と会わなくていいのかと問えば――。
『普段から日本にいるから予定が合えば会えるし、せっかくの守と過ごせる休みなんだもの。できる限り一緒にいたい』
なんて可愛いこと言われれば、逆に円堂が不意打ちを食らったくらいだ。ときどき天然は質(タチ)が悪いと(同じことを相手も思っているとは知らずに)思ってた。
「なんか俺にできること……――そうだ!」
思いついた円堂はすぐに洗面所から出てリビングに向かえば、テーブルの上にはすでにお茶の用意ができていた。さらにはおいしそうなクッキーまでもある。
だが両チームの監督が新婚ということで気を利かせてくれたのか、二人は手続きをしたあと一週間の休みをもらい日本の家で暮らせるようになった。――これはフィフスセクターとの戦いから数年前の出来事である。
☆☆☆☆☆
新居というわけではないが、瑞貴が以前から住んでいた家に二人は暮らすことになった。トリップしてずっと共にある家なのでリフォームはすれど、思い出が詰まっている家に瑞貴は円堂と暮らせて嬉しく思った。
いつものように瑞貴はリビングで掃除機をかけていると、円堂はソファに座ってその姿を見ながらソワソワしていたが、ついに立ち上がった。
「瑞貴、俺も何か手伝うよ」
「えっ? 大丈夫だよ。守こそ、せっかく帰国したんだから休んでて」
瑞貴は家事を一人でやるのが決して苦ではない。むしろ生活の一部となっていて、やらない日など考えていない。だからイナズマジャパン時代でも宿舎でマネージャーの手伝いをやってきた。
円堂は瑞貴が『ゆっくりしてて』と言われて以来、新聞を読んだりテレビでサッカーの試合を見たりしていたが、せっせと働く妻を見ると何もしない自分に歯がゆかった。
「いや、その、なんだか落ち着かなくてさ……。それに、嫁さんばかりに任せるのもどうかとして思って」
「よ、嫁さん……!」
サラッと口に出た円堂の言葉に瑞貴は顔が赤くなった。確かにそうなのだが、結婚して半年も経っていないので自身が『円堂の妻』ということにまだ慣れないのだろう。
「じ、じゃあ守は庭の草むしりをお願いできる?」
「オウッ。任せとけ」
円堂はゴミ袋や軍手を用意して庭に出て行って草むしりを始めた。今日は気温が涼しいので草むしりには最適だ……と思ったが、普段から瑞貴が手入れしているせいか、ほとんどやることがない。
全体を見てやり残しがないかも確認すると、道具を片づけて家の中に入ればリビングで瑞貴がお茶の用意をしていた。
「お疲れ様。喉乾いたでしょ? お茶とお茶菓子があるから手を洗って来てね」
「オ、オウッ……」
言われるがままに円堂は洗面所に行った。そして鏡に映る自分を見て思わず溜息を吐く。
「ハァ……。できた嫁さんで嬉しいんだけど……なんかなぁ」
自分も彼女もプロサッカー選手である。練習や特訓によって時間は不規則になるし、自分など家に帰れば疲れてそのまま寝てしまうこともある。
つき合っている間に海外に行くならと母から必要最低限の家事を教えてもらったし、瑞貴も時間があればアドバイスをくれた。だから結婚しても家事で役に立つと思ったが……。
(何もかも瑞貴にやらせて、申し訳ない気がしてくる……)
休みをもらってあれから三日経ったが――瑞貴は朝早く起きてランニングして、朝食を作り、洗濯物を干し、家の掃除をし、昼食を作り、余った時間をサッカーに使い、買い物に行き、夕飯を作り……もちろん休むときは休んでいるが、とにかく働いているのだ。
声をかければ先ほどのように自分に仕事を回してくれるが、基本何もかもやってくれる瑞貴。家事をしなくていいという理想を持つ夫もいるだろうが、円堂は昔からがんばり屋の相棒であり妻にムリさせている気がして申し訳なく思う。
友達と会わなくていいのかと問えば――。
『普段から日本にいるから予定が合えば会えるし、せっかくの守と過ごせる休みなんだもの。できる限り一緒にいたい』
なんて可愛いこと言われれば、逆に円堂が不意打ちを食らったくらいだ。ときどき天然は質(タチ)が悪いと(同じことを相手も思っているとは知らずに)思ってた。
「なんか俺にできること……――そうだ!」
思いついた円堂はすぐに洗面所から出てリビングに向かえば、テーブルの上にはすでにお茶の用意ができていた。さらにはおいしそうなクッキーまでもある。