帰る場所はどっち?
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――瑞貴が気分を変えて縁側で書物を調べていると、廊下の角で申し訳なさそうな顔をする凪に気づいた。
「凪、どうしたの?」
「ごめんね、ちょっと勉強見てくれない? 風花ちゃんはまだ帰ってなくて、霞ちゃんは買い物に出ちゃって……」
「うん、いいよ。テストが終わっても凪は勉強熱心だね」
「それほどでもないよ。僕が好きでやってることだから」
凪の部屋で瑞貴は勉強を教えることになった。もともと資格マニアでたくさんの資格を取得している凪に、瑞貴もほとんど教えることがないくらいだ。
だけどこれは学生の特権でもあり、凪はこうやって瑞貴が家庭教師をしてもらうことで一緒の時間を過ごしている。
(僕は年下だけど……瑞貴ちゃんの将来の旦那様には打ってつけだと思うんだけどなぁ)
凪はラストニンジャと同時に公務員も目指しているため、たくさん資格を取得していた。公務員であれば瑞貴に不自由させることは少ないだろう。
「凪? 聞いてる?」
「あっ! ご、ごめん!」
何も答えないどころか相槌すら打たない凪に、瑞貴は横から覗き込んで訊いた。いつもはあまり思わなかったが、霞が変なことを言ったせいか妙に意識してもらう。
でも本当に自分たちの誰かが瑞貴の相手になれば、瑞貴がここにずっと残る確率があると思った。同時に、その相手が自分であればいいとも。
「もしかして、私の説明がヘタだったかな?」
「いや、その、ついボーッとしちゃって……もう一度教えてもらっていい?」
「いいよ。じゃあ、ここに……」
今度は真剣に聞き取り、わからなかった問題も解くことがどきた。同じ応用問題も続けて解けたので瑞貴は凪の頭を撫でる。
「スゴいじゃん。やっぱり凪は呑み込みが早いね」
「瑞貴ちゃんの教え方が上手だからよ」
「じゃあ少し休憩しようね。今、お茶持ってくるから」
「あっ!」
パシッ。
立ち上がる瑞貴の手首を凪はつかんだ。つかまれた瑞貴はもちろん、とっさのことだったようで本人も驚いている。
「ど、どうしたの?」
「あっ、あのね……僕、がんばるから! 修業も、勉強も!」
「えーと……がんばってね?」
「うん!」
その言葉の意味がわからない瑞貴はとりあえず声援を送ることにした。今はまだこれでいいらしく、凪は嬉しそうに頷いた。
――買い物から帰った霞はおいしそうなクッキーを買ったと瑞貴をお茶会に誘い、風花も勉強の息抜きとして参加した。
「おっ、このクッキーおいしい!」
「スーパーの近くのケーキ屋さんの新作なんです。評判でしたので買ってみたら大当たりでしたね」
「…………」
クッキーを食べて笑顔になる瑞貴と相槌する霞と違い、風花はクッキーを食べてもずっと無言だった。
「風ちゃん? どうしたんですか? お口に合いませんでしたか?」
「もしかして、今日のテストがうまくいかなかった?」
「ううん……」
学校に帰ってから風花は勉強しても瑞貴のことを思い浮かべていた。朝食のときも言った通り瑞貴に帰ってほしくないからだ。
「……瑞貴ちゃん。伊賀崎家(ココ)は楽しい?」
「えっ?」
「その、瑞貴ちゃん、ずっとムリして――」
「風ちゃん!」
「あっ!」
「…………」
霞が慌てて止めたので風花は口を塞ぐがもう遅かった。今度は瑞貴が無言になってしまう。
「……気づいていたんだね。私が徹夜したのが今日初めてじゃないって」
「はい……」
「私ね、瑞貴ちゃんにずっとここにいてほしいの。だって仲間の元に帰るってことは宇宙に行くってことでしょ? そしたら次に会える保証なんてないじゃん!」
「風花ちゃん……」
「行かないで……」
ギュッと抱きつく風花に、顔をうつむける霞も同じ気持ちを抱えていた。それを察したのか瑞貴は風花の頭を優しく撫でながら言う。
「ありがとう。風花ちゃん、霞ちゃん」
今の瑞貴にはそれしか言えなかった。そしてその言葉の意味を風花も霞もしっかり伝わっている。……ここに残る気はないと。
「凪、どうしたの?」
「ごめんね、ちょっと勉強見てくれない? 風花ちゃんはまだ帰ってなくて、霞ちゃんは買い物に出ちゃって……」
「うん、いいよ。テストが終わっても凪は勉強熱心だね」
「それほどでもないよ。僕が好きでやってることだから」
凪の部屋で瑞貴は勉強を教えることになった。もともと資格マニアでたくさんの資格を取得している凪に、瑞貴もほとんど教えることがないくらいだ。
だけどこれは学生の特権でもあり、凪はこうやって瑞貴が家庭教師をしてもらうことで一緒の時間を過ごしている。
(僕は年下だけど……瑞貴ちゃんの将来の旦那様には打ってつけだと思うんだけどなぁ)
凪はラストニンジャと同時に公務員も目指しているため、たくさん資格を取得していた。公務員であれば瑞貴に不自由させることは少ないだろう。
「凪? 聞いてる?」
「あっ! ご、ごめん!」
何も答えないどころか相槌すら打たない凪に、瑞貴は横から覗き込んで訊いた。いつもはあまり思わなかったが、霞が変なことを言ったせいか妙に意識してもらう。
でも本当に自分たちの誰かが瑞貴の相手になれば、瑞貴がここにずっと残る確率があると思った。同時に、その相手が自分であればいいとも。
「もしかして、私の説明がヘタだったかな?」
「いや、その、ついボーッとしちゃって……もう一度教えてもらっていい?」
「いいよ。じゃあ、ここに……」
今度は真剣に聞き取り、わからなかった問題も解くことがどきた。同じ応用問題も続けて解けたので瑞貴は凪の頭を撫でる。
「スゴいじゃん。やっぱり凪は呑み込みが早いね」
「瑞貴ちゃんの教え方が上手だからよ」
「じゃあ少し休憩しようね。今、お茶持ってくるから」
「あっ!」
パシッ。
立ち上がる瑞貴の手首を凪はつかんだ。つかまれた瑞貴はもちろん、とっさのことだったようで本人も驚いている。
「ど、どうしたの?」
「あっ、あのね……僕、がんばるから! 修業も、勉強も!」
「えーと……がんばってね?」
「うん!」
その言葉の意味がわからない瑞貴はとりあえず声援を送ることにした。今はまだこれでいいらしく、凪は嬉しそうに頷いた。
――買い物から帰った霞はおいしそうなクッキーを買ったと瑞貴をお茶会に誘い、風花も勉強の息抜きとして参加した。
「おっ、このクッキーおいしい!」
「スーパーの近くのケーキ屋さんの新作なんです。評判でしたので買ってみたら大当たりでしたね」
「…………」
クッキーを食べて笑顔になる瑞貴と相槌する霞と違い、風花はクッキーを食べてもずっと無言だった。
「風ちゃん? どうしたんですか? お口に合いませんでしたか?」
「もしかして、今日のテストがうまくいかなかった?」
「ううん……」
学校に帰ってから風花は勉強しても瑞貴のことを思い浮かべていた。朝食のときも言った通り瑞貴に帰ってほしくないからだ。
「……瑞貴ちゃん。伊賀崎家(ココ)は楽しい?」
「えっ?」
「その、瑞貴ちゃん、ずっとムリして――」
「風ちゃん!」
「あっ!」
「…………」
霞が慌てて止めたので風花は口を塞ぐがもう遅かった。今度は瑞貴が無言になってしまう。
「……気づいていたんだね。私が徹夜したのが今日初めてじゃないって」
「はい……」
「私ね、瑞貴ちゃんにずっとここにいてほしいの。だって仲間の元に帰るってことは宇宙に行くってことでしょ? そしたら次に会える保証なんてないじゃん!」
「風花ちゃん……」
「行かないで……」
ギュッと抱きつく風花に、顔をうつむける霞も同じ気持ちを抱えていた。それを察したのか瑞貴は風花の頭を優しく撫でながら言う。
「ありがとう。風花ちゃん、霞ちゃん」
今の瑞貴にはそれしか言えなかった。そしてその言葉の意味を風花も霞もしっかり伝わっている。……ここに残る気はないと。