天然コンビと出歯亀隊
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そして日曜日。一之瀬は朝早くにどこかに出かけたので、家にいるのは瑞貴と様子を見にきたシンだけだった。
瑞貴も待ち合わせ場所の商店街に余裕で着くようにと、準備を終えて玄関に向かう。
「いってきまーす」
「ちょっと待った」
ガシッとシンは瑞貴の首根っこをつかんだ。瑞貴は思わぬことに「ぐぇっ」と女としてあるまじき声を上げる。
「なにすんだよ!」
「せっかくのデートなのに、そんな格好で行く気かい?」
瑞貴の今のファッションは、Tシャツの上にフード付きのパーカーを羽織ってジーパンに帽子と、まるで男の子のような格好だった。
元々瑞貴はズボン派なのでスカートは好まない。故(ユエ)に、自然とボーイッシュな服ばかり持っている。
「いやデートじゃないし。守なら気にしないから大丈夫だよ」
「僕が許さない!」
「なんじゃそりゃ!」
「とにかく! まだ待ち合わせには余裕あるでしょ。着替えるよ!」
「えっ、ちょ、みぎゃぁああ!!」
瑞貴はそのままシンに連行されたのだった。
――商店街の入り口に着いた円堂は、待ち合わせの相手を探して顔を巡らす。
「守ー! こっちこっちー!」
「待たせてゴメン……えぇっ!?」
円堂は目を見開いた。何故なら、今の瑞貴は長い髪をハーフアップにし、服は膝丈のワンピースにカーディガンを羽織ってハーフパンツ。普段とは違う一面に円堂は顔を赤くする。
「あー……。やっぱ変? シンに無理矢理着せられたんだけど」
「違う違う! 一瞬誰だかわかんなくて……」
頬をかく円堂に対し、瑞貴は「それならよかった」と安堵した。そして目的地へ向かうために二人は足を進める。
「円堂の奴……!」
「やはりあいつが一番の強敵だったか」
「私の瑞貴先輩とデートなんて羨ま……許せません!」
「春奈!?」
「中途半田ならともかく、僕だって瑞貴を誘ってないのに」
「誰が中途半田だ!」
「なんで一つ屋根の下にいる俺を誘わなかったの!? 瑞貴ー!」
「まあ瑞貴ちゃんは友達思いだから秋か夏未ちゃんに渡そうとしたんだけど、タイミングが悪かったな」
うしろであとを追っている、出歯亀隊がいることを知らずに……。