イナズマイレブンGOVSダンボール戦機W
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強い光がフラウ・ア・ノートリアスから放たれ、目を開けると不思議な空間に瑞貴と天馬とバンとヒロだけがいた。
「これは!?」
「いったい……!」
天馬とヒロだけじゃなく瑞貴とバンも戸惑っている。すると前にフランが現れて告げる。
「心に刻むのよ。未来に起こる悲劇を!」
フランの力なのか四人の瞳の奥から映像が流れ込んでくる。妙なヘルメットを被って電撃を浴びせられて苦しむサンとアスタ、それを冷徹な目で見る大人たち、フランと似ている夫婦、何もかも閉じ込めるような施設――。
「これは、フランたちの世界……!?」
「私たちは、あなたたちよりずっと未来の人間なの」
「まさか、これが僕たちの未来!?」
ドッカ――ンッ!!
「「「「!」」」」
すると映像から爆発が起き、頑丈にできているはずの施設があっという間に崩壊して真っ暗になった。
もちろんそれは建物内の被害も尋常じゃなかった。セブンスという能力のおかげで無事だったフランが目を覚ますと、アスタとサンが倒れていた。
『アスタ……! サン……!』
『っ、フラン……?』
『姉さん……』
二人が気づいたことにフランはホッとした。まずは状況を把握しようと、崩れないように気をつけながら通路を歩いて行く。
『何が起こったんだろう?』
『俺たち、外に出られるんじゃないか?』
『もしかして、母さんたちに会えるかな? これで普通の生活ができるのかな?』
『かもな』
家族と離れ離れになって施設で実験を続けさせられ毎日が地獄のようだった。ついにそこから出られるのだとサンとアスタは嬉しそうに笑うが、フランはずっと何も言わなかった。
そして扉から外の光が差し込んでいたので、三人はそれを目指して扉を開ける。――しかしそこで見たのは、何もない砂漠だった。それどころか人が一人もいない。
『反物質爆弾が使用された!?』
『なんということだ……! 世界が…滅ぶ……!』
セブンスという能力のせいかフランは数時間前の大人たちの様子が見えた。反物質爆弾という爆弾が使用され、世界は滅んでしまったのだと悟り、涙を流す。
『クッ……!』
『母さん……母さ――んっ!!』
アスタは歯を食いしばり、サンは悲痛とも言える声を上げたのだった。
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映像が終わって気がついたときには、それぞれが元の場所に戻っていた。他のみんなの様子からして同じ映像を見せられたのだろう。
「私は決意した。世界を変えることを!」
「フランちゃん……」
拳を握り締めるフランの姿を見て、瑞貴は自然とフランをうしろから抱きしめた。
「っ、何をするの! 離しなさい!」
「…………」
離れようと必死に動くフランだが瑞貴は離さなかった。今の自分でもフランをこうして抱きしめられるほど、フランはまだ小さいと感じる。
フランもアスタもサンも未来ある子供たちだ、これからなんにでもなれるだろう。しかしそれを持ってしまった能力で家族と別れ、さらに大人たちの勝手な都合で滅ぼされ、悲しみと憎しみは計り知れない。
「フランちゃん、よく見て。あなたたちが体験した戦いと何が違うのかを、彼らは証明してくれる」
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錦とジニアスが同時にスライディングをしてボールを挟み込むと、その反動で上空へ飛んだので天馬もそれを追ってジャンプした。
「それでも……それでも違うよ! サッカーは戦争とは違う!」
天馬はフランたちに向かって必死に声を上げた。
――こちらもまた、サンが顔をいしかめながらデジトニアスⅡを動かしてオーディーンMk-2(マークツー)とアキレスD9と戦っている。
「同じさ。戦争だってバトルだって同じさ!」
「LBXのバトルは、憎しみ合う戦いとは違う!」
「楽しいからLBXバトルをするんです!」
「戦いが楽しいわけがない……! 君たちは大切なモノを失いたいのか!?」
デジトニアスⅡがランチャーを放つと、オーディーンMk-2(マークツー)は盾で防ぎ、アキレスD9は建物を利用してかわした。
「戦いで何かを失ったとしても、もっと大きな物を手に入れることだってある!」
「そんなに憎しみ合いたいっていうのか!」
「憎み合ってなんかいません! バトルをするのは、楽しいじゃないですか!」
「それは君たちが戦いに溺れているからだ!」
オーディーンMk-2(マークツー)と交戦している間、横から飛び出してきたアキレスD9の攻撃をデジトニアスⅡはかわした。
――そしてスタジアムでも、神童や剣城たちはサッカーは戦争と同じ戦いではないということを証明する。
「全力でぶつかり合うことで、仲間を思いやる優しさや尊重し合う友情が芽生える!」
「相手のことだって、より深く理解できる!」
「剣城!」
高くジャンプした剣城に向けて神童はボールを上げると、剣城は空中で取った。そのまま着地すると天馬と共に上がって行く。
「天馬!」
「戦って想いをぶつけ合った先に、大きく強い心の絆が生まれるんだ!」
剣城は見事なボールコントロールでカーブするように、チューリとマーガルをかわして天馬にパスを回した。しかし天馬の先にはアスタがいつの間にか戻っている。
「通さん……! 戦いは憎しみを生み、人の心をむしばんでいく! 何故そんなこともわからないんだ!」
アスタは全身の気を炎のように高めて自身に纏う。しかし天馬はそれに臆すこともなかった。
「絶対に、違う!」
天馬は魔神ペガサスアークを出現させると、自身に纏って化身アームドをさせた。アスタも恐らく化身アームドしたような力を持っているだろう。あとは本人たちの心の強さ次第だ。
「潰す! うおおぉぉおおお!」
「うおおぉぉおおお!」
飛び出してきたアスタに天馬も対抗した。ぶつかりあう力に天馬は一度アスタにセンターラインまで押されてしまうものの、すぐに踏ん張っていく。
「俺たちは、努力して苦しんで――勝利を手に入れる!」
「!」
「本当の戦いは、憎しみ合うことじゃない! 悔しくて泣いたり、嬉しくて笑ったり、そんな気持ちを感じさせてくれる! 俺たちは真剣な心と心をぶつけ合ってるんだ!」
強い衝撃で二人は弾き飛び、アスタのオーラも天馬の化身アームドも解除された。
「そんな戦いだってあるんだ!」
「行かせるか!」
「絶対に負けない! うおおぉぉおおお!」
天馬は強烈な力を溜め込むと、強い気持ちと共に一気にボールへ撃ち込む。
「ゴッドウィンド!」
「アスタリスクロック!」
神風と大岩の激突が起こり制したのは天馬だった。その威力は計り知れず、そのままロータスごとゴールに叩き込んだ。
《キャプテン松風が決めた――っ!! ついにイナズマジャパン、逆転だ――っ!!》
「グッ……クッ……!」
弾き飛ばされたアスタは体を起こすと逆転された悔しさに歯を食いしばった。すると天馬が前に出て――手を差し伸べたのだ。次いで微笑んだのでアスタは戸惑ってしまう。
――サンは冷静さを失ってガムシャラに攻撃していく。バンたちの言葉に突き動かされそうで、戦いを認めそうで、それが怖く思えてきたのだ。
「認めない! 絶対に!」
「今俺たちがしているのは、大切なモノを守るための戦いだ!」
「あなたにだってあるはずです! 守りたいモノが!」
オーディーンMk-2(マークツー)がデジトニアスⅡに一閃を決めると、動きが鈍った隙にアキレスD9がランスで胸を貫いた。デジトニアスⅡは最後の力振り絞ってアキレスD9を払いのけ、ついにブレイクオーバーした。
負けてしまったことにサンは力なく腕を降ろすとCCMを落としてしまった。そして崩れる体を押さえるためにリングにつかまるしかない。
「大切なモノを守るために戦う強さこそ、本当の勇気なんです」
「本当の…勇気……。大切なモノを……守る……」
目の前に並ぶバンやヒロたちLBXプレーヤーは世界を取り戻したい、大切な人々を取り戻したい、そのために戦ってきた。そしてまたサンも、空に浮かぶフラウ・ア・ノートリアスにいるフランを守りたいために戦ってきたのだ。
「わかったよ……」
サンは穏やかな笑みを浮かべていた。自分やバンたちの守るモノは違えど、『大切なモノを守る』という根本的なことに何一つ違いはないと。
――グラウンドでアスタもまた、天馬たちが強くなった理由やどうして戦うのかを理解した。
「お前たちの言ってること……」
アスタは天馬の手を取って立ち上がった。その表情はとても清々しく、晴れやかだったのだ。
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それぞれの少年少女たちがわかり合う瞬間を、瑞貴もフランもしっかり見ていた。
「フランちゃん。これも戦いなんだよ。失う戦いもあれば得る戦いもある……それは仲間だったり、また新しい大切なモノなんだ。みんなはそれを守りたいだけ、フランちゃんだって大切なモノがあるから今回の事件を起こしただけなんでしょう?」
「っ!」
フランの脳裏に浮かぶのは両親とサンとアスタ。もう悲劇を二度と繰り返さないために世界を変えようとした。確かに違いはないかもしれないが、それを認めるのはフランにとって屈辱しかなかった。