イナズマイレブンGOVSダンボール戦機W
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彼を含め一部の者たちはお互いを警戒しており、ジンはいつも離れた所で自分たちを見る瑞貴が怪しいと思っていた。
天馬たちは至極当然のように受け入れているが、大人から子供に変わるなどありえないことだ。もしかしたらサッカーチーム全員が敵の仲間なのかもしれないと思ってしまうほどに。
特に瑞貴は見守っているようで、隙を見て自分たちを消そうとしているのではないのかと……――ジンにとってはその疑いも、近くで見たあの憂いを帯びた表情や、心から浮かべた笑顔を見て断言できなくなってきた。しかしそれすらも罠に思う心もある。
「……警戒するに越したことはないだろう」
今のジンに言えることは、それが精一杯だった。
☆☆☆☆☆
翌日、瑞貴はアルノを始め淳一郎たちに呼び出されていたので、一緒に昼食も持って行った。
理由は瑞貴の姿が変わったのが時空の影響ならば、何かしらの手がかりがあるのではと精密検査をしたがなんの手がかりもなかった。
「ごめんなさい……お役に立てなくて……」
「いや、こちらこそ。協力ありがとう」
「瑞貴くんが小さくなったのは時空の影響だけでなく、強い繋がりを持つ者が同じ時空にいなかったからじゃろう」
「強い繋がり……」
アルノの推察で瑞貴の脳裏に浮かぶのは、円堂を始めとするイナズマレジェンドジャパン。夫の円堂はもちろん、十年前から共に苦難を乗り越えてきた仲間たちを失った悲しみは大きい。それでも立ち止まらないのは円堂たちが望んでいないからだ。
『サッカーは、負けない!』
その言葉を思い出す度に瑞貴は迷いがなくなってくる。自分たちを逃がす時間を与えてくれたみんなを、なんとしても取り戻そうと拳を強く握った。
「私はみんなの所へ戻ります。何かあったらいつでも声をかけてください」
「ああ。子供たちをよろしく頼むよ」
「ところで瑞貴たん」
「はい?」
「君に頼みがあるデヨ」
宇崎に向かって微笑んだ瑞貴は、次いでオタクロスが声をかけてきたので振り向くと彼は真剣な顔をしている。何を言われるのかと思わずゴクリと喉を鳴らしたが……。
「フィギュアのモデルにも協力してほしいデヨ!」
「お断りします」
キッパリとオタクロスの頼みを断るのであった。これから起こる戦いに協力はできても、それは協力できないのだ。
――瑞貴がダックシャトル改を出ると、こちらも食事が終わったのか全員が集まっていた。しかしその中で見慣れない少女がいることに気づく。
「あれ? あの子……」
「あっ、瑞貴さーん! こっちです!」
「…………」
瑞貴に気づいた天馬が大きく手を振って呼ぶが、その隣に座る少女は警戒するようにこちらを見ていた。とりあえず呼ばれたので瑞貴も天馬の元へ向かう。
「この子は?」
「フランっていうんです。森で敵のLBXに襲われてて」
「…………」
天馬から名前を聞いた瑞貴は丸太に座って顔をうつむける少女――フランの前にしゃがんで目線を合わせる。
「こんにちは。私は瑞貴っていうの。よろしくね」
「はい……」
全く目を合わせようとしないフラン。瑞貴も緊張しているのだろうと思って立ち上がり、フランの頭を優しく撫でる。その行為にフランはびっくりして目を見開いたが、どこか心地良さがあったので抵抗することはなかった。
「何かあったら、いつでも頼って来ていいからね」
「……マ…マ?」
「えっ?」
パチクリする瑞貴にフランは不思議と母の姿が重なった。ただでさえ瑞貴は中学生の姿なのに、尚更不思議と思ってしまう。
そして瑞貴もまたホーリーロードスタジアムで頭痛に追われていたとき、妙なビジョンが見えたことを思い出した。光の中でたたずむ少女の姿がフランと似ている気がする。
「君――」
「ねぇ、フランはどこから飛ばされて来たの?」
「えっ……」
「そうそう、いた場所はどんな所なの?」
「私の世界……」
天馬と信助が尋ねるとフランは自分の世界を思い出していた。ただ自分一人だけが存在する、何もない砂の世界を――……。
それを見た瑞貴は天馬とは反対側に座り、フランに声をかける。
「フランちゃん?」
「っ! ごめんなさい。まだ混乱していてよく思い出せないの」
「そっか。あっ、フラン! サッカーやってみない?」
「えっ……?」
いきなり詰め寄るように聞いた天馬は、フランがびっくりしてしまうほどだった。
そしてほぼ流されるままに天馬に連れられ、渡されたボールを宙に放ると足の甲を交互に使ってリフティングをしていく。初心者と本人は言っていたが、そう思えないほど一度も落とすことなく連続でできている。
「わあっ……! うまいうまい!」
「できてるできてる!」
「がんばって!」
「あっ、とっ、わっ……!」
天馬と信助と葵の応援も含めだんだん楽しくなって来たのか、フランは自然と笑顔になっていた。それを見てパチパチと瑞貴も思わず拍手を送ってしまうほどだ。
「フランちゃん上手だよ!」
「スッゴいよ、フラン! サッカーもきっと喜んでる!」
「えっ……喜んでる……?」
フランが見た天馬はキラキラと輝いていた。『絶望』なんて言葉を知らないくらいの眩しさに直視できなくなったのか、ボールを蹴る動きを止めた。その反動でボールはフランの足に当たって岩に当って跳ねると、狩屋の顔に見事に直撃した。
「ンガッ!? あ~! 鼻が潰れた~!」
「「「「「アハハハハッ!」」」」」
「大げさだよ、狩屋!」
天馬たちの笑い声とその光景に、フランはなんとも言えぬ気持ちになっていた。すると瑞貴が自分の隣から狩屋の元へ行ったのでつい目を追ってしまう。瑞貴は宥めるように狩屋の頭をヨシヨシと撫でていた。
「マサキくん、大丈夫? よしよし」
「って、瑞貴姉さん! 子供扱いしないでよ!」
「マサキくんはまだ子供じゃない」
「い、今は姉さんも子供だろ!」
「中身は大人だし、この姿でもマサキくんより年上だよ?」
「うぐっ!」
「瑞貴さんの勝ち~!」
「「「「「アハハハッ!」」」」」
「…………」
言い返したつもりが瑞貴のほうが一枚上手だったので、信助も判定の声を上げると再び笑い声が起こる。それを見たフランは、幼い頃に怪我をして泣いていた自分を優しくしていた母をやはり思い出すのだった。
――次に瑞貴がイカロス・ゼロのメンテナンスをしているバンの元へ向かうと、何故かフランも一緒に着いてきた。天馬たちの元にいるのが気まずいのか、瑞貴に懐いたのかわからないが、こっちにも来てくれたのでヒロがイカロス・フォースをフランに見せている。
「バンくんたちの世界ではLBXは流行ってるって聞いたけど、大会とかもあるの?」
「はい。大人も子供も楽しめて、世界大会もやっているんです!」
「へぇ。スタジアムの戦いしか見たことがなかったけど、LBXは本来ホビーってところかな」
「そうなんです。俺の父さんが開発したんですけど、みんなが楽しく遊べるようにって願いを込めているんです。なのに……」
その先は言わなかったがバンの表情で瑞貴は察した。こっちの世界でサッカーを悪用している者がいるように、バンたちの世界にもLBXを悪用している者がいるのだろう。一歩間違えれば人間に危害を加えてしまう光景はホーリーロードスタジアムで見たのだから。
「本当は楽しいものなんだね、LBXって」
「そうなんですよ!」
バンは熱くLBXについて語り始め、それに瑞貴は相槌を打って聞いている。これほど夢中になれるほど大好きなモノのためにも彼らは戦っているのだろうと感じた。
そしてヒロも、フランにLBXの魅力を伝えようと連結したテーブルの上にイカロス・フォースを操作している。
「LBXの操作がピタッと思い通りに決まったときの感覚って、最高なんですよ! それじゃあいきますよ! ビッグバントリプルアクセル!」
フォース・ブレードをうしろに投げ捨ててジャンプし、スケート選手のようにトリプルアクセルを繰り出して滑るように着地――。
「決まった!」
ツルッ。
「あっ!」
踏み込みが甘かったのかテーブルが滑るようになっていたのか、イカロス・フォースは転倒してしまった。
「あ~……決まらなかった……」
「フフッ」
思った通りに行かなくて落ち込むヒロ。しかしフランは一連の行動がなんだか面白かったので、思わず笑っているとその姿を見たヒロが声をかける。
「やってみますか?」
「っ! たぶん、ムリ……」
その光景を見ていたバンと瑞貴も立ち上がって二人の元へ向かう。
天馬たちは至極当然のように受け入れているが、大人から子供に変わるなどありえないことだ。もしかしたらサッカーチーム全員が敵の仲間なのかもしれないと思ってしまうほどに。
特に瑞貴は見守っているようで、隙を見て自分たちを消そうとしているのではないのかと……――ジンにとってはその疑いも、近くで見たあの憂いを帯びた表情や、心から浮かべた笑顔を見て断言できなくなってきた。しかしそれすらも罠に思う心もある。
「……警戒するに越したことはないだろう」
今のジンに言えることは、それが精一杯だった。
☆☆☆☆☆
翌日、瑞貴はアルノを始め淳一郎たちに呼び出されていたので、一緒に昼食も持って行った。
理由は瑞貴の姿が変わったのが時空の影響ならば、何かしらの手がかりがあるのではと精密検査をしたがなんの手がかりもなかった。
「ごめんなさい……お役に立てなくて……」
「いや、こちらこそ。協力ありがとう」
「瑞貴くんが小さくなったのは時空の影響だけでなく、強い繋がりを持つ者が同じ時空にいなかったからじゃろう」
「強い繋がり……」
アルノの推察で瑞貴の脳裏に浮かぶのは、円堂を始めとするイナズマレジェンドジャパン。夫の円堂はもちろん、十年前から共に苦難を乗り越えてきた仲間たちを失った悲しみは大きい。それでも立ち止まらないのは円堂たちが望んでいないからだ。
『サッカーは、負けない!』
その言葉を思い出す度に瑞貴は迷いがなくなってくる。自分たちを逃がす時間を与えてくれたみんなを、なんとしても取り戻そうと拳を強く握った。
「私はみんなの所へ戻ります。何かあったらいつでも声をかけてください」
「ああ。子供たちをよろしく頼むよ」
「ところで瑞貴たん」
「はい?」
「君に頼みがあるデヨ」
宇崎に向かって微笑んだ瑞貴は、次いでオタクロスが声をかけてきたので振り向くと彼は真剣な顔をしている。何を言われるのかと思わずゴクリと喉を鳴らしたが……。
「フィギュアのモデルにも協力してほしいデヨ!」
「お断りします」
キッパリとオタクロスの頼みを断るのであった。これから起こる戦いに協力はできても、それは協力できないのだ。
――瑞貴がダックシャトル改を出ると、こちらも食事が終わったのか全員が集まっていた。しかしその中で見慣れない少女がいることに気づく。
「あれ? あの子……」
「あっ、瑞貴さーん! こっちです!」
「…………」
瑞貴に気づいた天馬が大きく手を振って呼ぶが、その隣に座る少女は警戒するようにこちらを見ていた。とりあえず呼ばれたので瑞貴も天馬の元へ向かう。
「この子は?」
「フランっていうんです。森で敵のLBXに襲われてて」
「…………」
天馬から名前を聞いた瑞貴は丸太に座って顔をうつむける少女――フランの前にしゃがんで目線を合わせる。
「こんにちは。私は瑞貴っていうの。よろしくね」
「はい……」
全く目を合わせようとしないフラン。瑞貴も緊張しているのだろうと思って立ち上がり、フランの頭を優しく撫でる。その行為にフランはびっくりして目を見開いたが、どこか心地良さがあったので抵抗することはなかった。
「何かあったら、いつでも頼って来ていいからね」
「……マ…マ?」
「えっ?」
パチクリする瑞貴にフランは不思議と母の姿が重なった。ただでさえ瑞貴は中学生の姿なのに、尚更不思議と思ってしまう。
そして瑞貴もまたホーリーロードスタジアムで頭痛に追われていたとき、妙なビジョンが見えたことを思い出した。光の中でたたずむ少女の姿がフランと似ている気がする。
「君――」
「ねぇ、フランはどこから飛ばされて来たの?」
「えっ……」
「そうそう、いた場所はどんな所なの?」
「私の世界……」
天馬と信助が尋ねるとフランは自分の世界を思い出していた。ただ自分一人だけが存在する、何もない砂の世界を――……。
それを見た瑞貴は天馬とは反対側に座り、フランに声をかける。
「フランちゃん?」
「っ! ごめんなさい。まだ混乱していてよく思い出せないの」
「そっか。あっ、フラン! サッカーやってみない?」
「えっ……?」
いきなり詰め寄るように聞いた天馬は、フランがびっくりしてしまうほどだった。
そしてほぼ流されるままに天馬に連れられ、渡されたボールを宙に放ると足の甲を交互に使ってリフティングをしていく。初心者と本人は言っていたが、そう思えないほど一度も落とすことなく連続でできている。
「わあっ……! うまいうまい!」
「できてるできてる!」
「がんばって!」
「あっ、とっ、わっ……!」
天馬と信助と葵の応援も含めだんだん楽しくなって来たのか、フランは自然と笑顔になっていた。それを見てパチパチと瑞貴も思わず拍手を送ってしまうほどだ。
「フランちゃん上手だよ!」
「スッゴいよ、フラン! サッカーもきっと喜んでる!」
「えっ……喜んでる……?」
フランが見た天馬はキラキラと輝いていた。『絶望』なんて言葉を知らないくらいの眩しさに直視できなくなったのか、ボールを蹴る動きを止めた。その反動でボールはフランの足に当たって岩に当って跳ねると、狩屋の顔に見事に直撃した。
「ンガッ!? あ~! 鼻が潰れた~!」
「「「「「アハハハハッ!」」」」」
「大げさだよ、狩屋!」
天馬たちの笑い声とその光景に、フランはなんとも言えぬ気持ちになっていた。すると瑞貴が自分の隣から狩屋の元へ行ったのでつい目を追ってしまう。瑞貴は宥めるように狩屋の頭をヨシヨシと撫でていた。
「マサキくん、大丈夫? よしよし」
「って、瑞貴姉さん! 子供扱いしないでよ!」
「マサキくんはまだ子供じゃない」
「い、今は姉さんも子供だろ!」
「中身は大人だし、この姿でもマサキくんより年上だよ?」
「うぐっ!」
「瑞貴さんの勝ち~!」
「「「「「アハハハッ!」」」」」
「…………」
言い返したつもりが瑞貴のほうが一枚上手だったので、信助も判定の声を上げると再び笑い声が起こる。それを見たフランは、幼い頃に怪我をして泣いていた自分を優しくしていた母をやはり思い出すのだった。
――次に瑞貴がイカロス・ゼロのメンテナンスをしているバンの元へ向かうと、何故かフランも一緒に着いてきた。天馬たちの元にいるのが気まずいのか、瑞貴に懐いたのかわからないが、こっちにも来てくれたのでヒロがイカロス・フォースをフランに見せている。
「バンくんたちの世界ではLBXは流行ってるって聞いたけど、大会とかもあるの?」
「はい。大人も子供も楽しめて、世界大会もやっているんです!」
「へぇ。スタジアムの戦いしか見たことがなかったけど、LBXは本来ホビーってところかな」
「そうなんです。俺の父さんが開発したんですけど、みんなが楽しく遊べるようにって願いを込めているんです。なのに……」
その先は言わなかったがバンの表情で瑞貴は察した。こっちの世界でサッカーを悪用している者がいるように、バンたちの世界にもLBXを悪用している者がいるのだろう。一歩間違えれば人間に危害を加えてしまう光景はホーリーロードスタジアムで見たのだから。
「本当は楽しいものなんだね、LBXって」
「そうなんですよ!」
バンは熱くLBXについて語り始め、それに瑞貴は相槌を打って聞いている。これほど夢中になれるほど大好きなモノのためにも彼らは戦っているのだろうと感じた。
そしてヒロも、フランにLBXの魅力を伝えようと連結したテーブルの上にイカロス・フォースを操作している。
「LBXの操作がピタッと思い通りに決まったときの感覚って、最高なんですよ! それじゃあいきますよ! ビッグバントリプルアクセル!」
フォース・ブレードをうしろに投げ捨ててジャンプし、スケート選手のようにトリプルアクセルを繰り出して滑るように着地――。
「決まった!」
ツルッ。
「あっ!」
踏み込みが甘かったのかテーブルが滑るようになっていたのか、イカロス・フォースは転倒してしまった。
「あ~……決まらなかった……」
「フフッ」
思った通りに行かなくて落ち込むヒロ。しかしフランは一連の行動がなんだか面白かったので、思わず笑っているとその姿を見たヒロが声をかける。
「やってみますか?」
「っ! たぶん、ムリ……」
その光景を見ていたバンと瑞貴も立ち上がって二人の元へ向かう。