究極の絆グリフォン
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――天城と信助と狩屋は不動に教わりながら、周りの様々な動きを見極めるため、洞窟にある急流の川を大きなタイヤに乗って繋いだロープでコントロールしながら渡る特訓をしていた。
「変化するスピードに目を慣らすんだ!」
「うわああぁぁあああ!」
「怖くない……怖くない……」
「いや…これは……」
「「わああぁぁあああ!!」」
ジェットコースターのような激しいスピードとコースに、思うようにバランスが取れないので三人は川岸に飛ばされてしまった。
「やれやれ……。油断していると自然はすぐ牙を向くぞ」
――輝と錦と剣城は吹雪に教わりながら、小さな砂漠でボディバランスを付けるためサンドボードで特訓する。
「サンドボードですか?」
「どんな状況でも、安定したボディバランスを付ける特訓だよ」
「よし、やるぜよ!」
「はい!」
錦と輝が早々にやってみるが、すぐにバランスを失って転倒した。
「イテテ……」
「こりゃ手強いぜよ……」
続いて剣城もチャレンジしてみる。錦と輝と違ってすぐに転倒することはなかったが、体に力が入りすぎている。
「うぅっ……クソッ!」
やはり剣城もバランスを取れずに転倒してしまった。
「なかなか難しい特訓だろ? だからこそやる価値がある!」
「クッ……!」
――三国と一乃と青山は壁山に教わりながら、広場でシュートとキャッチの特訓をしていた。
それぞれが思うように成功しない。だが、それを乗り越えるからこそレベルアップしていくのだ。
☆☆☆☆☆
夜になると特訓は終了し、夕食を取ることになった。瑞貴を中心に作ったメニューはカレーで、円堂は天馬と信助の元に向かう。
「大丈夫か?」
「「ハードです~……」」
「ハッハッハッ。だろうな」
くたびれているのは天馬と信助だけじゃなく、他のみんなもそうだ。特訓を始める前の活気がない。
「お前らあれぐらいでヘバってんのか?」
「この島に慣れてないだけですよ」
「フッ」
不敵に笑う不動に剣城は言う。島に慣れてないのも本当だろうが、相当疲れているのは事実である。
「さあさあ、まだおかわりあるっスよ」
「「「「「うぅ~~……」」」」」
雷門中サッカー部は最早涙目である。おいしいご飯を食べられるのはありがたいが明日も続くとなると不安にもなるだろう。
「ほらみんな、しっかり食べてしっかり休んでね。疲れを残したら特訓に支障どころかケガする恐れもあるんだから」
「「「「「は~い……」」」」」
瑞貴の掛け声にも力ない返事が返される。まあやる気がないよりマシだろうが。
円堂と瑞貴はみんなから少し離れた場所に座り、カレーを食べながら話し合う。
「久しぶりの瑞貴の作ったメシ、うまいぜ」
「ありがとう。守のほうの調査はどう?」
「ああ、今朝来たのはやはり聖帝のヘリだったようだ。鬼道たちも牢に入れられているが危害は加えられていない」
「よかった……」
鬼道たちが無事という事実がわかり瑞貴はホッと安堵の息を吐く。
「だけど自分たちに有利な状況を作るフィフスセクターだよ。試合に何事もなかったらいいけど……」
「何かあったら俺たちが守ればいいさ。雷門をフィフスセクターに渡すわけにはいかない」
「うん!」
☆☆☆☆☆
次の日。朝食を済ませたあと天馬と瑞貴は昨日特訓した崖に行くと、先にシュウが待っていた。
「おはよう、天馬、瑞貴さん」
「おはよう、シュウ」
「おはよう」
天馬と瑞貴も挨拶をすると、シュウが瑞貴に顔を向ける。
「瑞貴さん、あなたと話したいっていう人がいるんだけど」
「私に?」
「うん。昨日僕たちが試合したグラウンドにいるって」
「瑞貴さん……」
フィフスセクターが管理している島にいる状況を考えれば罠の可能性もある。天馬も心配して見上げると、瑞貴は一つ目を閉じて頷いた。
「わかった。行ってくるよ。天馬はシュウくんと特訓してて」
「あっ、はい……気をつけて……」
瑞貴は天馬とシュウと別れて指定されたグラウンドへ着いた。そこで待っていたのは……。
「君は……!」
「お久しぶりです。――瑞貴さん」
アンリミテッドシャイニングのキャプテン・白竜だった。彼は私服姿でボールを持っている。他には誰もいないようだ。
「フィフスセクターの命令かな?」
「いえ。これは俺個人の目的です。あなたと二人で『再会』の挨拶をしたかったからです」
「再会? そういえばさっき『久しぶり』って……」
「……やはり、覚えていませんか」
白竜は抱えていたボールを両手で瑞貴に差し出す。そのボールは土汚れもあってずいぶん古いが、その中に見覚えのあるサインがあった。
「これは、私の……」
「ええ。十年前、俺はあなたと会ったことがあるんです」
「十年前……あっ! ナニワランドで迷子になった白竜くん!」
「そこは忘れてください……」
手の平に拳をポンッと叩いて瑞貴だが、それは思い出してほしくなかった白竜は恥ずかしくて頬を少し赤くした。
――十年前、エイリア学園の事件の手掛かりを得るために瑞貴はチームメイトと共に大阪のナニワランドへ来た。そこで幼い頃の白竜に出会ったのだ。
「女子でありながら強いあなたに俺は憧れてサッカーを始め、究極の強さを求めてきました」
「……それがフィフスセクターにあると?」
「ええ。そして俺はここのトップに君臨した。あなたにあのときの言葉通り成長した姿を見てもらうために。だが、あなたはフィフスセクターに反抗する雷門のコーチとなり、フィフスセクターの裏切り者である剣城が教えをもらっている。それが理解できないんです」
「…………」
瑞貴は黙って聞き入れると、白竜は瑞貴に向かって手を差し出した。
「瑞貴さん、フィフスセクターに来ませんか?」
「何を……」
「確かに雷門は強い……でなきゃ実力でホーリーロードは勝ち進めません。だけど俺たちはそれ以上の強さを持っている。コーチとしてのあなたの采配は認めるし、フィフスセクターならさらに発揮できると牙山教官も言っていました」
「認めてもらえるのは光栄だけど、その話は断らせてもらうね。私が――私たちが次世代に託したサッカーは管理サッカーじゃない。努力して強くなって、仲間と共に自らの力で勝利をつかむ本当のサッカーよ」
「……そうですか」
白竜は伸ばした手を降ろすと礼をする。
「お話したいことはこれだけです。来てくれてありがとうごさいました。だが――試合に勝つのは俺たちで、フィフスセクターが正しいということを証明しましょう」
「私たち雷門もそれに迎え撃ち、革命を見せてあげる。私はあの子たちを信じているから」
「…………」
白竜はもう一度礼をすると瑞貴に背を向けて去って行く。瑞貴はその姿が見えなくなるまでその場で見送った。
瑞貴が天馬とシュウの元へ戻ると、ちょうど休憩中だったようですぐに気づいてくれた。
「瑞貴さん! 大丈夫でしたか!?」
「大丈夫よ。本当に話をしてきただけ。シュウくん、知らせてくれてありがとう」
「僕は頼まれたことを伝えただけです。さっ、天馬。もう一度やってみよう」
「うん!」
――夕方になると今日の特訓は終了し、天馬とシュウと瑞貴は崖の天辺にいた。そこからは海に沈む夕日がハッキリと見えるので瑞貴も天馬も見惚れていた。
「わぁ……!」
「スゴいね……! う…うーん! 今日もハードだった~!」
「フフッ」
体を伸ばして寝転がる天馬にシュウは微笑んだ。
「シュウはこの島から出たことないの?」
「まあね」
「チームのみんなもそう?」
「よく知らない」
「仲間なのに?」
「ちょっと前に知り合って、チームに入れてもらった」
天馬とシュウが会話する中、瑞貴は大人の自分がいるのは野暮だろうと思い岩を渡って川沿いに行く。
「瑞貴さん?」
「先に帰ってるよ。二人はゆっくり話してて」
天馬とシュウにそう言った瑞貴は森を進んで行く。
「シュウってさ、本当にサッカーうまいよね!」
「小さい頃から蹴ってたからかな。この島には昔からサッカーによく似た競技があったんだ」
「うん。その話聞いてるよ。あのお地蔵さんってサッカーの神様なんだよね」
「神様は言い過ぎだけど……」
背後から聞こえる二人の声は、瑞貴が進むに連れて聞こえなくなった。
「変化するスピードに目を慣らすんだ!」
「うわああぁぁあああ!」
「怖くない……怖くない……」
「いや…これは……」
「「わああぁぁあああ!!」」
ジェットコースターのような激しいスピードとコースに、思うようにバランスが取れないので三人は川岸に飛ばされてしまった。
「やれやれ……。油断していると自然はすぐ牙を向くぞ」
――輝と錦と剣城は吹雪に教わりながら、小さな砂漠でボディバランスを付けるためサンドボードで特訓する。
「サンドボードですか?」
「どんな状況でも、安定したボディバランスを付ける特訓だよ」
「よし、やるぜよ!」
「はい!」
錦と輝が早々にやってみるが、すぐにバランスを失って転倒した。
「イテテ……」
「こりゃ手強いぜよ……」
続いて剣城もチャレンジしてみる。錦と輝と違ってすぐに転倒することはなかったが、体に力が入りすぎている。
「うぅっ……クソッ!」
やはり剣城もバランスを取れずに転倒してしまった。
「なかなか難しい特訓だろ? だからこそやる価値がある!」
「クッ……!」
――三国と一乃と青山は壁山に教わりながら、広場でシュートとキャッチの特訓をしていた。
それぞれが思うように成功しない。だが、それを乗り越えるからこそレベルアップしていくのだ。
☆☆☆☆☆
夜になると特訓は終了し、夕食を取ることになった。瑞貴を中心に作ったメニューはカレーで、円堂は天馬と信助の元に向かう。
「大丈夫か?」
「「ハードです~……」」
「ハッハッハッ。だろうな」
くたびれているのは天馬と信助だけじゃなく、他のみんなもそうだ。特訓を始める前の活気がない。
「お前らあれぐらいでヘバってんのか?」
「この島に慣れてないだけですよ」
「フッ」
不敵に笑う不動に剣城は言う。島に慣れてないのも本当だろうが、相当疲れているのは事実である。
「さあさあ、まだおかわりあるっスよ」
「「「「「うぅ~~……」」」」」
雷門中サッカー部は最早涙目である。おいしいご飯を食べられるのはありがたいが明日も続くとなると不安にもなるだろう。
「ほらみんな、しっかり食べてしっかり休んでね。疲れを残したら特訓に支障どころかケガする恐れもあるんだから」
「「「「「は~い……」」」」」
瑞貴の掛け声にも力ない返事が返される。まあやる気がないよりマシだろうが。
円堂と瑞貴はみんなから少し離れた場所に座り、カレーを食べながら話し合う。
「久しぶりの瑞貴の作ったメシ、うまいぜ」
「ありがとう。守のほうの調査はどう?」
「ああ、今朝来たのはやはり聖帝のヘリだったようだ。鬼道たちも牢に入れられているが危害は加えられていない」
「よかった……」
鬼道たちが無事という事実がわかり瑞貴はホッと安堵の息を吐く。
「だけど自分たちに有利な状況を作るフィフスセクターだよ。試合に何事もなかったらいいけど……」
「何かあったら俺たちが守ればいいさ。雷門をフィフスセクターに渡すわけにはいかない」
「うん!」
☆☆☆☆☆
次の日。朝食を済ませたあと天馬と瑞貴は昨日特訓した崖に行くと、先にシュウが待っていた。
「おはよう、天馬、瑞貴さん」
「おはよう、シュウ」
「おはよう」
天馬と瑞貴も挨拶をすると、シュウが瑞貴に顔を向ける。
「瑞貴さん、あなたと話したいっていう人がいるんだけど」
「私に?」
「うん。昨日僕たちが試合したグラウンドにいるって」
「瑞貴さん……」
フィフスセクターが管理している島にいる状況を考えれば罠の可能性もある。天馬も心配して見上げると、瑞貴は一つ目を閉じて頷いた。
「わかった。行ってくるよ。天馬はシュウくんと特訓してて」
「あっ、はい……気をつけて……」
瑞貴は天馬とシュウと別れて指定されたグラウンドへ着いた。そこで待っていたのは……。
「君は……!」
「お久しぶりです。――瑞貴さん」
アンリミテッドシャイニングのキャプテン・白竜だった。彼は私服姿でボールを持っている。他には誰もいないようだ。
「フィフスセクターの命令かな?」
「いえ。これは俺個人の目的です。あなたと二人で『再会』の挨拶をしたかったからです」
「再会? そういえばさっき『久しぶり』って……」
「……やはり、覚えていませんか」
白竜は抱えていたボールを両手で瑞貴に差し出す。そのボールは土汚れもあってずいぶん古いが、その中に見覚えのあるサインがあった。
「これは、私の……」
「ええ。十年前、俺はあなたと会ったことがあるんです」
「十年前……あっ! ナニワランドで迷子になった白竜くん!」
「そこは忘れてください……」
手の平に拳をポンッと叩いて瑞貴だが、それは思い出してほしくなかった白竜は恥ずかしくて頬を少し赤くした。
――十年前、エイリア学園の事件の手掛かりを得るために瑞貴はチームメイトと共に大阪のナニワランドへ来た。そこで幼い頃の白竜に出会ったのだ。
「女子でありながら強いあなたに俺は憧れてサッカーを始め、究極の強さを求めてきました」
「……それがフィフスセクターにあると?」
「ええ。そして俺はここのトップに君臨した。あなたにあのときの言葉通り成長した姿を見てもらうために。だが、あなたはフィフスセクターに反抗する雷門のコーチとなり、フィフスセクターの裏切り者である剣城が教えをもらっている。それが理解できないんです」
「…………」
瑞貴は黙って聞き入れると、白竜は瑞貴に向かって手を差し出した。
「瑞貴さん、フィフスセクターに来ませんか?」
「何を……」
「確かに雷門は強い……でなきゃ実力でホーリーロードは勝ち進めません。だけど俺たちはそれ以上の強さを持っている。コーチとしてのあなたの采配は認めるし、フィフスセクターならさらに発揮できると牙山教官も言っていました」
「認めてもらえるのは光栄だけど、その話は断らせてもらうね。私が――私たちが次世代に託したサッカーは管理サッカーじゃない。努力して強くなって、仲間と共に自らの力で勝利をつかむ本当のサッカーよ」
「……そうですか」
白竜は伸ばした手を降ろすと礼をする。
「お話したいことはこれだけです。来てくれてありがとうごさいました。だが――試合に勝つのは俺たちで、フィフスセクターが正しいということを証明しましょう」
「私たち雷門もそれに迎え撃ち、革命を見せてあげる。私はあの子たちを信じているから」
「…………」
白竜はもう一度礼をすると瑞貴に背を向けて去って行く。瑞貴はその姿が見えなくなるまでその場で見送った。
瑞貴が天馬とシュウの元へ戻ると、ちょうど休憩中だったようですぐに気づいてくれた。
「瑞貴さん! 大丈夫でしたか!?」
「大丈夫よ。本当に話をしてきただけ。シュウくん、知らせてくれてありがとう」
「僕は頼まれたことを伝えただけです。さっ、天馬。もう一度やってみよう」
「うん!」
――夕方になると今日の特訓は終了し、天馬とシュウと瑞貴は崖の天辺にいた。そこからは海に沈む夕日がハッキリと見えるので瑞貴も天馬も見惚れていた。
「わぁ……!」
「スゴいね……! う…うーん! 今日もハードだった~!」
「フフッ」
体を伸ばして寝転がる天馬にシュウは微笑んだ。
「シュウはこの島から出たことないの?」
「まあね」
「チームのみんなもそう?」
「よく知らない」
「仲間なのに?」
「ちょっと前に知り合って、チームに入れてもらった」
天馬とシュウが会話する中、瑞貴は大人の自分がいるのは野暮だろうと思い岩を渡って川沿いに行く。
「瑞貴さん?」
「先に帰ってるよ。二人はゆっくり話してて」
天馬とシュウにそう言った瑞貴は森を進んで行く。
「シュウってさ、本当にサッカーうまいよね!」
「小さい頃から蹴ってたからかな。この島には昔からサッカーによく似た競技があったんだ」
「うん。その話聞いてるよ。あのお地蔵さんってサッカーの神様なんだよね」
「神様は言い過ぎだけど……」
背後から聞こえる二人の声は、瑞貴が進むに連れて聞こえなくなった。