究極の絆グリフォン
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発進したバス内はフィフスセクターに対して不満な空気が流れている。そんな中でマネージャーの空野葵と山菜茜と瀬戸水鳥が声を上げた。
「汚いと思いませんか? 円堂監督の名前を出せば、みんな行かないわけがないですよ」
「でも本当に監督いるのかなぁ?」
「面白ぇじゃん。敢えて敵の懐に入るってことだよな」
円堂の安否を知るためにも向かうので、特に瑞貴は緊張が高まっているのを感じた隣に座っている春奈が心配して声をかける。
「瑞貴先輩、大丈夫ですか?」
「大丈夫……とは言い切れないけどね。でも、私は守を信じている。フィフスセクターに協力していないって、それだけは自信を持って言えるから」
円堂と瑞貴は十年前から強い絆で結ばれている。サッカーに関しても夫婦に関しても、相棒として確固たる信念があるからこそ瑞貴は心から言えるのだ。
「そう……です…ね……」
「春奈ちゃん?」
急に眠り始めた春奈に瑞貴は驚いた。寝不足なのかと思ってふと周りを見ると全員が寝ている。鬼道までもだ。
「しまっ…た……!」
異変に気づいたときは遅く瑞貴も強烈な睡魔に襲われ、逆らうことができず眠ってしまった。なんとバス内には催眠ガスが充満しており、運転手はガスマスクを着用していたのだ。
☆☆☆☆☆
「牙山教官。選手たちはご指示通り広場に残してきました」
「よし。こいつらは牢へ運べ」
「「「「「ハッ!」」」」」
(…………?)
聞き慣れない大勢の声に瑞貴は目を薄く開けると、軍服を着た見知らぬ男たちに連行される眠ったままの鬼道と春奈とマネージャーたちが視界に入った。それと同時に意識も覚醒し、自らの腕を取ろうとする別の隊員の手を振り払う。
「なっ!? こいつもう意識が戻ったのか!?」
「有人! 春奈ちゃん! 葵ちゃん! 水鳥ちゃん! 茜ちゃん! 起きて!!」
周りを見れば目の前に大きな建物があり、自分たちはその中へ連れ去られようとしているのだ。まず瑞貴は鬼道の腕を取っている隊員に体当たりし、その衝撃で手が離れたので鬼道は地に倒れた。おかげで目が覚めたようだ。
「うっ……ここは……?」
「みんなを離せ!」
「っ、瑞貴!?」
鬼道は現状を完全に把握できていないが、瑞貴が春奈とマネージャーの腕を取る隊員たちにつかみかかるのを見て只事じゃないと理解し意識が覚醒した。
鬼道の加勢により隊員たちを全員気絶させることができ、瑞貴は春奈たちを介抱する。よほど多く催眠ガスを吸ったのか、四人共目が覚めない。
「これはどういうことだ!?」
「どうやらここがフィフスセクターの言う『遠征地』らしいよ。天馬たちはどこかに置いて行ったみたい」
「そうか……」
「――いたぞ!」
「「!?」」
別の方向から聞こえた声に瑞貴と鬼道が顔を向けると、気絶させた隊員たちと同じ服装をした団体がこっちに向かってくる。上を見れば防犯カメラがあったのでそれで状況がわかったのだろう。最悪な展開に瑞貴は小さく舌打ちをする。
「チッ。全員倒しきれるかどうか……」
「瑞貴、お前は逃げろ」
「ちょ、何言ってるの!?」
「このまま全員が捕まるのは得策ではない。フィフスセクターは俺たちの命を奪うことが目的じゃないなら、危険な目に遭うことはないだろう。天馬たちを見つけ、保護してくれ。春奈たちは俺に任せろ」
「有人……」
「――奴らを一人残らず捕まえろ!」
「行くんだ!」
「うん!」
考えている暇はないようだ。どんどん来る団体を見て瑞貴は鬼道と顔を見合わせて頷いたあと、敷地を出て橋を渡り、森に向けて一目散に走り出した。
――時は少しさかのぼる。天馬が目を覚めて体を起こすと、顔に付いていたテントウ虫をやさしく取って放つと立ち上がった。
「ここは……?」
「気づいたか、天馬」
「キャプテン! どこなんですか? ここ」
「わからない……」
「天馬! 大丈夫だった!?」
「信助!」
先に現れた天満、駆け寄って来た信助を始め三国や錦など選手全員が集まった。
「いつの間にか眠っちまったらしいな」
「それも熟睡ぜよ」
「ここが合宿所?」
「なーんにもないよね」
輝と信助が周りを見渡して状況を確認すると、神童が声を上げる。
「みんな、そろってるか?」
「あれ……葵たちは?」
「あー! 瑞貴さんや鬼道監督や水鳥さんや茜さん、葵ちゃん、音無先生もいませんよ!?」
「恐らく、瑞貴さんたちは奴らの手の中だ」
「どうした? 剣城」
信助がいないメンバーの名前を挙げると、剣城が別の方向を見ながら厳しい面差しをしていた。その様子に神童や天馬たちは剣城の元へ向かうと、巨大な施設が目に入った。
「これは!?」
「ここは通称ゴッドエデン。神の楽園という名を持った――地獄だ」
「知っているのか!? 剣城!」
「ああ。シードを生み出すための訓練施設がある孤島だ」
「孤島だって!?」
辿り着いた遠征地が孤島ということに三国は驚く。
「剣城、知っていることを全部話してくれ」
「…………」
元シードということで神童は尋ねるが、剣城はあまり思い出したくないのか顔をしかめても少しずつ話し始めた。
「俺がここにいたのはわずな期間……聖帝イシドシュウジの勅命で、すぐに俺は島を出ることになって詳しいことはわからない……。ただ一つだけ言えることはこの島で行われていることは尋常じゃない。シードになった者たちはこの島に来ることを恐れている……この島だけは特別なんだ!」
「そんな危険な島で瑞貴さんたちまで捕らえられて、俺たちは完全に孤立したということか……!」
「うぅ……そんな……」
「――みんな!」
「「「「「瑞貴さん!」」」」」
不安な気持ちでいる神童や信助たち。そんな彼らの耳に届いた声の主は、森から現れた瑞貴だった。
「よかった。無事だったのね」
「瑞貴さんこそ! 鬼道監督たちは?」
「っ、それが……」
ガ――ッ!!
「「「「「!?」」」」」
突如現れた五台の装甲車の中から隊員たちが出て、瑞貴はみんなをかばうように前に立つ。
「もう追って来たか!」
「お前たちは何者だ!?」
「――ホォ、それが教官に対する口の聞き方ですか? 全員! 粛・正!」
大きな岩の上に立って髪を整えた隊員を瑞貴たちは見上げると、そこには桃色の服で大柄の男がいた。
「ようこそ。究極を生み出す島、神の特訓場・ゴッドエデンへ。私は牙山。この訓練場を預かる者だ」
「鬼道監督や音無先生、他のみんなはどこへやった!?」
「我々が欲しいのは選手のみ。それに奴らのことなら、そこにいる仲間を置いて逃げ出した裏切り者の女が知っているだろう」
「何っ!?」
牙山道三が指差したのは瑞貴だ。天馬たちは驚いて顔を向けると、瑞貴はかすかに青ざめながら話し始める。
「……奥の施設に私たちは連れ去られそうになったんだ。私は先に目を覚まして一度は阻止したんだけど、新手が現れて有人が私だけ逃げるようにって……ごめんなさい……見捨てるようなことをして……」
牙山が言う『裏切り者」は瑞貴が鬼道たちに対してということだろう。あの状況と鬼道の指示で仕方がなかったとはいえ、仲間を見捨てたことに瑞貴は心が痛んだ。しかし……。
「そんなことありません! 瑞貴さんだけでも無事でよかったです!」
「「「「「ああ/うん!」」」」」
「みんな……!」
神童をはじめとした全員の表情は心から瑞貴の無事を喜んでいるのだ。
だけど牙山はそんな光景に興味を示すことなく、「フンッ」と両腕を組みながら言うと再度全員が牙山に注目する。
「この合宿で君たちが目指すモノはフィフスセクター専属選手・シードだ。ホーリーロードでの活躍、見せてもらった。なかなかのものだ。しかし残念なことに君たちは少年サッカー法第五条に背き続けている。よって君たちには、我々フィフスセクターによる教育を施すことが決定された」
「誰がお前たちの手先になるものか!」
「反抗は認めない! ふんぬっ!」
牙山が足元にあった意思を片手で粉砕すると同時に、雷門サッカー部の背後の地面に切れ目が入って左右に開いた。中はグラウンドになっており、そこには十一人の少年たちがいた。
「汚いと思いませんか? 円堂監督の名前を出せば、みんな行かないわけがないですよ」
「でも本当に監督いるのかなぁ?」
「面白ぇじゃん。敢えて敵の懐に入るってことだよな」
円堂の安否を知るためにも向かうので、特に瑞貴は緊張が高まっているのを感じた隣に座っている春奈が心配して声をかける。
「瑞貴先輩、大丈夫ですか?」
「大丈夫……とは言い切れないけどね。でも、私は守を信じている。フィフスセクターに協力していないって、それだけは自信を持って言えるから」
円堂と瑞貴は十年前から強い絆で結ばれている。サッカーに関しても夫婦に関しても、相棒として確固たる信念があるからこそ瑞貴は心から言えるのだ。
「そう……です…ね……」
「春奈ちゃん?」
急に眠り始めた春奈に瑞貴は驚いた。寝不足なのかと思ってふと周りを見ると全員が寝ている。鬼道までもだ。
「しまっ…た……!」
異変に気づいたときは遅く瑞貴も強烈な睡魔に襲われ、逆らうことができず眠ってしまった。なんとバス内には催眠ガスが充満しており、運転手はガスマスクを着用していたのだ。
☆☆☆☆☆
「牙山教官。選手たちはご指示通り広場に残してきました」
「よし。こいつらは牢へ運べ」
「「「「「ハッ!」」」」」
(…………?)
聞き慣れない大勢の声に瑞貴は目を薄く開けると、軍服を着た見知らぬ男たちに連行される眠ったままの鬼道と春奈とマネージャーたちが視界に入った。それと同時に意識も覚醒し、自らの腕を取ろうとする別の隊員の手を振り払う。
「なっ!? こいつもう意識が戻ったのか!?」
「有人! 春奈ちゃん! 葵ちゃん! 水鳥ちゃん! 茜ちゃん! 起きて!!」
周りを見れば目の前に大きな建物があり、自分たちはその中へ連れ去られようとしているのだ。まず瑞貴は鬼道の腕を取っている隊員に体当たりし、その衝撃で手が離れたので鬼道は地に倒れた。おかげで目が覚めたようだ。
「うっ……ここは……?」
「みんなを離せ!」
「っ、瑞貴!?」
鬼道は現状を完全に把握できていないが、瑞貴が春奈とマネージャーの腕を取る隊員たちにつかみかかるのを見て只事じゃないと理解し意識が覚醒した。
鬼道の加勢により隊員たちを全員気絶させることができ、瑞貴は春奈たちを介抱する。よほど多く催眠ガスを吸ったのか、四人共目が覚めない。
「これはどういうことだ!?」
「どうやらここがフィフスセクターの言う『遠征地』らしいよ。天馬たちはどこかに置いて行ったみたい」
「そうか……」
「――いたぞ!」
「「!?」」
別の方向から聞こえた声に瑞貴と鬼道が顔を向けると、気絶させた隊員たちと同じ服装をした団体がこっちに向かってくる。上を見れば防犯カメラがあったのでそれで状況がわかったのだろう。最悪な展開に瑞貴は小さく舌打ちをする。
「チッ。全員倒しきれるかどうか……」
「瑞貴、お前は逃げろ」
「ちょ、何言ってるの!?」
「このまま全員が捕まるのは得策ではない。フィフスセクターは俺たちの命を奪うことが目的じゃないなら、危険な目に遭うことはないだろう。天馬たちを見つけ、保護してくれ。春奈たちは俺に任せろ」
「有人……」
「――奴らを一人残らず捕まえろ!」
「行くんだ!」
「うん!」
考えている暇はないようだ。どんどん来る団体を見て瑞貴は鬼道と顔を見合わせて頷いたあと、敷地を出て橋を渡り、森に向けて一目散に走り出した。
――時は少しさかのぼる。天馬が目を覚めて体を起こすと、顔に付いていたテントウ虫をやさしく取って放つと立ち上がった。
「ここは……?」
「気づいたか、天馬」
「キャプテン! どこなんですか? ここ」
「わからない……」
「天馬! 大丈夫だった!?」
「信助!」
先に現れた天満、駆け寄って来た信助を始め三国や錦など選手全員が集まった。
「いつの間にか眠っちまったらしいな」
「それも熟睡ぜよ」
「ここが合宿所?」
「なーんにもないよね」
輝と信助が周りを見渡して状況を確認すると、神童が声を上げる。
「みんな、そろってるか?」
「あれ……葵たちは?」
「あー! 瑞貴さんや鬼道監督や水鳥さんや茜さん、葵ちゃん、音無先生もいませんよ!?」
「恐らく、瑞貴さんたちは奴らの手の中だ」
「どうした? 剣城」
信助がいないメンバーの名前を挙げると、剣城が別の方向を見ながら厳しい面差しをしていた。その様子に神童や天馬たちは剣城の元へ向かうと、巨大な施設が目に入った。
「これは!?」
「ここは通称ゴッドエデン。神の楽園という名を持った――地獄だ」
「知っているのか!? 剣城!」
「ああ。シードを生み出すための訓練施設がある孤島だ」
「孤島だって!?」
辿り着いた遠征地が孤島ということに三国は驚く。
「剣城、知っていることを全部話してくれ」
「…………」
元シードということで神童は尋ねるが、剣城はあまり思い出したくないのか顔をしかめても少しずつ話し始めた。
「俺がここにいたのはわずな期間……聖帝イシドシュウジの勅命で、すぐに俺は島を出ることになって詳しいことはわからない……。ただ一つだけ言えることはこの島で行われていることは尋常じゃない。シードになった者たちはこの島に来ることを恐れている……この島だけは特別なんだ!」
「そんな危険な島で瑞貴さんたちまで捕らえられて、俺たちは完全に孤立したということか……!」
「うぅ……そんな……」
「――みんな!」
「「「「「瑞貴さん!」」」」」
不安な気持ちでいる神童や信助たち。そんな彼らの耳に届いた声の主は、森から現れた瑞貴だった。
「よかった。無事だったのね」
「瑞貴さんこそ! 鬼道監督たちは?」
「っ、それが……」
ガ――ッ!!
「「「「「!?」」」」」
突如現れた五台の装甲車の中から隊員たちが出て、瑞貴はみんなをかばうように前に立つ。
「もう追って来たか!」
「お前たちは何者だ!?」
「――ホォ、それが教官に対する口の聞き方ですか? 全員! 粛・正!」
大きな岩の上に立って髪を整えた隊員を瑞貴たちは見上げると、そこには桃色の服で大柄の男がいた。
「ようこそ。究極を生み出す島、神の特訓場・ゴッドエデンへ。私は牙山。この訓練場を預かる者だ」
「鬼道監督や音無先生、他のみんなはどこへやった!?」
「我々が欲しいのは選手のみ。それに奴らのことなら、そこにいる仲間を置いて逃げ出した裏切り者の女が知っているだろう」
「何っ!?」
牙山道三が指差したのは瑞貴だ。天馬たちは驚いて顔を向けると、瑞貴はかすかに青ざめながら話し始める。
「……奥の施設に私たちは連れ去られそうになったんだ。私は先に目を覚まして一度は阻止したんだけど、新手が現れて有人が私だけ逃げるようにって……ごめんなさい……見捨てるようなことをして……」
牙山が言う『裏切り者」は瑞貴が鬼道たちに対してということだろう。あの状況と鬼道の指示で仕方がなかったとはいえ、仲間を見捨てたことに瑞貴は心が痛んだ。しかし……。
「そんなことありません! 瑞貴さんだけでも無事でよかったです!」
「「「「「ああ/うん!」」」」」
「みんな……!」
神童をはじめとした全員の表情は心から瑞貴の無事を喜んでいるのだ。
だけど牙山はそんな光景に興味を示すことなく、「フンッ」と両腕を組みながら言うと再度全員が牙山に注目する。
「この合宿で君たちが目指すモノはフィフスセクター専属選手・シードだ。ホーリーロードでの活躍、見せてもらった。なかなかのものだ。しかし残念なことに君たちは少年サッカー法第五条に背き続けている。よって君たちには、我々フィフスセクターによる教育を施すことが決定された」
「誰がお前たちの手先になるものか!」
「反抗は認めない! ふんぬっ!」
牙山が足元にあった意思を片手で粉砕すると同時に、雷門サッカー部の背後の地面に切れ目が入って左右に開いた。中はグラウンドになっており、そこには十一人の少年たちがいた。