傍観日記・今日も勧誘
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
【もしも夢主が傍観主になろうとしたら】
謎の神・神崎シンによって『イナズマイレブン』の世界にトリップした瑞貴。元の世界の心残りは親友と弟しかなかったので特に気にはせず、この世界でも順応に過ごしているのだが……。
「井上ー! サッカーやろうぜー!」
「お断りします!」
「じゃあサッカー部に入ってくれよー!」
「それも嫌です!」
雷門中の敷地の中で必死に逃げている瑞貴を追いかけているのは、尾刈斗中に勝ったばかりの雷門中サッカー部キャプテン・円堂だ。彼は瑞貴がトリップした初日に見たシュートのインパクトが忘れられず、今日も今日とて部活の勧誘をしているのだ。
「マネージャーだって三人もいますし、私は必要ないと思います!」
「俺はお前ともサッカーがしたいんだ!」
「断固拒否します!」
「なんでだよー!」
瑞貴は元の世界のサッカー部で『女子』というためイジメを受けた。そのトラウマもあって問題が解決してもサッカー部に復帰せず、親友と遊び感覚でやるとき以外はしないと心に決めている。
この世界ではもともと『イナズマイレブン』のファンでもあるため、試合観戦をしたいのはファンの性(サガ)だろう。帝国学園や尾刈斗中との試合は他の雷門中生徒に紛れて木の陰でコッソリ観戦していたのだが、大声も上げてないし目立った行動もとっていないのに、どちらも目敏い円堂に見つかってガッツリ目が合ったのだ。
「だいたい豪炎寺くんが入部しましたから、選手の人数も充分じゃないですか!」
「だから、俺は井上とサッカーがやりたいんだ! お前のシュートを見たとき、俺たちが組んだら絶対に最強のコンビになるって感じたんだ!」
「っ!」
円堂の言葉に思わず瑞貴は言葉を出せなかった。うしろを見たとき彼が真っ直ぐな目だったので嘘ではないと伝わったからだ。
しかしこのまま追いかけっこを続けると体力的にもやばい。そう思った瑞貴はついに切り札を出す。
「あっ! うしろに宇宙人がサッカーしています!」
「何っ!?」
瑞貴が円堂のうしろを指差して叫ぶと、円堂は思わず足を止めてうしろを振り向いた。しかしそこには宇宙人どころか誰もいない。
「どこにもサッカーしている奴なんか……――あっ! 井上もいない!?」
嘘だと気づいた円堂が正面に顔を向けると今度は瑞貴までもいなかった。周りをキョロキョロと見渡して見るが、自分の背後と同様にこの場には人っ子一人もいない。
「円堂くーん! そろそろ部活が始まるよー!」
「あ、ああ。クッソー! 井上、俺はあきらめないからなー!」
少し離れた場所で彼を探しに来た秋に呼ばれ、円堂はその場で叫ぶとグラウンドに向かって走り出した。
「ハァ……やっと行った……」
円堂が叫んだ場所の木の上で、瑞貴は枝に座って溜息を吐いた。先ほど円堂がうしろを振り向いたその隙に木に登っていたのだ。
(雷門が元の世界のサッカー部と違うってわかってるけど、やっぱり体が拒否しちゃうんだよなぁ……)
『俺たちが組んだら絶対に最強のコンビになるって感じたんだ!』
(……それは絶対円堂の気のせいだよ)
瑞貴が雷門中サッカー部に入部するのも、そう遠くない未来かもしれない……?
謎の神・神崎シンによって『イナズマイレブン』の世界にトリップした瑞貴。元の世界の心残りは親友と弟しかなかったので特に気にはせず、この世界でも順応に過ごしているのだが……。
「井上ー! サッカーやろうぜー!」
「お断りします!」
「じゃあサッカー部に入ってくれよー!」
「それも嫌です!」
雷門中の敷地の中で必死に逃げている瑞貴を追いかけているのは、尾刈斗中に勝ったばかりの雷門中サッカー部キャプテン・円堂だ。彼は瑞貴がトリップした初日に見たシュートのインパクトが忘れられず、今日も今日とて部活の勧誘をしているのだ。
「マネージャーだって三人もいますし、私は必要ないと思います!」
「俺はお前ともサッカーがしたいんだ!」
「断固拒否します!」
「なんでだよー!」
瑞貴は元の世界のサッカー部で『女子』というためイジメを受けた。そのトラウマもあって問題が解決してもサッカー部に復帰せず、親友と遊び感覚でやるとき以外はしないと心に決めている。
この世界ではもともと『イナズマイレブン』のファンでもあるため、試合観戦をしたいのはファンの性(サガ)だろう。帝国学園や尾刈斗中との試合は他の雷門中生徒に紛れて木の陰でコッソリ観戦していたのだが、大声も上げてないし目立った行動もとっていないのに、どちらも目敏い円堂に見つかってガッツリ目が合ったのだ。
「だいたい豪炎寺くんが入部しましたから、選手の人数も充分じゃないですか!」
「だから、俺は井上とサッカーがやりたいんだ! お前のシュートを見たとき、俺たちが組んだら絶対に最強のコンビになるって感じたんだ!」
「っ!」
円堂の言葉に思わず瑞貴は言葉を出せなかった。うしろを見たとき彼が真っ直ぐな目だったので嘘ではないと伝わったからだ。
しかしこのまま追いかけっこを続けると体力的にもやばい。そう思った瑞貴はついに切り札を出す。
「あっ! うしろに宇宙人がサッカーしています!」
「何っ!?」
瑞貴が円堂のうしろを指差して叫ぶと、円堂は思わず足を止めてうしろを振り向いた。しかしそこには宇宙人どころか誰もいない。
「どこにもサッカーしている奴なんか……――あっ! 井上もいない!?」
嘘だと気づいた円堂が正面に顔を向けると今度は瑞貴までもいなかった。周りをキョロキョロと見渡して見るが、自分の背後と同様にこの場には人っ子一人もいない。
「円堂くーん! そろそろ部活が始まるよー!」
「あ、ああ。クッソー! 井上、俺はあきらめないからなー!」
少し離れた場所で彼を探しに来た秋に呼ばれ、円堂はその場で叫ぶとグラウンドに向かって走り出した。
「ハァ……やっと行った……」
円堂が叫んだ場所の木の上で、瑞貴は枝に座って溜息を吐いた。先ほど円堂がうしろを振り向いたその隙に木に登っていたのだ。
(雷門が元の世界のサッカー部と違うってわかってるけど、やっぱり体が拒否しちゃうんだよなぁ……)
『俺たちが組んだら絶対に最強のコンビになるって感じたんだ!』
(……それは絶対円堂の気のせいだよ)
瑞貴が雷門中サッカー部に入部するのも、そう遠くない未来かもしれない……?
1/1ページ