来(キタ)るべき祭典 うごめく“ヤバイ奴ら”
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この数日で寄付活動をひと通り終えて、今日の私は舞獣姫の姿で小松さんのホテルグルメを手伝っている。なんでもお客の出入りが物凄いらしいけど、それは小松さんの知名度が一気に上がったのだという意味でもある。
「色米のカラフル団子薬膳餅風、今出ますー!」
「こっちも色米のレインボー炒飯ができましたよー!」
薬膳餅の一件があって色米をいろんな調理に成功することができた私たち。餅米みたいになるだけでなく、調理法次第で普通の米と同じ料理もできるから、研究のし甲斐があるよ!
「小松シェフと舞獣姫さん、さすがだよなぁ」
「ああ。薬膳餅の簡単な作り方で、また一層世間に名が知れ渡っている」
「センチュリースープのときもスゴかったけど、今回もスゴ過ぎるなぁ」
……調理する小松と瑞貴のうしろ姿を見ながら、ホテルグルメのコックたちは尊敬の眼差しを向けていた。その上二人が特殊調理食材の色米を相手に苦戦するどころか、楽しそうに調理をしているので尚更だろう。
そしてコックたちだけでなく、支配人のスミスもまた感心するように頷いて瞳を輝かせていた。
「ホントに小松シェフ様々、舞獣姫様々だよ! 客の入りが止まらない~、笑いも止まらない~、ナハハハハッ! アハハハハッ! ……待てよ?」
さっきまで腰に手を当てて高笑いしていたスミスだが、あることに気づいた途端に顔を青ざめて冷や汗をかく。
「な~んか嫌な予感がするな~……いつものパターンじゃないか~…これ……? このウハウハで最高なとき、いつも……いつも、あの男が現れる!」
ガタンッ!
「ウッ!」
その物音で嫌な予感がさらに増したスミスが肩を上げ、そっと振り向くと……扉のガラスに顔半分と手を張りつけているトリコがいた。
「ぎゃあぁぁあああ!! やっぱり出た――っ!!」
……まるでお化けでも見たかのように盛大に驚くスミス。同時に扉が開いて小松と瑞貴もトリコの来訪に気づいた。
「あっ、トリコさん!」
「久しぶり!」
トリコと交際しているとはいえ、最近は寄付活動で忙しかったから会うのは本当に数日ぶりだ。
「よぉ~小松、舞獣姫。ちょっくら食材捕りに行かねぇか?」
「ダメダメダメー! 今度という今度は、絶対ダメー!」
私たちの間に入って来たスミスさんが、ハントに誘ってきたトリコに向かって完全な拒否をする。
「小松シェフには、ガッツリ働いてもらわなきゃ! それにせっかく舞獣姫さんが来てくれているのに! 今店を空けられちゃ困りますって!」
「いいじゃねぇか~! 固いこと言うなって~!」
「ダメですってばー!」
「ア、アハハハ……」
「何度も長期休んだツケが来たね、小松さん」
「瑞貴…じゃなかった、舞獣姫さん。他人事みたいに言わないでくださいよ」
「私はあくまで『手伝い』であって、『ホテルグルメのシェフ』じゃないからね」
「……僕はもちろん仕事に誇りを持っていますけど、今だけはズルいと思います」
さっきまで苦笑していたのに私をジト目で見てくる小松さんだけど、こうやって会話できるのが嬉しいと思っているのは秘密だよ。
ザワザワザワ……――。
「ん? なんだか騒がしくない?」
「言われてみれば……」
「「ん?」」
厨房の外の賑やかさに気づいた私が言うと、小松さんに続いてトリコもスミスさんも反応した。人の出入りが多くなったとはいえ、さっきまでこんなに賑やかじゃなかったのに。
「行ってみましょう。もしかしたらVIPのお客様が来たかもしれないので、小松シェフと舞獣姫さんも一緒に」
「は、はい!」
「わかりました……――って、トリコ! 団子をつまみ食いしない!」
「一つだけだって!」
「あとでその一つを抜いた分のセットを出すから! もちろん料金も払ってもらうからね!」
ドサクサに紛れて小松さんがさっきまで作っていた色米のカラフル団子をトリコが取っていたのを発見して忠告した私。トリコにとっては微々たる金額であっても、キッチリ払ってもらいます!
――騒がしさの中心はロビーらしく、今まで以上のお客様たちが騒いでいる原因を見ると……たくさんのグルメSPが二列になって入口から私たちの元まで道を作っていた。そしてその中心を歩いて来るのは身長差がある初老の二人の男性だ。
「初めまして。G7のキットです」
「パイノミです」
「ぬぬぬぬ、ぬええぇぇえええ!?」
「じじじじ、G7のお方が二人も!?」
G7のキットとパイノミさんを見て、小松さんとスミスさんは盛大に驚いた。G7は七人いることは知っていたけど、パッチさんとアポロンさんしか会ったことがないから、この二人に会うのは初めてだな。
薬膳餅は当然G7にも渡っているからテイスティングも済んでいるはず。なのにこのホテルに二人も現れたので小松さんが用件を尋ねる。
「G7の方たちが、いったいなんの用で……?」
「小松シェフの世界料理人ランキング第88位、そして舞獣姫さんの世界料理人ランキング第75位にランクインしたことをお伝えに参りました」
「「えっ?」」
「つきましては、今年のクッキングフェスの出場権を得られましたので、その招待に参りました」
「えっ……」
「えっ……」
「「ええぇぇえええ!? クッキングフェス――ッ!?」」
驚きのあまり私と小松さんは顔を見合わせ、次いで頭を抱えて悲鳴に近い叫び声を上げた!
小松さんはわかるとして、まさかの私までクッキングフェス出場!?