来(キタ)るべき祭典 うごめく“ヤバイ奴ら”
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「……おめでとう」
「……リンちゃん?」
やっと顔を見せてくれたリンちゃんは、今までと変わらずとても優しい瞳をしていた。
「あと、ウチに報告してくれてありがとう。その場にいたから小松やお兄ちゃんたちは仕方ないとして、瑞貴の口から報告したのは、ウチが初なんでしょ?」
「うん。リンちゃんに一番に報告したいと決めてたから……」
「だったらそれでチャラにしてあげるし。……でも、ウチもあきらめが悪い所があるし。だからトリコを想っていた年月の分、この想いを薄めていくし。……時間はかかるけど、それだけは許してくれる?」
「っ、もちろん!」
「あと、だからと言ってウチに対して変に遠慮するのはナシだし! 今まで通りにはいかなくても、仲良くしてほしいし! 変に遠慮したら……――物スゴーく臭いデビルドリアンフレグランス、浴びせるし!」
「肝に銘じておきます!」
今度は別の恐怖で私は背筋をピシッと伸ばした! だけどそれは、リンちゃんの優しさでもあるのを私は感じた。
――それからテリーの捕獲レベルが1000以上いっているかもしれないという話や、四獣討伐の宴のこと話したり、これから行われるクッキングフェスのことについて話して、私はヘリポートで待っていたサンに乗ってリンちゃんに見送られながら別れた。
「……よかったのか、リン」
「うん……。あのときからなんとなくわかっていたし」
……ヘリポートに続く施設内通路の角から現れたマンサムに訊かれたリンは、瑞貴と初めて出会ったグルメコロシアムのことを思い出す。
『瑞貴! お前、大丈夫か!?』
『平気だっての! ちったあ同行者のことを信じなさい!』
『っ……! ああ!』
GTロボを相手に共闘する二人が信頼し合っているのを見て、何かを予感していた。あとから聞いた話だが、あのときは出会ってからそんなに経っていないと言う。そして瑞貴にはなくても、トリコの中で何かが芽生えているのを……――ずっとトリコを想い続けていたリンだからこそわかったのだ。
最初は瑞貴を敵視していたリンだが、あとで瑞貴が世界中の貧しい村や町に食材などを寄付する舞獣姫と知って驚き、さらに瑞貴自身の人柄と接して、どうしても嫌いになれなかった。連絡をくれると嬉しくて、一緒に過ごすと楽しくて、貴重な同性の友達というだけでなく心から親友と呼べる存在になっている。もちろん大好きな兄と一緒になってくれたら、それはそれで嬉しかった。
(それに二人の婚約のことは、昨日すでに知っていたし……)
四獣の事後処理には当然四天王も立ち会わなければならない。だからトリコも昨日IGO本部に来ていたとき、トリコの口から伝えられた。あれだけの積極なアピールをしていたからこそ、トリコはリンの気持ちも知っているのでハッキリ伝えたかったし、リンも覚悟をしていた。……いつか、こんな日が来るんじゃないかと。
『ワリィ、リン……。俺はお前の気持ちに応えられない』
それを聞いたとき、リンはトリコが瑞貴と両想いになったことに気づいた。今までトリコと瑞貴の二人と会う度に少しずつ変わっていった空気がちゃんと形になったのだとわかった。そしてトリコにも時間をかけて気持ちを薄めることを伝えた。
「……しばらく休むか? まだ祭りまで時間があるし、数日なら問題ないぞ?」
「大丈夫だし! さあ、仕事するし!」
腕を上げて背筋を伸ばすリンはやる気満々というように施設の中に入っていく。もちろんガムシャラな気持ちも含まれているが、リンもプロの猛獣使いとして、IGO職員として、しっかり働こうとしている。
(子供が成長するのは早いもんですな、会長……)
……一龍と同じように四天王とリンを子供の頃から見ていたマンサムは、彼らの成長に喜びを感じると同時に寂しさも感じた。
――IGO本部からだいぶ離れた上空で、私はサンの背にうつぶせになって寝転がっていた。修業のせいか今のサンはキッスと負けず劣らず大きくなっているし、私が寝転がっても体のバランスがしっかり取れている。
トリコとのことを報告したあとリンちゃんはあからさまにムリをしていた。私に気遣われないようにするためだとわかったのは、私が逆の立場だったら同じことをするからね……。
「恋って苦しいね……サン」
〈アオオッ?〉
不思議そうな声を上げるサンはまだ恋をしたことがないのかもしれない。いつかサンにいい鳥(?)ができたときは寂しくなるかも。あっ、ウォーとフィルに相手ができても同じ気持ちになるね。
♪ピリリリ、ピリリリ♪
「はい、もしもし……あっ、メルクさん! 今? 大丈夫だよー」
久々に連絡が来た相手はメルクさん! 包丁作りに使う素材が欲しいとの連絡だったから、一緒に寄付用の食材もハントしておこう。
「サン、久々のハントにしゅっぱーつ!」
〈アオオオッ!〉
☆☆☆☆☆
……リンに瑞貴との婚約を報告してからさらに数日後、トリコは危険地帯の山奥でドデカい鉄鉱石を前にしていた。いや、これは『石』というより『山』と呼べるだろう。
「よし、これだ!」
手触りと軽く拳を当てて強度を確認したトリコは、次いで数歩離れて仁王立ちしながら鉄鉱石の山を見上げる。
「この鉄鉱石の山、これぐらいは砕けねぇとな」
〈グルルル……〉
テリーもまたうしろで見学をしていると、トリコは右手を拳にして力を溜める。
「うおおぉぉおおお……!」
〈アウッ!〉
「ん?」
ゴゴゴゴゴ――……!
うしろで何かを感じたテリーが振り向いたので、トリコも集中をやめて振り向くと、後方の崖に亀裂が入ったと思ったら、中から全身が固い殻で覆われたカブトガニのような猛獣が現れた。
「……リンちゃん?」
やっと顔を見せてくれたリンちゃんは、今までと変わらずとても優しい瞳をしていた。
「あと、ウチに報告してくれてありがとう。その場にいたから小松やお兄ちゃんたちは仕方ないとして、瑞貴の口から報告したのは、ウチが初なんでしょ?」
「うん。リンちゃんに一番に報告したいと決めてたから……」
「だったらそれでチャラにしてあげるし。……でも、ウチもあきらめが悪い所があるし。だからトリコを想っていた年月の分、この想いを薄めていくし。……時間はかかるけど、それだけは許してくれる?」
「っ、もちろん!」
「あと、だからと言ってウチに対して変に遠慮するのはナシだし! 今まで通りにはいかなくても、仲良くしてほしいし! 変に遠慮したら……――物スゴーく臭いデビルドリアンフレグランス、浴びせるし!」
「肝に銘じておきます!」
今度は別の恐怖で私は背筋をピシッと伸ばした! だけどそれは、リンちゃんの優しさでもあるのを私は感じた。
――それからテリーの捕獲レベルが1000以上いっているかもしれないという話や、四獣討伐の宴のこと話したり、これから行われるクッキングフェスのことについて話して、私はヘリポートで待っていたサンに乗ってリンちゃんに見送られながら別れた。
「……よかったのか、リン」
「うん……。あのときからなんとなくわかっていたし」
……ヘリポートに続く施設内通路の角から現れたマンサムに訊かれたリンは、瑞貴と初めて出会ったグルメコロシアムのことを思い出す。
『瑞貴! お前、大丈夫か!?』
『平気だっての! ちったあ同行者のことを信じなさい!』
『っ……! ああ!』
GTロボを相手に共闘する二人が信頼し合っているのを見て、何かを予感していた。あとから聞いた話だが、あのときは出会ってからそんなに経っていないと言う。そして瑞貴にはなくても、トリコの中で何かが芽生えているのを……――ずっとトリコを想い続けていたリンだからこそわかったのだ。
最初は瑞貴を敵視していたリンだが、あとで瑞貴が世界中の貧しい村や町に食材などを寄付する舞獣姫と知って驚き、さらに瑞貴自身の人柄と接して、どうしても嫌いになれなかった。連絡をくれると嬉しくて、一緒に過ごすと楽しくて、貴重な同性の友達というだけでなく心から親友と呼べる存在になっている。もちろん大好きな兄と一緒になってくれたら、それはそれで嬉しかった。
(それに二人の婚約のことは、昨日すでに知っていたし……)
四獣の事後処理には当然四天王も立ち会わなければならない。だからトリコも昨日IGO本部に来ていたとき、トリコの口から伝えられた。あれだけの積極なアピールをしていたからこそ、トリコはリンの気持ちも知っているのでハッキリ伝えたかったし、リンも覚悟をしていた。……いつか、こんな日が来るんじゃないかと。
『ワリィ、リン……。俺はお前の気持ちに応えられない』
それを聞いたとき、リンはトリコが瑞貴と両想いになったことに気づいた。今までトリコと瑞貴の二人と会う度に少しずつ変わっていった空気がちゃんと形になったのだとわかった。そしてトリコにも時間をかけて気持ちを薄めることを伝えた。
「……しばらく休むか? まだ祭りまで時間があるし、数日なら問題ないぞ?」
「大丈夫だし! さあ、仕事するし!」
腕を上げて背筋を伸ばすリンはやる気満々というように施設の中に入っていく。もちろんガムシャラな気持ちも含まれているが、リンもプロの猛獣使いとして、IGO職員として、しっかり働こうとしている。
(子供が成長するのは早いもんですな、会長……)
……一龍と同じように四天王とリンを子供の頃から見ていたマンサムは、彼らの成長に喜びを感じると同時に寂しさも感じた。
――IGO本部からだいぶ離れた上空で、私はサンの背にうつぶせになって寝転がっていた。修業のせいか今のサンはキッスと負けず劣らず大きくなっているし、私が寝転がっても体のバランスがしっかり取れている。
トリコとのことを報告したあとリンちゃんはあからさまにムリをしていた。私に気遣われないようにするためだとわかったのは、私が逆の立場だったら同じことをするからね……。
「恋って苦しいね……サン」
〈アオオッ?〉
不思議そうな声を上げるサンはまだ恋をしたことがないのかもしれない。いつかサンにいい鳥(?)ができたときは寂しくなるかも。あっ、ウォーとフィルに相手ができても同じ気持ちになるね。
♪ピリリリ、ピリリリ♪
「はい、もしもし……あっ、メルクさん! 今? 大丈夫だよー」
久々に連絡が来た相手はメルクさん! 包丁作りに使う素材が欲しいとの連絡だったから、一緒に寄付用の食材もハントしておこう。
「サン、久々のハントにしゅっぱーつ!」
〈アオオオッ!〉
☆☆☆☆☆
……リンに瑞貴との婚約を報告してからさらに数日後、トリコは危険地帯の山奥でドデカい鉄鉱石を前にしていた。いや、これは『石』というより『山』と呼べるだろう。
「よし、これだ!」
手触りと軽く拳を当てて強度を確認したトリコは、次いで数歩離れて仁王立ちしながら鉄鉱石の山を見上げる。
「この鉄鉱石の山、これぐらいは砕けねぇとな」
〈グルルル……〉
テリーもまたうしろで見学をしていると、トリコは右手を拳にして力を溜める。
「うおおぉぉおおお……!」
〈アウッ!〉
「ん?」
ゴゴゴゴゴ――……!
うしろで何かを感じたテリーが振り向いたので、トリコも集中をやめて振り向くと、後方の崖に亀裂が入ったと思ったら、中から全身が固い殻で覆われたカブトガニのような猛獣が現れた。