来(キタ)るべき祭典 うごめく“ヤバイ奴ら”
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「よかったですね、瑞貴さん」
「小松さん!」
私のうしろには笑顔を浮かべる小松さんがいたので、私は彼の元に駆け寄った。そうだ、私が好きな人と両想いになったら……。
「……小松さん」
「はい」
「ごめんなさい。私、あなたの気持ちに応えられません」
私はそう言って小松さんに深々と頭を下げた。次に頭を上げたとき、小松さんは眉を下げているのに何故か笑っていた。
「僕はフラれるなら、好きな人と両想いになった瑞貴さんの口から聞きたいと思ったので、逆に僕のワガママを聞いてくれてありがとうございます。――それに、僕は大好きなトリコさんと瑞貴さんが一緒になってくれて嬉しくもあります!」
「小松さん……ありがとうございます……!」
「あっ、だからと言って僕を除け者にしないでくださいね? 僕はトリコさんとは美食屋と料理人のコンビであり、瑞貴さんとは料理人のコンビなんですから! それとトリコさんに泣かされたら僕に言ってください。キッチリお説教しますので!」
「うん!」
小松さんにはこれからまだまだお世話になる。それに私は小松さんのこと、仲間として一人の人間として好きだからね!
「あっ、みんなにも言わないと――」
《何チョーシに乗ってやがる!》
「ゼブラさん!?」
「近くにいるのに何故に音弾!?」
小松さんと私のいる場所と四天王がいる場所は少し離れているとはいえ、歩いても数十歩くらいなのになんで音弾飛ばすんだ!?
見れば音弾を飛ばした張本人であるゼブラだけでなく、ココさんもサニーもこちらに体を向けていた。
「ごめんね。僕はお姫様をあきらめたくないんだ」
「お前(マ)と調和するのは、このビューティフルな俺(レ)だけだし!」
「俺に適応する女をそう簡単に逃がすかよ!」
「えっ!? えっ!? えっ!?」
「みなさん、あきらめが悪いですよ……」
「ふんぬっ! そうだぞ、てめぇら!」
小松さんが半目になって呆れた顔をして、拘束から逃れたトリコが文句を言うけど、三人はどこ吹く風という顔だ。――あれ? もしかしていろいろと前途多難?
バッ!
「この俺が見つけた獲物だ。チョーシに乗っている奴らなんかに渡すかよ」
チュッ。
「わみゃ!?」
ゼブラは私を勢いよく左腕で抱き上げたあと、そう言って右腕で私の腕を取ってそこにキスしてきた!?
ヒョイ……トンッ。
「戦うお前(マ)も、料理を作るお前(マ)も、花が咲くように笑うお前(マ)も、俺にとって全てが美(ツク)しくて、惹かれやまね。もちろんこれからもな」
チュッ。
「ふえっ!?」
次にサニーに触覚で目の前に降ろされたと思ったら、私の髪をひと掬いして言うと耳にキスしてきた!?
スッ。
「君は僕の運命を変えてくれた唯一無二のお姫様。僕がこんなにも愛しく想うのは君だけだよ」
チュッ。
「にゃあ!?」
今度はココさんが私を優しく抱き寄せて顔を近づけると、喉にキスをしてきた!?
ガバッ!
「いい加減にしやがれ! 瑞貴は俺のモンだ!」
チュウ~……!
「むううっ!?」
人目も気にせず(さっきのは私は雰囲気で流されたので)トリコが強く唇を押さえるようにキスしてきた! もう何がなんだか……。
「きゅ~……」
「わぁ――っ!! 瑞貴さ――んっ!!」
……トリコの腕の中で瑞貴が顔を真っ赤にして目を回し、まるで魂を飛ばしているかのようだったので、小松は青ざめて地上に聞こえるほどの悲鳴を上げる。
トリコと瑞貴の交際は、『前途多難』どころか『(主に他の四天王のせいで)全途全難』だった。
☆☆☆☆☆
……ここはグルメ界にある、のろま雨の丘。文字通り雨は降っているのだがそのスピードはとても遅く、雨の粒がゆっくりと降っているのだ。そこにいるのは三人――グルメ外科医・アタシノ、研ぎ師・初代メルク、そしてIGO会長・一龍である。
「人間界はひとまず治まったようですね、会長」
「まっ、四獣くらいは楽に攻略してもらわにゃ困るわい。恐らく真の敵はその先におるが……今はわしらもそれどころではないからのう。トリコたちには人間界でもうひと仕事してもらうとして……」
サングラスを外した一龍が右手に持っていた柄を握ると、一龍の実力が伴ったせいか、それともその柄の本体の力なのか、とてつもないオーラが漂っていた。それを作ったのはメルクである。
「メルク。なかなかいい『包丁』じゃないか。よく作ってくれたのう。これならアカシア先生のサラダ・『エア』もバッサリいけそうじゃ!」
「…………!」
一龍の言葉にメルクは返事をする代わりに親指を立てて笑った。一龍が持っている柄の先は崖の下に降ろしてあり、それは一龍の身長の何倍もある巨大な刀のような包丁だ。オーラだけでのろま雨も真っ二つになっている。
「他の者も所定の場所に着いた頃か。さあ行くぞい! 戦闘開始じゃ!」
「ハッ!」
一龍の号令にアタシノもメルクも構える。これから待ち受ける戦闘に向けて……。
☆☆☆☆☆
三日後、私は四獣の事後処理が落ち着いたというリンちゃんとIGO本部のカフェテラスで向かい合っていた。四獣に関してはお疲れ様とお互い言うことと……――トリコとの関係のことを。
「…………」
報告した途端、リンちゃんは顔をうつむけてずっと黙ったままだ。同時に私の緊張も高く体が固くなってしまう。
「……瑞貴」
「はい!」
名前を呼ばれた途端、ピンッと私は背筋を正した。リンちゃんは顔をうつむいているから髪が隠れて表情がわからない! でも覚悟をしていたとはいえ淡々とした声が怖い!
「ウチは怒っている上に悔しいし」
「はい……」
「ウチのほうがトリコとずっと昔から一緒にいて、何度もアピールしてきたし」
「はい……」
「それなのにポッと出て来て、トリコからハントに誘われて、一緒にいる瑞貴が羨ましくも妬ましくも思っているし」
「はい……」
「挙句果てには、トリコと両想いな上に結婚を約束だし?」
「はい……」
いかん、身がどんどん縮まる思いだ……。リンちゃんと向き合うために私まで顔をうつむけないよう努力しているけど、少しでも気を緩めたら下を向いちゃう……。
トリコとは両想いになったけど、結婚は『トリコが人生のフルコースを完成させたら』という話になった。きっとトリコならそう遠くない未来だって確信したし、私も自信満々にトリコと並んで立てる女になりたいからね。
だからまずは、そのケジメの一つとして親友のリンちゃんに報告というわけだ。
「小松さん!」
私のうしろには笑顔を浮かべる小松さんがいたので、私は彼の元に駆け寄った。そうだ、私が好きな人と両想いになったら……。
「……小松さん」
「はい」
「ごめんなさい。私、あなたの気持ちに応えられません」
私はそう言って小松さんに深々と頭を下げた。次に頭を上げたとき、小松さんは眉を下げているのに何故か笑っていた。
「僕はフラれるなら、好きな人と両想いになった瑞貴さんの口から聞きたいと思ったので、逆に僕のワガママを聞いてくれてありがとうございます。――それに、僕は大好きなトリコさんと瑞貴さんが一緒になってくれて嬉しくもあります!」
「小松さん……ありがとうございます……!」
「あっ、だからと言って僕を除け者にしないでくださいね? 僕はトリコさんとは美食屋と料理人のコンビであり、瑞貴さんとは料理人のコンビなんですから! それとトリコさんに泣かされたら僕に言ってください。キッチリお説教しますので!」
「うん!」
小松さんにはこれからまだまだお世話になる。それに私は小松さんのこと、仲間として一人の人間として好きだからね!
「あっ、みんなにも言わないと――」
《何チョーシに乗ってやがる!》
「ゼブラさん!?」
「近くにいるのに何故に音弾!?」
小松さんと私のいる場所と四天王がいる場所は少し離れているとはいえ、歩いても数十歩くらいなのになんで音弾飛ばすんだ!?
見れば音弾を飛ばした張本人であるゼブラだけでなく、ココさんもサニーもこちらに体を向けていた。
「ごめんね。僕はお姫様をあきらめたくないんだ」
「お前(マ)と調和するのは、このビューティフルな俺(レ)だけだし!」
「俺に適応する女をそう簡単に逃がすかよ!」
「えっ!? えっ!? えっ!?」
「みなさん、あきらめが悪いですよ……」
「ふんぬっ! そうだぞ、てめぇら!」
小松さんが半目になって呆れた顔をして、拘束から逃れたトリコが文句を言うけど、三人はどこ吹く風という顔だ。――あれ? もしかしていろいろと前途多難?
バッ!
「この俺が見つけた獲物だ。チョーシに乗っている奴らなんかに渡すかよ」
チュッ。
「わみゃ!?」
ゼブラは私を勢いよく左腕で抱き上げたあと、そう言って右腕で私の腕を取ってそこにキスしてきた!?
ヒョイ……トンッ。
「戦うお前(マ)も、料理を作るお前(マ)も、花が咲くように笑うお前(マ)も、俺にとって全てが美(ツク)しくて、惹かれやまね。もちろんこれからもな」
チュッ。
「ふえっ!?」
次にサニーに触覚で目の前に降ろされたと思ったら、私の髪をひと掬いして言うと耳にキスしてきた!?
スッ。
「君は僕の運命を変えてくれた唯一無二のお姫様。僕がこんなにも愛しく想うのは君だけだよ」
チュッ。
「にゃあ!?」
今度はココさんが私を優しく抱き寄せて顔を近づけると、喉にキスをしてきた!?
ガバッ!
「いい加減にしやがれ! 瑞貴は俺のモンだ!」
チュウ~……!
「むううっ!?」
人目も気にせず(さっきのは私は雰囲気で流されたので)トリコが強く唇を押さえるようにキスしてきた! もう何がなんだか……。
「きゅ~……」
「わぁ――っ!! 瑞貴さ――んっ!!」
……トリコの腕の中で瑞貴が顔を真っ赤にして目を回し、まるで魂を飛ばしているかのようだったので、小松は青ざめて地上に聞こえるほどの悲鳴を上げる。
トリコと瑞貴の交際は、『前途多難』どころか『(主に他の四天王のせいで)全途全難』だった。
☆☆☆☆☆
……ここはグルメ界にある、のろま雨の丘。文字通り雨は降っているのだがそのスピードはとても遅く、雨の粒がゆっくりと降っているのだ。そこにいるのは三人――グルメ外科医・アタシノ、研ぎ師・初代メルク、そしてIGO会長・一龍である。
「人間界はひとまず治まったようですね、会長」
「まっ、四獣くらいは楽に攻略してもらわにゃ困るわい。恐らく真の敵はその先におるが……今はわしらもそれどころではないからのう。トリコたちには人間界でもうひと仕事してもらうとして……」
サングラスを外した一龍が右手に持っていた柄を握ると、一龍の実力が伴ったせいか、それともその柄の本体の力なのか、とてつもないオーラが漂っていた。それを作ったのはメルクである。
「メルク。なかなかいい『包丁』じゃないか。よく作ってくれたのう。これならアカシア先生のサラダ・『エア』もバッサリいけそうじゃ!」
「…………!」
一龍の言葉にメルクは返事をする代わりに親指を立てて笑った。一龍が持っている柄の先は崖の下に降ろしてあり、それは一龍の身長の何倍もある巨大な刀のような包丁だ。オーラだけでのろま雨も真っ二つになっている。
「他の者も所定の場所に着いた頃か。さあ行くぞい! 戦闘開始じゃ!」
「ハッ!」
一龍の号令にアタシノもメルクも構える。これから待ち受ける戦闘に向けて……。
☆☆☆☆☆
三日後、私は四獣の事後処理が落ち着いたというリンちゃんとIGO本部のカフェテラスで向かい合っていた。四獣に関してはお疲れ様とお互い言うことと……――トリコとの関係のことを。
「…………」
報告した途端、リンちゃんは顔をうつむけてずっと黙ったままだ。同時に私の緊張も高く体が固くなってしまう。
「……瑞貴」
「はい!」
名前を呼ばれた途端、ピンッと私は背筋を正した。リンちゃんは顔をうつむいているから髪が隠れて表情がわからない! でも覚悟をしていたとはいえ淡々とした声が怖い!
「ウチは怒っている上に悔しいし」
「はい……」
「ウチのほうがトリコとずっと昔から一緒にいて、何度もアピールしてきたし」
「はい……」
「それなのにポッと出て来て、トリコからハントに誘われて、一緒にいる瑞貴が羨ましくも妬ましくも思っているし」
「はい……」
「挙句果てには、トリコと両想いな上に結婚を約束だし?」
「はい……」
いかん、身がどんどん縮まる思いだ……。リンちゃんと向き合うために私まで顔をうつむけないよう努力しているけど、少しでも気を緩めたら下を向いちゃう……。
トリコとは両想いになったけど、結婚は『トリコが人生のフルコースを完成させたら』という話になった。きっとトリコならそう遠くない未来だって確信したし、私も自信満々にトリコと並んで立てる女になりたいからね。
だからまずは、そのケジメの一つとして親友のリンちゃんに報告というわけだ。