来(キタ)るべき祭典 うごめく“ヤバイ奴ら”
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『死にますよ? 今、ここで』
黒幕と思わしき人物にそう言われた鉄平は、戦おうとした。異変を感じたのは次の瞬間……――そこは、まな板の上だった。
「生まれて初めてだった……料理されちまうと、リアルに覚悟したのは……!」
美食會の副料理長を相手にしても感じたことのなかった恐怖を、鉄平は確かに感じた。その恐怖が甦ったのか、黒幕を目の前にして逃した悔しさか、鉄平の体は再び震える。
プキンはビーカーへ試験管の薬を入れて混ぜ合わせつつ、その後のことを鉄平に話す。
「すぐに何重にも警戒網を張っていた再生屋が駆け付けたわ。私も含めてね」
「プキンさんが来てくれたのは、本当に助かりました……。恐らく奴は、大勢に面が割れるのを警戒して俺を殺さずに姿を消した……。いったい、誰だったのか? 感じたことのない、異様なオーラだった……」
黒いローブを深く被って顔を隠しても、その異様なオーラは隠しきれないほどだった。美食會とも違う、瑞貴の四神とも違う、全く別の恐ろしい強者の存在だというのは間違いない。
「さあ、飲んで。回復するわ」
「ありがとう、プキンさん」
プキンが先ほど調合した薬の入ったビーカーを手渡すと、鉄平はそれを受け取って飲んだ。するとふと隣の台車に並べられた食材を目にする。
「バタークルミに、カロリーバナナか……。どれも再生の難しい食材ばかり…さすがはプキンさんだ……」
「!」
「……『伝説の再生屋』を師匠に持つだけのことはある」
顔を逸らしてそう言った鉄平。プキンは彼がどこか気遣うように、しかしほとんど確信を持つように言っていると気づいた。その推測は自分が考えていたことと同じだということも。
「鉄平くんも、気になってる?」
「ええ……」
「私の師匠、再生屋・モーヤンシャイシャイ。世界最高の技術を持つ再生屋であり、美食人間国宝の一人でもある。確かに、師匠以外に四獣クラスの猛獣を再生できる人はいない……」
「先生は、今どこにいる?」
「わからない……。師匠は数日前から姿を消したわ……」
「先生なら何か知ってる可能性が高い。一刻も早く、居場所を見つけなければ……奴らはヤバい……! 俺の再生屋としての勘がそう言っている……!」
「…………!」
鉄平は伝説のノッキングマスター・次郎の子孫であり、超一流の再生屋・与作を師に持つ彼もまたスゴ腕の再生屋だ。その勘は外れることはあまりない。敵は鉄平が対峙した一人だけでなく、複数もいる組織の可能性があると。
言葉と表情だけで事態の深刻さを感じたプキンだが、ふと鉄平を見て気づく。
「あっ、鉄平くん」
「えっ?」
「気のせいかしら? 顔の傷が増えてない?」
「そうですか……?」
「いや、気のせいかも。体はどこも異常なかったし」
「…………!」
プキンはなんでもないように言うが、鉄平は気づいた。確かに自身には頭から首にかけての傷があるが、その中に小さくも一筋の傷が増えていたことを……。
☆☆☆☆☆
鉄平の話題が出たせいか、トリコが食事を続けながら彼のことを気にしている。
「そういえば鉄平の奴、黒幕がどうとか言ってたな」
「ハッ! そんな奴はぶっ倒せばいいだけの話だろうが!」
「四獣を倒した俺らだ。どんなのが来ても、負けねーぜ」
「確かに、そうだね」
おーい。なんだかみなさん、四獣を倒したからチョーシに乗ってませんか? まだまだ一龍会長には遠く及ばないし、事件だって全部解決したわけじゃない。私ですら気になることがいろいろあるっていうのに……。
「にしてもやっぱ、四獣を倒した最後の一撃は俺の食い意地のおかげじゃねぇか?」
「ほざけ、トリコ! 全員(ゼイン)の美(ツク)しい食欲が一致したからだし! ――特に俺の!」
「でも、食欲をトリコとゼブラに合わせるのはかなり骨だったよ」
「ハッ! あんな技すぐに一人でも出せるようになる! まあお前らの食欲じゃ、まだまだ程遠いだろうがな!」
「てか、ゼブラ! お前のデカい馬、あれで四獣(シジュ)をぶっ倒せなかったのかよ!?」
「知るかよ! 俺が手ぇ出すなっつったんだよ! ――それよりメシが足りねぇな!」
「あっ、はーい! ただいまー!」
「すぐ持って行くから待ってて!」
さっきからずっと食べてばかりだし、たくさんテーブルに料理が並べられているってのに、ゼブラは再び小松さんと私に料理の催促をした。今回ばかりは大目に見ないとね、だって人類を救った救世主なんだから!
……瑞貴と小松が四天王へ出す料理に奔走する中、節乃は薬膳餅を指でつつき、ユダもその隣で見ていた。
「な~るほどのう。色止めか、考えてみれば簡単なことじゃったのぅ」
「確かに。ほんの1ミリ頭を柔らかくすれば浮かぶ発想でしたな。しかし瞬時にこの方法に気づく小松くんと瑞貴くんはやはり、さすがと言わざるを得ませんね」
「腕や技術ではなく、この食材の声を聞いたんじゃろうなぁ。食材に好かれて初めて浮かぶ調理の発想か……。あたしゃからも推薦しておくかの……――G7に」
「節乃様、その必要は1ミリもないかと」
「ん?」
「今の小松くんと瑞貴くんならすでに、ランクインは確定ですよ」
「そうじゃな。そうなると……小松くんと瑞貴ちゃんも『あの祭り』に。楽しみじゃのぅ」
「――っ、祭り?」
ふと節乃とユダの会話が耳に入ったトリコは、食林寺のことを思い出す。
『祭リデ会オウ……』
新型GTロボの操縦者は間違いなく美食會副料理長・スタージュン。そして頻繁に起こる料理人誘拐事件のことを思えば、彼が『食の祭典』に来るのは間違いないと思った。
黒幕と思わしき人物にそう言われた鉄平は、戦おうとした。異変を感じたのは次の瞬間……――そこは、まな板の上だった。
「生まれて初めてだった……料理されちまうと、リアルに覚悟したのは……!」
美食會の副料理長を相手にしても感じたことのなかった恐怖を、鉄平は確かに感じた。その恐怖が甦ったのか、黒幕を目の前にして逃した悔しさか、鉄平の体は再び震える。
プキンはビーカーへ試験管の薬を入れて混ぜ合わせつつ、その後のことを鉄平に話す。
「すぐに何重にも警戒網を張っていた再生屋が駆け付けたわ。私も含めてね」
「プキンさんが来てくれたのは、本当に助かりました……。恐らく奴は、大勢に面が割れるのを警戒して俺を殺さずに姿を消した……。いったい、誰だったのか? 感じたことのない、異様なオーラだった……」
黒いローブを深く被って顔を隠しても、その異様なオーラは隠しきれないほどだった。美食會とも違う、瑞貴の四神とも違う、全く別の恐ろしい強者の存在だというのは間違いない。
「さあ、飲んで。回復するわ」
「ありがとう、プキンさん」
プキンが先ほど調合した薬の入ったビーカーを手渡すと、鉄平はそれを受け取って飲んだ。するとふと隣の台車に並べられた食材を目にする。
「バタークルミに、カロリーバナナか……。どれも再生の難しい食材ばかり…さすがはプキンさんだ……」
「!」
「……『伝説の再生屋』を師匠に持つだけのことはある」
顔を逸らしてそう言った鉄平。プキンは彼がどこか気遣うように、しかしほとんど確信を持つように言っていると気づいた。その推測は自分が考えていたことと同じだということも。
「鉄平くんも、気になってる?」
「ええ……」
「私の師匠、再生屋・モーヤンシャイシャイ。世界最高の技術を持つ再生屋であり、美食人間国宝の一人でもある。確かに、師匠以外に四獣クラスの猛獣を再生できる人はいない……」
「先生は、今どこにいる?」
「わからない……。師匠は数日前から姿を消したわ……」
「先生なら何か知ってる可能性が高い。一刻も早く、居場所を見つけなければ……奴らはヤバい……! 俺の再生屋としての勘がそう言っている……!」
「…………!」
鉄平は伝説のノッキングマスター・次郎の子孫であり、超一流の再生屋・与作を師に持つ彼もまたスゴ腕の再生屋だ。その勘は外れることはあまりない。敵は鉄平が対峙した一人だけでなく、複数もいる組織の可能性があると。
言葉と表情だけで事態の深刻さを感じたプキンだが、ふと鉄平を見て気づく。
「あっ、鉄平くん」
「えっ?」
「気のせいかしら? 顔の傷が増えてない?」
「そうですか……?」
「いや、気のせいかも。体はどこも異常なかったし」
「…………!」
プキンはなんでもないように言うが、鉄平は気づいた。確かに自身には頭から首にかけての傷があるが、その中に小さくも一筋の傷が増えていたことを……。
☆☆☆☆☆
鉄平の話題が出たせいか、トリコが食事を続けながら彼のことを気にしている。
「そういえば鉄平の奴、黒幕がどうとか言ってたな」
「ハッ! そんな奴はぶっ倒せばいいだけの話だろうが!」
「四獣を倒した俺らだ。どんなのが来ても、負けねーぜ」
「確かに、そうだね」
おーい。なんだかみなさん、四獣を倒したからチョーシに乗ってませんか? まだまだ一龍会長には遠く及ばないし、事件だって全部解決したわけじゃない。私ですら気になることがいろいろあるっていうのに……。
「にしてもやっぱ、四獣を倒した最後の一撃は俺の食い意地のおかげじゃねぇか?」
「ほざけ、トリコ! 全員(ゼイン)の美(ツク)しい食欲が一致したからだし! ――特に俺の!」
「でも、食欲をトリコとゼブラに合わせるのはかなり骨だったよ」
「ハッ! あんな技すぐに一人でも出せるようになる! まあお前らの食欲じゃ、まだまだ程遠いだろうがな!」
「てか、ゼブラ! お前のデカい馬、あれで四獣(シジュ)をぶっ倒せなかったのかよ!?」
「知るかよ! 俺が手ぇ出すなっつったんだよ! ――それよりメシが足りねぇな!」
「あっ、はーい! ただいまー!」
「すぐ持って行くから待ってて!」
さっきからずっと食べてばかりだし、たくさんテーブルに料理が並べられているってのに、ゼブラは再び小松さんと私に料理の催促をした。今回ばかりは大目に見ないとね、だって人類を救った救世主なんだから!
……瑞貴と小松が四天王へ出す料理に奔走する中、節乃は薬膳餅を指でつつき、ユダもその隣で見ていた。
「な~るほどのう。色止めか、考えてみれば簡単なことじゃったのぅ」
「確かに。ほんの1ミリ頭を柔らかくすれば浮かぶ発想でしたな。しかし瞬時にこの方法に気づく小松くんと瑞貴くんはやはり、さすがと言わざるを得ませんね」
「腕や技術ではなく、この食材の声を聞いたんじゃろうなぁ。食材に好かれて初めて浮かぶ調理の発想か……。あたしゃからも推薦しておくかの……――G7に」
「節乃様、その必要は1ミリもないかと」
「ん?」
「今の小松くんと瑞貴くんならすでに、ランクインは確定ですよ」
「そうじゃな。そうなると……小松くんと瑞貴ちゃんも『あの祭り』に。楽しみじゃのぅ」
「――っ、祭り?」
ふと節乃とユダの会話が耳に入ったトリコは、食林寺のことを思い出す。
『祭リデ会オウ……』
新型GTロボの操縦者は間違いなく美食會副料理長・スタージュン。そして頻繁に起こる料理人誘拐事件のことを思えば、彼が『食の祭典』に来るのは間違いないと思った。