奇跡の食運で人類を救え‼
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〈ユンユン……ユ~ン……〉
……厨房の扉の前でユンは落ち着かずにウロウロしていた。落ち着かないのは他の者も同じく、ヨハネスは自分の腕時計を見てタイムリミットを確認する。
「残り時間、8分30秒……」
「膳王・ユダ。さっきから黙っておるがどう見る?」
少しは空気を紛らわすためか専門家だからか、ルルブーが薬膳をエキスパートにするユダに尋ねると、ユダは重い表情をしていた。
「雨を浴びたのは推定五億人……わしらが今から作っても五千万個が限界じゃ。薬膳を扱うわしに言わせてもらうと……正直、薬膳餅の調理簡略化は不可能に近い。彼らを信じる節乃様には申し訳ないが……」
「あらずいぶんと弱気な発言ね。小松ちゃんと瑞貴ちゃんの才能を見くびらないほうがいいわよ」
「ライブベアラーさんの言う通りです。食義を習得した小松さんと瑞貴さんは、その才能を開花させたと言っていいでしょう。先日、小松さんと瑞貴さんとシャボンフルーツの調理に挑みました」
ライブベアラーの発言に同意したのは、繊細食材をエキスパートとする千流だ。彼女はそのときのことを思い出しながらみんなに語る。
――雲隠れ割烹の厨房を使わせてもらいシャボンフルーツの調理に挑む瑞貴と小松。千流も繊細食材を扱う経験があるので二人の調理に参加していた。
『やった!』
『とうとう調理に成功しました!』
『素晴らしい!』
千流は美食會に入った師匠・千代でなければ調理できないと思っていた。だが、瑞貴と小松が調理に成功したおかげで、こうして調理したあとのシャボンフルーツを再び目にできるとは思わず、嬉しそうに声を上げる。それに対し二人は……。
『でも残念ですね……』
『そうだね……』
『えっ?』
『せっかくのシャボンフルーツなのに、食義を極めていなければ食べられないなんて……』
『こんなに素晴らしい食材なのに、食べるまでがひと苦労ですもの……』
『ああ…それはそうですが……』
シャボンフルーツは食林寺の食宝と呼ばれる食材だ。繊細食材の中でも群を抜いているので、二人の気持ちはわかるが当然だろうと千流は思っていた。
『千流さん。前から僕ら、雲隠れ割烹の料理ってもっと食べやすいほうがいいんじゃないかなぁと思ってたんです』
『ええっ!?』
『私たちが最初にいくつか食べるのを失敗したとき、もったいないと感じていました』
『ですが、わたくし共がお出しするのは繊細な食材を扱う料理です。全てのお客様に食べやすくするというのは難しいかと……』
『ミリオントマト、いいですか?』
『私はサンシャインチーズを一ついただけますか?』
『!』
そう言って千流が出した皮膜が千枚もあり潰れやすいをミリオントマトと、常に太陽の光を当てないといけないサンシャインチーズを、小松と瑞貴は調理した。
するとたった一回でミリオントマトの被膜が剥かれ、日陰にいるのにサンシャインチーズはカチコチにならず、二人はそれぞれ飾り切りまでしたのだ。しかも二人はそれを一枚の皿に綺麗に並べると、千流はまるで芸術作品を見ているようだった。