幻の食材“C(センター)” 一龍と第0ビオトープ
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「こんな小さな手で、小松や師範代……そして食林寺を守り続けていたんだな」
あのあと珍師範に瑞貴へ自分たちが戻って来るまで代理を頼んだと聞かされた。まだ名前も覚えていない時期ではあったが、確かに『守ってくれる』という直観があったらしい。そして予想以上の働きをしてくれたと言う。
いつもトリコは瑞貴のことを小松と同じ『守るべき存在』と思っていた。もちろんそれはこれからも変わらないが、いつの間にか瑞貴も『守る側』により成長していたことに驚いた。いつの日か自分の手を離して去ってしまうのではないかと危惧してしまうくらいだ。
(今なら、どうしてココやサニーやゼブラが怒涛のように告白した理由がわかる気がするな……)
サニーの場合自分がデスフォールの中でライバル出現の報告をしたからとも思えるが、一龍から出された七つ目の修業食材を見れば最悪な結果も訪れる可能性だってある。もちろん乗り越える自信はあるが後悔はしないために、自分の想いを瑞貴に知ってほしいが故だろう。バブルウェイで一度死ぬ前に自分も後悔したほどだ。
「けど、それでも俺は敢えて言わねぇ。お前にこの気持ちを伝えるのはまだ先だって思っている。キッチリ修業だってこなしてやるし、これからもお前の隣に堂々と並んで立てる男になれるまで……――勝手かも知れねぇが、待っててくれ」
チュッ。
トリコは瑞貴の前髪をサラッと分けたあと現れた額にそっとキスをした。それはまるで誓いの口づけのように。最後に頭を優しく撫でると瑞貴がかすかに微笑んだので、それを見たトリコもまた微笑んで部屋から出て行くのだった。
☆☆☆☆☆
……グルメ界のある樹のような雲・雲樹の中にIGO第0ビオトープはある。その施設の廊下を通っているのはトリコや瑞貴たちがよく知るメンバーばかりだ。
「ブッハッハッハッ! いつぶりだろうな、三図の道から離れたのはよ!」
「あちしもグルメ刑務所を留守にするのは久しぶりね!」
「え~っと、あんただ~れ?」
「えっ……」
三途の道でグルメ界の猛獣から人間界を守る、グルメ番長・具衛門。グルメ刑務所の一つハニープリズンの所長・ラブ。
「相変わらずボーっとしてんな、具衛門! サニーの奴を紹介して以来か? ダハハハハッ!」
鉄平の師匠でありルールに囚われない再生屋・与作。
「あ~ら与作じゃない。ねぇ、またゼブラちゃんのこと捕まえて来てくれない?」
「ああ約束してやるぜ~? ただし、会長の依頼だったならばな」
「愛しいゼブラちゃんの出所の条件、甘過ぎだったんじゃないのって、この際会長に文句言ってやるわ!」
「グルメ界かぁ……メルク、お前いつぶりだ?」
「…………」
二代目メルクの師匠であり育ての親である研ぎ師・初代メルク。
「あ? 聞こえねぇよ」
「…………」
「聞こえねぇつってんだろうがよ!」
バンッ!
四人が向かう先にある扉を与作が両手で思いっきり開けると、自分たちの他に何人者の職員が集まっていた。そして長テーブルに巨大な料理が並べてあり、一番奥ですでに食事を始めているのが――IGO会長・一龍だ。
「遅いぞい! 第0ビオトープ職員諸君! やっと来たか! いよいよ戦争が間近じゃ……フンドシ締め直せよ、お前ら!」
いつの間にか肩より下ほど髪が伸びている一龍だが、それは月日だけじゃなくグルメ細胞の活性にもよるものだろう。――来たるべき戦争に備えて。
あのあと珍師範に瑞貴へ自分たちが戻って来るまで代理を頼んだと聞かされた。まだ名前も覚えていない時期ではあったが、確かに『守ってくれる』という直観があったらしい。そして予想以上の働きをしてくれたと言う。
いつもトリコは瑞貴のことを小松と同じ『守るべき存在』と思っていた。もちろんそれはこれからも変わらないが、いつの間にか瑞貴も『守る側』により成長していたことに驚いた。いつの日か自分の手を離して去ってしまうのではないかと危惧してしまうくらいだ。
(今なら、どうしてココやサニーやゼブラが怒涛のように告白した理由がわかる気がするな……)
サニーの場合自分がデスフォールの中でライバル出現の報告をしたからとも思えるが、一龍から出された七つ目の修業食材を見れば最悪な結果も訪れる可能性だってある。もちろん乗り越える自信はあるが後悔はしないために、自分の想いを瑞貴に知ってほしいが故だろう。バブルウェイで一度死ぬ前に自分も後悔したほどだ。
「けど、それでも俺は敢えて言わねぇ。お前にこの気持ちを伝えるのはまだ先だって思っている。キッチリ修業だってこなしてやるし、これからもお前の隣に堂々と並んで立てる男になれるまで……――勝手かも知れねぇが、待っててくれ」
チュッ。
トリコは瑞貴の前髪をサラッと分けたあと現れた額にそっとキスをした。それはまるで誓いの口づけのように。最後に頭を優しく撫でると瑞貴がかすかに微笑んだので、それを見たトリコもまた微笑んで部屋から出て行くのだった。
☆☆☆☆☆
……グルメ界のある樹のような雲・雲樹の中にIGO第0ビオトープはある。その施設の廊下を通っているのはトリコや瑞貴たちがよく知るメンバーばかりだ。
「ブッハッハッハッ! いつぶりだろうな、三図の道から離れたのはよ!」
「あちしもグルメ刑務所を留守にするのは久しぶりね!」
「え~っと、あんただ~れ?」
「えっ……」
三途の道でグルメ界の猛獣から人間界を守る、グルメ番長・具衛門。グルメ刑務所の一つハニープリズンの所長・ラブ。
「相変わらずボーっとしてんな、具衛門! サニーの奴を紹介して以来か? ダハハハハッ!」
鉄平の師匠でありルールに囚われない再生屋・与作。
「あ~ら与作じゃない。ねぇ、またゼブラちゃんのこと捕まえて来てくれない?」
「ああ約束してやるぜ~? ただし、会長の依頼だったならばな」
「愛しいゼブラちゃんの出所の条件、甘過ぎだったんじゃないのって、この際会長に文句言ってやるわ!」
「グルメ界かぁ……メルク、お前いつぶりだ?」
「…………」
二代目メルクの師匠であり育ての親である研ぎ師・初代メルク。
「あ? 聞こえねぇよ」
「…………」
「聞こえねぇつってんだろうがよ!」
バンッ!
四人が向かう先にある扉を与作が両手で思いっきり開けると、自分たちの他に何人者の職員が集まっていた。そして長テーブルに巨大な料理が並べてあり、一番奥ですでに食事を始めているのが――IGO会長・一龍だ。
「遅いぞい! 第0ビオトープ職員諸君! やっと来たか! いよいよ戦争が間近じゃ……フンドシ締め直せよ、お前ら!」
いつの間にか肩より下ほど髪が伸びている一龍だが、それは月日だけじゃなくグルメ細胞の活性にもよるものだろう。――来たるべき戦争に備えて。