“国宝級”一振り1億円の技! トリコVS千代婆
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……ロストフォレストの木々が一斉に枯れるという衝撃は、雲隠れ割烹にまで届いている。料理長の千流は胸騒ぎを感じて食林寺へ真っ直ぐ向かっていた。
「ロストフォレストがこんなことになるなんて……食林寺は大丈夫なのか!? トリコさん……小松さん……瑞貴さん……珍師範……どうか、ご無事で! ――っ!」
途中で足を止めた千流は、空が今まで見たことのない恐ろしい暗雲が漂っていることに気づいた。
それは千代たちが来たときとは比べ物にならず、ときどき赤い光を放っており、まるでこの世の終わりの前触れかとも思わせるほどだった。
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……珍師範までもが倒されたのでは、ここに他の師範代がいたらさらに最悪の結果が待っていたことはシュウにも容易に想像できる。
瑞貴がそれを防ぐために門下生と共に避難させたのであれば、今度は自分自身が出る番だと構える。こんなにも食義の才能がある三人をここで死なせるわけにはいかないと思ったのだ。
「トリコさん、小松さん、玄武さん――あなたは瑞貴さんなんですよね……。ここは、僕が時間を稼ぎます!」
「悪いが師範代、あんたじゃ1秒も保(モ)たねぇだろ。実力的にはセツ婆クラスか……」
「節乃……彼女ともいずれやることになるかねぇ、ヒッヒヒッ。見せてやるよ……ひと振り1億円・国宝級と言われた私の包丁の腕を」
「外道の包丁捌きなんて、もはや1円の価値もねぇよ」
歪んだ表情をする千代が前で組んでいた両手が離れると同時に、袖に隠れていた二本の包丁が現れた。しかしトリコはそれを前にしても怯まず、むしろ堂々と相手する気でいた。
「玄武、小松と師範代を頼んだぞ」
〈言われる間でもないのだ。ワッパたちは自分に任せて、お前はその頭が狂った婆さんの相手に集中するのだ〉
トリコに頼まれた玄武は二人に守護結界をかけているとはいえ、念のために自分たち全体を包むほどの守護結界をドーム状に張った。もちろん食林寺の結界はまだ変わらず発動している。
千代の二本の包丁、トリコの両手のナイフ……その緊張感はただならぬもので、よほどの強者でない限り間に入ることはできない。先に動いたのは――千代だ。
キンッ!
「ふんっ!」
「っ! ふんんっ!」
キンッ! キンキンッ! カキンッ!
一瞬包丁を合わせた千代は風に乗ってトリコに攻撃をする。そのときトリコは自分の体が骨だけになる未来を垣間見え、右手を微かに動かしたあと左腕を思いっきり振ってフォークシールドを張って攻撃を防いだ。