迫る脅威! いそげ、トリコ! シャボンフルーツへの道!
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……暗雲と共に何かがやって来ると、それに合わせてロストフォレストの草木もどんどん枯れていく。まるで恐ろしさのあまり生気を抜かれたような感じだと、シュウはコッポウを始め集めた他の師範代に言う。
「ロストフェレストが凄まじい勢いで枯れています。何か、とてつもなく恐ろしいモノによる仕業かと……」
「ウム。えらいことになりそうじゃのう……」
「師範は今バブルウェイ……なら我々が、対処するまで!」
「――その必要はありません」
「「「「「!?」」」」」
……師範代の一人・ワゴンが拳を握りながらそう言うと、凛としつつも否定の声が上がった。声の方向に全員振り向くと、こちらに向かって歩いて来る女性はシュウがよく知る人物である。
「瑞貴さん!?」
「師範代のみなさんも門下生の元へ避難してください。万が一のこともありますし、犯罪者とはいえ見捨てるわけにはいきません」
私がそう言うと、眼鏡をかけて三つ編みしている老人は私が何者なのかと私をこの場で唯一知るシュウさんに尋ねる。
「シュウよ、こ奴は?」
「先日入門して私が手ほどきした方です、コッポウさん。食義は習得していますがまだバブルウェイの試練は乗り越えていません……」
「ならあなたはまだ未熟者の門下生……我ら師範代相手には分をわきまえなさい」
「……分をわきまえるのは、どちらでしょうか?」
「「「「「!?」」」」」
師範代・ワゴンさんが厳しい声で言うも、私は懐に入れていたモノを取り出して師範代のみんなに見せた。それは珍師範から預かった食林寺の師範の証という木簡だ。まさかそれを私が持っていると思わずコッポウさんが目を見開く。
「何故、それを!?」
「珍師範から預かりました。よって珍師範が留守の今、この食林寺の師範は私です。――今すぐ、全員速やかに避難を!」
今度は強い口調でそう言えば師範代のみんなは戸惑いを見せていた。「あの珍師範から木簡を盗むなど到底できない」、「本当に預からせたのか?」、「信用しにくいな」という声があちこちで上がっている。こうしている今にも敵は迫っているから1分1秒だって惜しいっていうのに……!
「僕に提案があります」
「シュウさん……?」
歯がゆくなっていたらシュウさんが手を軽く上げてそう言った。そのおかげで他の師範代も会話を彼に注目する。
「瑞貴さんの食義の習得スピードは並のモノではありません。それは付きっきりで指導した僕が保証しましょう。でもそれだけじゃ信用できないのなら……――僕が見張りとして着きます!」
「「「「「!」」」」
シュウさんがそう言うと他のみんなが目を見開いて、少し悩むそぶりを見せた。だけどそれは私のときと違ってシュウさんを信用しているからこそ悩んでいるのだろう。
師範代たちの許可をもらったら、あとはその日に備えて準備するのみ! ひとまず小松さんに離れに行くよう言っておかなきゃ!
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……歩けば歩くほど泡しか見つからないバブルウェイ――その道をトリコと珍師範は何日もひたすら歩き続けていた。もちろん、食事も水も取らずに。
「い…いったいいつになったら着くんだ……?」
「まっ、その内着くじゃろ」
「その内って……かれこれ一週間は歩いただろ……」
「ホォ。お主にとってはそれぐらい経ったのか」
「水も食料もねぇ……体力が限界だ……」
平気そうに歩く珍師範に対し、トリコはもうフラフラで何も口にしていないせいか初老に見えるくらい痩せ細っていた。しかし珍師範が歩くスピードを緩めないので、たまに立ち止まりつつも見失わないように歩く。