感謝あるのみ! 食義の極意‼
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私たちは同時にフグ鯨に刃を入れた。当然二人共違う場所からなのに、それぞれの相棒の包丁を次々とフグ鯨に迷いもなく切ることができている。
「小松、瑞貴、お前ら……!」
「わかる……わかるんです……!」
「捌く順序が直観的にわかるの……!」
トリコと話している間も捌いていたので最後は同時に毒袋を抜いた。あのときは何匹も失敗してあんなに時間がかかったのに……!
「おおっ! フグ鯨を一瞬で……!」
「信じられない……!」
「自分でも驚きです……!」
「修業で増した食材への集中力が、豊富な調理経験や知識と相まってどう捌けばいいのか、おいしく食べる方法を直観的に感じ取るようになったんです」
「直観的に…ですか……」
「ただちょっとフグ鯨を見ただけなのに……」
「ちょ、ちょっと待て! 見ろよ!」
「「えっ?」」
私たちがシュウさんと話している間、トリコが驚きの声を上げたのでまな板の上のフグ鯨を見ると……まだ真っ白なままだった!
「金色になってない!」
「私たち二人共、毒袋を抜いたのにどうして!?」
「フグ鯨自身が捌かれ、毒袋を抜かれたことに、まだ気づいていないのです」
「「ええっ!?」」
確かにノッキングは殺すんじゃなくて麻痺させて動けなくする奴だから、このフグ鯨は調理する前は生きていると言っても過言じゃない。だけど毒袋が抜かれたことにも気づいていないなんて……洞窟の砂浜は毒袋を抜いた途端に金色になったのに!
「包丁捌きが繊細でスピーディーだったためです。これがムダな動きを削ぎ落とした、小松さんと瑞貴さん本来の技術!」
「ぼ、僕の……?」
「私が料理にまでこんなに……?」
「食義の達人ともなると、泳いでいるフグ鯨からノッキングナシで毒袋を抜いたり……また、ある達人が捌いた巨大魚は、捌かれたことに気づかずに何年も泳ぎ続けた……そんな記録もあります」
「達人が一度ぶつ切りにした大根を、引っ付けると元に戻ったって話なら聞いたことあります……。大根の繊維が切られたことに気づかなかったからって……それを魚で? 何年も生き続けさせるなんて……」
「ぼ、僕にも……僕らにも、いつかそんなことが!?」
「はい! きっとできますよ!」
笑顔で力強く言ったシュウさんの言葉は嘘偽りも感じない。きっと私たちが本当にできるって思ってくれているんだ。
「よーし、小松! 瑞貴! さらに修業して食義を極めるぜ!」
「はいー! トリコさん!」
「みんなでがんばろうね!」
明日から……ううん、今から別の修業が出てももっとがんばれる! それは手応えを感じたからだけじゃなくて、トリコと小松さんという最高の仲間と一緒に修業しているからだね!
だけど感じている胸騒ぎも確実に近づいて来る……。きっとそれは珍師範も気づいているんだろう……。
☆☆☆☆☆
……ここは食林寺に数あるとある道場の一室で、そこに珍師範が食禅をしていた。
「三人の修業も順調と言えるな。これがわしの人間界最後の仕事になるじゃろう……」
珍師範の周りには大量のたいまつくしがある。独り言のようで決意を表すように声に出して言っているのに、たいまつくしは一本も炎が消えることはなかった。
「胃袋を満タンにしておかねばのう……」
珍師範と瑞貴が感じた不安を表すように、遠くから暗雲が立ちこめて来るのだった……。
「小松、瑞貴、お前ら……!」
「わかる……わかるんです……!」
「捌く順序が直観的にわかるの……!」
トリコと話している間も捌いていたので最後は同時に毒袋を抜いた。あのときは何匹も失敗してあんなに時間がかかったのに……!
「おおっ! フグ鯨を一瞬で……!」
「信じられない……!」
「自分でも驚きです……!」
「修業で増した食材への集中力が、豊富な調理経験や知識と相まってどう捌けばいいのか、おいしく食べる方法を直観的に感じ取るようになったんです」
「直観的に…ですか……」
「ただちょっとフグ鯨を見ただけなのに……」
「ちょ、ちょっと待て! 見ろよ!」
「「えっ?」」
私たちがシュウさんと話している間、トリコが驚きの声を上げたのでまな板の上のフグ鯨を見ると……まだ真っ白なままだった!
「金色になってない!」
「私たち二人共、毒袋を抜いたのにどうして!?」
「フグ鯨自身が捌かれ、毒袋を抜かれたことに、まだ気づいていないのです」
「「ええっ!?」」
確かにノッキングは殺すんじゃなくて麻痺させて動けなくする奴だから、このフグ鯨は調理する前は生きていると言っても過言じゃない。だけど毒袋が抜かれたことにも気づいていないなんて……洞窟の砂浜は毒袋を抜いた途端に金色になったのに!
「包丁捌きが繊細でスピーディーだったためです。これがムダな動きを削ぎ落とした、小松さんと瑞貴さん本来の技術!」
「ぼ、僕の……?」
「私が料理にまでこんなに……?」
「食義の達人ともなると、泳いでいるフグ鯨からノッキングナシで毒袋を抜いたり……また、ある達人が捌いた巨大魚は、捌かれたことに気づかずに何年も泳ぎ続けた……そんな記録もあります」
「達人が一度ぶつ切りにした大根を、引っ付けると元に戻ったって話なら聞いたことあります……。大根の繊維が切られたことに気づかなかったからって……それを魚で? 何年も生き続けさせるなんて……」
「ぼ、僕にも……僕らにも、いつかそんなことが!?」
「はい! きっとできますよ!」
笑顔で力強く言ったシュウさんの言葉は嘘偽りも感じない。きっと私たちが本当にできるって思ってくれているんだ。
「よーし、小松! 瑞貴! さらに修業して食義を極めるぜ!」
「はいー! トリコさん!」
「みんなでがんばろうね!」
明日から……ううん、今から別の修業が出てももっとがんばれる! それは手応えを感じたからだけじゃなくて、トリコと小松さんという最高の仲間と一緒に修業しているからだね!
だけど感じている胸騒ぎも確実に近づいて来る……。きっとそれは珍師範も気づいているんだろう……。
☆☆☆☆☆
……ここは食林寺に数あるとある道場の一室で、そこに珍師範が食禅をしていた。
「三人の修業も順調と言えるな。これがわしの人間界最後の仕事になるじゃろう……」
珍師範の周りには大量のたいまつくしがある。独り言のようで決意を表すように声に出して言っているのに、たいまつくしは一本も炎が消えることはなかった。
「胃袋を満タンにしておかねばのう……」
珍師範と瑞貴が感じた不安を表すように、遠くから暗雲が立ちこめて来るのだった……。