感謝あるのみ! 食義の極意‼
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ヒュオッ……ザンッ!!
「「「あっ/えっ?」」」
ガラガラガラ……ズッシャ――ンッ!!
「「えー!?」」
「えっ!? なんだ、今の!?」
トリコの右手からナイフが飛び出て、それは地面を走ると壁を壊した挙げ句、奥の五重の塔みたいな建物に真っ二つに線を入れて壊した! 何あの威力!? レッグナイフならまだわからなくもないのに!? ていうかやった本人が右手を見ながら一番驚いてる!?
「食への感謝を繰り返すことで、対象物への集中力が増しているのです」
「へっ!?」
「集中力の向上は、動作の素早さと正確性を生みます。つまり――ムダな動きは削られて、最低限の力とフォームで技が出せるようになっているのです」
「確かに……ただ蝶を追い払おうとしただけなのに、あの威力……!」
「感謝の念と共に放てば、もっと威力はあったでしょう」
「「「えっ!?」」」
たぶんトリコにとっては普通のナイフぐらいでこれだけでも充分スゴいのに、感謝の念も込めればもっとスゴくなるってこと!?
「力任せは正しいフォームにしかず……感謝の念を抱きながら効率的な動きをすれば、より効果的にエネルギーを使えます。トリコさん……それが、あなたの技の本来の力なのです」
「これが……食義!」
「瑞貴さんも試しに何か使ってみてください」
「あっ、はい!」
さすがに爆炎乱舞や疾風乱舞は使えないし、トリコが無意識とはいえナイフを使ったんなら、私も簡単なのがいいよね。まずは腕を伸ばして手の平を上に向けて……。
「灯火(トウカ)!!」
ボオオォォオオオオ!!
…………。
「「「ええぇぇえええ!?」」」
普通はたいまつくし並の小さな火しか出せない技なのに、なんか大きい上に火柱ができたんですけど!?
「瑞貴さん! それって洞窟の砂浜で使った灯り代わりの技ですよね!?」
「灯火(トウカ)とか言いながら、実は爆炎乱舞を使ったんじゃないだろうな!?」
「わわわわ、私にもわからないよ!」
まさか灯火(トウカ)も本当は爆炎乱舞ほど威力があったとか!? これじゃあ火起こしとか灯りに使えないよ! いや待てよ……さっきは考えナシでやったからこうなったのかも。小さな火を出せるように念じれば……!
「灯火(トウカ)!!」
ボッ!
「よかった……普通に出せた……」
(さっき修業の途中成果であの大きな炎を出したのに、もう小さな火になった……これは瑞貴さんが集中力を欠いているんじゃない。すぐに大きさも威力もコントロールできるようになったんだ)
……シュウはその様子を見ながら瑞貴の成長に人知れずに驚き、次いで全員に向けて告げる。
「まだ食義の入口ですよ」
「「!」」
「その内、瞬きや呼吸をする感覚でより爆発力のある技を出せるようになります」
「ホントかよ!?」
「それには、もっと修業が必要です。まだ蝶も追い払えていないのですから……というか、今度は感謝の念でお願いしますよ?」
「ああ! 修業は地味だが効果は絶大だったぜ!」
「これが食義の力ってわけだね!」
「はいー! もうスゴ過ぎですよ!」
確かに成果はあるとわかって、トリコはさっきの苛立ちが嘘のようになくなってやる気満々だ。もちろん私も!
「小松さん、あなたもです」
「えっ?」
「ついでに瑞貴さんも、料理人としての修業の成果を発揮してもらいましょう」
「えっ?」
シュウさんが私たちを呼んだので、私と小松さんはシュウさんを見たあとお互いの顔を見合わせて首を傾げた。
☆☆☆☆☆
庭の東屋の厨房に移動されると、シュウさんは私たち二人分のまな板の上にある食材を置いた。それは――。
「「フグ鯨?!」」
「ノッキングは済ませてあります。捌いたことはありますよね?」
「え、ええ。一応私たち二人共あります……」
「けど、フグ鯨は特殊調理食材で毒袋の位置がそれぞれ違います。捌き方が個体によって違うので……」
ココさんがいなかったら私たちは捕獲したフグ鯨を全部毒化させてしまっただろう。シュウさんの様子だと指示を出してくれるわけでもなさそうだし……。
「小松さん、瑞貴さん、捌いてみてください」
「えっ、でも……」
「あのとき私たちはココさんに教わって……」
「いいから」
「「…………?」」
有無を言わせないシュウさんに私たちはもう一度顔を見合わせた。まずは観察でもしてみようかな……――って、あれ? この感覚は何?