感謝あるのみ! 食義の極意‼
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「師範代としたエナメルキャベツの千切り勝負、『僕が敵(カタキ)を討ってやる!』って本気で思いました。……まあ、ボロ負けしちゃいましたけど」
「小松……」
「トリコさん。瑞貴さんとも一緒に食義を覚えて今度こそ倒しましょう、師範代を! そして、シャボンフルーツを捕獲しましょう!」
「ああ、そうだな!」
二人はお互いの顔を見合わせ、今後の目標を立てると笑い合う。さっきまで落ち込んでいたのに、トリコはもう前向きに食義の修業をすることにした。小松のためにも……瑞貴のためにも……そして自分のためにも。
(ありがとよ、小松! シャボンフルーツ……絶対に捕ってやるぜ!)
投げ出したいと思っていた修業を、小松と瑞貴と一緒なら最後までやり遂げられるかもしれない……トリコはそう思った。
「あっ、でも……僕は瑞貴さんと歩幅を合わせられているんでしょうか?」
「……それを言うなら俺もだ。あいつはどこか俺たちより一歩先を進んでいる気がする。『早く食義を習得したい』という思いが俺たちよりも強くあるのか、瑞貴自身の才能なのか……それに、修業の合間になると何故かいつも空を見ているんだよな」
「ええ。どうしたんでしょうか?」
空を見るたびに瑞貴の表情が硬くなるのを二人はたまたま見つけたのだが、雑念も食義には邪魔な存在だと教えられているのに瑞貴がそれを実行しているから珍しいと思った。
「なんにせよ。惚れた女に先を進まれっぱなしじゃ、カッコつかないよな」
「そうですね! 負けてられません!」
好きな女の前ではカッコつけたいのは男の性(サガ)なのか、二人は意気投合して拳を握った。
「あっ、そういえばトリコさんは知ってましたか?」
「あん? 何がだよ」
「ココさんとサニーさんとゼブラさん、もう瑞貴さんに告白しちゃったんですよ!」
「何ぃ――っ!?」
いきなり話を変えて来たときはなんなんだと思ったが、小松の報告で一気に思考が吹っ飛ぶくらい衝撃を受けたトリコ。次いで小松の両肩をガシッとつかむ。
「マ、マジなのかそれ!?」
「マジです! マダムフィッシュの捕獲前にゼブラさんは僕がいる前で告白しましたし、ココさんに対しては何かあったに違いないとリンさんが言ってました。きっとこれもそうです。サニーさんなんて少し前にホテルグルメに来てもらったとき、『俺(レ)はもう瑞貴に言ったかんな。もう遠慮しないし』って言ってました」
「最後はサニーの真似かよ……。でもそうか、あいつらはもう一歩前に出たんだな……」
「はい……。僕たちはずっと瑞貴さんと一緒にいましたし、いつでも言う機会があったはずなんですけどね……」
想いを抱えたままでいるのはもどかしいこともあったが、今の関係が心地いのも確かだった。三人でいるのが楽しくて、でもそれを壊すのが怖くて……トリコと小松は瑞貴と一緒にいても『一歩』を踏み出せずにいたのだ。
「トリコさん、僕……」
「ん?」
「僕、食義をちゃんと習得して師範から合格をもらったら――瑞貴さんに告白をしようと思います!」
小松はトリコの目を真っ直ぐ見てそう言った。他のみんなの流れとか焦っているとかそういうわけでもなく、単に小松自身が決心して覚悟したことなのだろう。
自分より小さい体なのに、その意思は何倍にも大きく見えるのは気のせいじゃない。小松はトリコと瑞貴と旅をすることで心も成長しているのだから。
「好きにしろ。俺は俺の言うタイミングがあるからな。お前より先になっても後になって文句言うんじゃねぇぞ?」
「もちろんです! あと、誰が瑞貴さんに選ばれても恨みっこなしですからね!」
「そりゃムリだな」
「えっ!?」
「ンな簡単にあきらめられねぇよ。奪われたら奪い返すまでだ」
「潔さはないんですか!?」
「グズグズしてっと、今度はマッチや滝丸や鉄平……ヘタすりゃスタージュンまでが来るぞ」
「あーそうだった!」
「あと、愛丸(アイ)もなんとなく瑞貴を気に入ってる節があるんだよな……」
「愛丸さんまで!? どんだけ罪作りなんですか瑞貴さんはー!」
この二人の会話は当の本人である瑞貴には聞こえなかったものの、本人は盛大にクシャミをしていたとか。
☆☆☆☆☆
あれから三日。私たちは日課の食禅としてたいまつくしの前で感謝の念を込め続ける。そしてシュウさんが30分経ったことを教えてくれると同時に炎が消えた。
「「「プハァ……!」」」
「炎を消さずに30分……クリアできましたね」
「とうとうやったー!」
「一度も消さずにやれたね、小松さん! トリコ!」
「ハァ…ハァ…ああ……!」
気を張り詰めているから終わったら息を大きく吐き出してしまう。だけどそれ以前に30分をクリアできて嬉しい!
(たいまつくしの炎を30分保(モ)たせるまでには、通常一ヶ月はかかる。それを三日で……素晴らしい!)
……シュウだって師範代としてこれまで幾人の門下生を見てきた。しかしトリコと小松と瑞貴は驚異のスピードで成長しているとも感じる。
「感謝をし続けることがここまで疲れるモンだとはな」
「結構、体力がいりますね」
「修業意外に体力作りの特訓でもやったほうがいいかな?」
「「いやいや、どんだけ修業する気なんだ/ですか!」」
「その内、自然にできるようになりますよ。――では、明日から食禅の時間を1時間に増やしますね」
「「「えっ」」」
「その次は、たいまつくしの数を増やしていきます。ちなみにたいまつくしは本数が多いほど、その分雑念を察知しますので」
「「「え――っ!?」」」
……トリコと小松は修業の厳しさが倍になったことに、瑞貴は危機が来るのを常に感じようとしているのが邪念に入ったらどうしようと、それぞれ思いながら叫ぶのだった。
「小松……」
「トリコさん。瑞貴さんとも一緒に食義を覚えて今度こそ倒しましょう、師範代を! そして、シャボンフルーツを捕獲しましょう!」
「ああ、そうだな!」
二人はお互いの顔を見合わせ、今後の目標を立てると笑い合う。さっきまで落ち込んでいたのに、トリコはもう前向きに食義の修業をすることにした。小松のためにも……瑞貴のためにも……そして自分のためにも。
(ありがとよ、小松! シャボンフルーツ……絶対に捕ってやるぜ!)
投げ出したいと思っていた修業を、小松と瑞貴と一緒なら最後までやり遂げられるかもしれない……トリコはそう思った。
「あっ、でも……僕は瑞貴さんと歩幅を合わせられているんでしょうか?」
「……それを言うなら俺もだ。あいつはどこか俺たちより一歩先を進んでいる気がする。『早く食義を習得したい』という思いが俺たちよりも強くあるのか、瑞貴自身の才能なのか……それに、修業の合間になると何故かいつも空を見ているんだよな」
「ええ。どうしたんでしょうか?」
空を見るたびに瑞貴の表情が硬くなるのを二人はたまたま見つけたのだが、雑念も食義には邪魔な存在だと教えられているのに瑞貴がそれを実行しているから珍しいと思った。
「なんにせよ。惚れた女に先を進まれっぱなしじゃ、カッコつかないよな」
「そうですね! 負けてられません!」
好きな女の前ではカッコつけたいのは男の性(サガ)なのか、二人は意気投合して拳を握った。
「あっ、そういえばトリコさんは知ってましたか?」
「あん? 何がだよ」
「ココさんとサニーさんとゼブラさん、もう瑞貴さんに告白しちゃったんですよ!」
「何ぃ――っ!?」
いきなり話を変えて来たときはなんなんだと思ったが、小松の報告で一気に思考が吹っ飛ぶくらい衝撃を受けたトリコ。次いで小松の両肩をガシッとつかむ。
「マ、マジなのかそれ!?」
「マジです! マダムフィッシュの捕獲前にゼブラさんは僕がいる前で告白しましたし、ココさんに対しては何かあったに違いないとリンさんが言ってました。きっとこれもそうです。サニーさんなんて少し前にホテルグルメに来てもらったとき、『俺(レ)はもう瑞貴に言ったかんな。もう遠慮しないし』って言ってました」
「最後はサニーの真似かよ……。でもそうか、あいつらはもう一歩前に出たんだな……」
「はい……。僕たちはずっと瑞貴さんと一緒にいましたし、いつでも言う機会があったはずなんですけどね……」
想いを抱えたままでいるのはもどかしいこともあったが、今の関係が心地いのも確かだった。三人でいるのが楽しくて、でもそれを壊すのが怖くて……トリコと小松は瑞貴と一緒にいても『一歩』を踏み出せずにいたのだ。
「トリコさん、僕……」
「ん?」
「僕、食義をちゃんと習得して師範から合格をもらったら――瑞貴さんに告白をしようと思います!」
小松はトリコの目を真っ直ぐ見てそう言った。他のみんなの流れとか焦っているとかそういうわけでもなく、単に小松自身が決心して覚悟したことなのだろう。
自分より小さい体なのに、その意思は何倍にも大きく見えるのは気のせいじゃない。小松はトリコと瑞貴と旅をすることで心も成長しているのだから。
「好きにしろ。俺は俺の言うタイミングがあるからな。お前より先になっても後になって文句言うんじゃねぇぞ?」
「もちろんです! あと、誰が瑞貴さんに選ばれても恨みっこなしですからね!」
「そりゃムリだな」
「えっ!?」
「ンな簡単にあきらめられねぇよ。奪われたら奪い返すまでだ」
「潔さはないんですか!?」
「グズグズしてっと、今度はマッチや滝丸や鉄平……ヘタすりゃスタージュンまでが来るぞ」
「あーそうだった!」
「あと、愛丸(アイ)もなんとなく瑞貴を気に入ってる節があるんだよな……」
「愛丸さんまで!? どんだけ罪作りなんですか瑞貴さんはー!」
この二人の会話は当の本人である瑞貴には聞こえなかったものの、本人は盛大にクシャミをしていたとか。
☆☆☆☆☆
あれから三日。私たちは日課の食禅としてたいまつくしの前で感謝の念を込め続ける。そしてシュウさんが30分経ったことを教えてくれると同時に炎が消えた。
「「「プハァ……!」」」
「炎を消さずに30分……クリアできましたね」
「とうとうやったー!」
「一度も消さずにやれたね、小松さん! トリコ!」
「ハァ…ハァ…ああ……!」
気を張り詰めているから終わったら息を大きく吐き出してしまう。だけどそれ以前に30分をクリアできて嬉しい!
(たいまつくしの炎を30分保(モ)たせるまでには、通常一ヶ月はかかる。それを三日で……素晴らしい!)
……シュウだって師範代としてこれまで幾人の門下生を見てきた。しかしトリコと小松と瑞貴は驚異のスピードで成長しているとも感じる。
「感謝をし続けることがここまで疲れるモンだとはな」
「結構、体力がいりますね」
「修業意外に体力作りの特訓でもやったほうがいいかな?」
「「いやいや、どんだけ修業する気なんだ/ですか!」」
「その内、自然にできるようになりますよ。――では、明日から食禅の時間を1時間に増やしますね」
「「「えっ」」」
「その次は、たいまつくしの数を増やしていきます。ちなみにたいまつくしは本数が多いほど、その分雑念を察知しますので」
「「「え――っ!?」」」
……トリコと小松は修業の厳しさが倍になったことに、瑞貴は危機が来るのを常に感じようとしているのが邪念に入ったらどうしようと、それぞれ思いながら叫ぶのだった。