感謝あるのみ! 食義の極意‼
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
――厨房へ移動するとシュウさんが私たち三人用のカラッポのお椀と箸をおぼんに持って来てくれて、さらに『米』と書かれた壺を示す。
「あの壺にお米が入っています。お好きなだけこのお椀に取ってください。炊き上げますから」
「うおおっ! いいの!? そのお椀じゃ入りきらないかも!」
「ただし、取る道具は……おぼんに乗っているこの箸を使っていただきます」
「「「えっ?」」」
「それは『TIG』と呼ばれる卵入りご飯。米ひと粒ひと粒に小さな卵が入っていて、炊くとホカホカの茹で卵メシができるんです」
これは私も初めて聞く食材だね。茹で卵メシってどんな味がするんだろう? 二人も初めてなのか小松さんは顔を輝かせ、トリコなんて舌まで出している。
「お~! うまそ~!」
「ただ炊く前は、生卵のように壊れやすいので、箸でひと粒ずつ優しく取らなければなりません」
「えっ!? 昨日の5メートルの箸で食う豆といい、なんてもどかしい食事なんだ!」
「きっとこれも修業なんですね……」
「今回は普通の箸だし、まだ豆と同じ5メートルの箸で取れと言うよりマシだと思うけど……」
トリコがさっそくゆっくりとTIGのひと粒を箸で取り、次に自分のお椀に入れるため慎重に運んで行くと……。
パキッ。
「あっ、あっ! ヤベッ! 割れた!」
パキパキパキ――……!
「えっ!? あっ! どんどん割れてるんですけど!?」
「何この連鎖反応!? トリコが割ったのって箸で取ったひと粒だけだよね!?」
「割れて中身が零れると、ただの米の粉になります。ちなみにひと粒割れるとその破片で、周りの米も割れるので気をつけて」
「それを先に言えよ――っ!!」
今回はトリコの叫びにごもっとも……と言いたいけど、果たして言われても無事に取れただろうか? 私も自信がないんだけど……。
☆☆☆☆☆
朝食が済んで次の修業のために外へ出ると、壁と門で囲まれた場所にいる。ここは外の修業用ってことかな?
「さてと、腹ごしらえも済んだことでしょう。次の修業に移ります」
「いやいやいやいや……ほとんど食えなかったつーの……」
「ん?」
「小松さん?」
小松さんが不思議そうな声を上げたのでつられて私も同じ方向を見ると、壁に不自然な並びの穴が開いていた。穴自体の大きさは小さいけど量が多いし、よく見たら穴が線になって間は合掌している人の形に見える気が……。
「小松さん」
「あっ、はい!」
「食義の基本の構えは何か、おわかりになりますか?」
「合掌と一礼……ですか?」
「はい、その通りです。この修業では合掌と一礼の正しい所作、フォームを覚えてもらいます」
「合掌とお辞儀ならいつもやってます。ねっ、トリコさん! 瑞貴さん!」
「まあな。俺の食事はそれで始まるからな」
「二人共、学習しようよ……。食義は基本から私たちが思っているのと違うのが多いんだから」
「大丈夫だって!」
どこにそんな自信があるの……その内痛い目にあっても知らないよ。
「この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます!」
ヒュンッ……! トスッ!
目を閉じて両手を合わせて挨拶したトリコの鼻の頭に鋭い何かが通った。幸いかすった程度だから血が出てないみたいだけど、発射された方向を見れば、ここに来るとき目に入ったマリモが連なったようなサボテンがある。
「何っ!? サボテン……!?」
「感謝ボテンです」
「えっ!?」
「もしかして、間違えるとさっきみたいに針が飛んで来るとか……?」
「はい。くれぐれも正しいフォームを崩さないでくださいね。――大怪我しますから」
私がまさかと思って質問したことが当たってしまった。針は壁に突き刺さるから、さっきの穴は全て感謝ボテンによるものだとわかった。
ヒュンッ!
「「わあっ/わみゃ!?」」
「早く合掌・一礼を!」
「「いただきます!」」
ヒュンッ! ヒュンッ! ヒュンッ!
私と小松さんも続けて目を閉じて合掌・一礼をするんだけど……。
「わみゃみゃ!?」
「わあっ!」
「合掌・一礼してるのに!?」
「だから、正しいフォームじゃないと。瑞貴さんもよけないで真面目に!」
「はい!」
容赦なく感謝ボテンの針が飛んで来た。私はどうしても第六感が反応して体がよけてしまうから、フォームが崩れてしまう。でもこれも修業だとシュウさんに注意されたので、がんばって動かずに合掌・一礼をしなきゃ!
――シュウさんから終了の合図が出ると感謝ボテンの針も止まり、壁には針が合掌・一礼をした私たちの形をしており、私たち自身は道着や顔に貼りが掠ったあとが残ってしまった。
「ハハッ……。大怪我っていうか、地味にイテェ……」
「いや、僕は充分に命に直結してます……」
「私は別の意味で修業になったよ……」
私が二人より傷が少ないのは、掠り傷も怪我になるから第六感が反応してよけるは美食屋として日常なので、ついつい体が勝手に反応しちゃう。わかっててもよけないでいるなんて難しいんだね……。
「あの壺にお米が入っています。お好きなだけこのお椀に取ってください。炊き上げますから」
「うおおっ! いいの!? そのお椀じゃ入りきらないかも!」
「ただし、取る道具は……おぼんに乗っているこの箸を使っていただきます」
「「「えっ?」」」
「それは『TIG』と呼ばれる卵入りご飯。米ひと粒ひと粒に小さな卵が入っていて、炊くとホカホカの茹で卵メシができるんです」
これは私も初めて聞く食材だね。茹で卵メシってどんな味がするんだろう? 二人も初めてなのか小松さんは顔を輝かせ、トリコなんて舌まで出している。
「お~! うまそ~!」
「ただ炊く前は、生卵のように壊れやすいので、箸でひと粒ずつ優しく取らなければなりません」
「えっ!? 昨日の5メートルの箸で食う豆といい、なんてもどかしい食事なんだ!」
「きっとこれも修業なんですね……」
「今回は普通の箸だし、まだ豆と同じ5メートルの箸で取れと言うよりマシだと思うけど……」
トリコがさっそくゆっくりとTIGのひと粒を箸で取り、次に自分のお椀に入れるため慎重に運んで行くと……。
パキッ。
「あっ、あっ! ヤベッ! 割れた!」
パキパキパキ――……!
「えっ!? あっ! どんどん割れてるんですけど!?」
「何この連鎖反応!? トリコが割ったのって箸で取ったひと粒だけだよね!?」
「割れて中身が零れると、ただの米の粉になります。ちなみにひと粒割れるとその破片で、周りの米も割れるので気をつけて」
「それを先に言えよ――っ!!」
今回はトリコの叫びにごもっとも……と言いたいけど、果たして言われても無事に取れただろうか? 私も自信がないんだけど……。
☆☆☆☆☆
朝食が済んで次の修業のために外へ出ると、壁と門で囲まれた場所にいる。ここは外の修業用ってことかな?
「さてと、腹ごしらえも済んだことでしょう。次の修業に移ります」
「いやいやいやいや……ほとんど食えなかったつーの……」
「ん?」
「小松さん?」
小松さんが不思議そうな声を上げたのでつられて私も同じ方向を見ると、壁に不自然な並びの穴が開いていた。穴自体の大きさは小さいけど量が多いし、よく見たら穴が線になって間は合掌している人の形に見える気が……。
「小松さん」
「あっ、はい!」
「食義の基本の構えは何か、おわかりになりますか?」
「合掌と一礼……ですか?」
「はい、その通りです。この修業では合掌と一礼の正しい所作、フォームを覚えてもらいます」
「合掌とお辞儀ならいつもやってます。ねっ、トリコさん! 瑞貴さん!」
「まあな。俺の食事はそれで始まるからな」
「二人共、学習しようよ……。食義は基本から私たちが思っているのと違うのが多いんだから」
「大丈夫だって!」
どこにそんな自信があるの……その内痛い目にあっても知らないよ。
「この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます!」
ヒュンッ……! トスッ!
目を閉じて両手を合わせて挨拶したトリコの鼻の頭に鋭い何かが通った。幸いかすった程度だから血が出てないみたいだけど、発射された方向を見れば、ここに来るとき目に入ったマリモが連なったようなサボテンがある。
「何っ!? サボテン……!?」
「感謝ボテンです」
「えっ!?」
「もしかして、間違えるとさっきみたいに針が飛んで来るとか……?」
「はい。くれぐれも正しいフォームを崩さないでくださいね。――大怪我しますから」
私がまさかと思って質問したことが当たってしまった。針は壁に突き刺さるから、さっきの穴は全て感謝ボテンによるものだとわかった。
ヒュンッ!
「「わあっ/わみゃ!?」」
「早く合掌・一礼を!」
「「いただきます!」」
ヒュンッ! ヒュンッ! ヒュンッ!
私と小松さんも続けて目を閉じて合掌・一礼をするんだけど……。
「わみゃみゃ!?」
「わあっ!」
「合掌・一礼してるのに!?」
「だから、正しいフォームじゃないと。瑞貴さんもよけないで真面目に!」
「はい!」
容赦なく感謝ボテンの針が飛んで来た。私はどうしても第六感が反応して体がよけてしまうから、フォームが崩れてしまう。でもこれも修業だとシュウさんに注意されたので、がんばって動かずに合掌・一礼をしなきゃ!
――シュウさんから終了の合図が出ると感謝ボテンの針も止まり、壁には針が合掌・一礼をした私たちの形をしており、私たち自身は道着や顔に貼りが掠ったあとが残ってしまった。
「ハハッ……。大怪我っていうか、地味にイテェ……」
「いや、僕は充分に命に直結してます……」
「私は別の意味で修業になったよ……」
私が二人より傷が少ないのは、掠り傷も怪我になるから第六感が反応してよけるは美食屋として日常なので、ついつい体が勝手に反応しちゃう。わかっててもよけないでいるなんて難しいんだね……。