秘境の巨獣! トリコ、ガララワニを捕獲せよ!
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それからしばらく雑談しながら船を進ませていると、たくさんの岩礁が目立って来た。
「見えてきたぜ……バロン諸島!」
岩礁の中心にあるバロン諸島……その恐ろしさを表すかのように空は暗雲が漂っている。トリコは落ち着いて両腕を組んでいるのに対し、小松さんはさっきからガクガクと震えていた。
岩礁の隙間を進んでいくと、その上にはたくさんのフライデーモンキーがいた。
「アワワワ……。なんですか、あれ……?」
「フライデーモンキー。警戒心が強くて臆病な奴らだ。襲ってきやしねぇよ」
「……なんでこんな所に」
「お前も気づいたのか」
「えっ、あっ、はい」
私は小さく呟いたけど、トリコには聞こえたようだ。独り言だったから驚いたよ。
「さっ、到着だ」
「バロン諸島唯一の入口。マングローブのトンネル。通称『鬼の口』だ」
大きなマングローブが並んで中心部だけ船でも通れる道になっている。バロン諸島に入れる入口と同時に地獄への入口でもある。
「トムさん、ボートを出してください」
「えっ?」
「嫌な気配がします……」
「へぇ。伊達に美食屋やってるわけじゃねぇな。確かに匂うぜ――トラブルの匂いが」
トムさんにゴムボートを出してもらい、私とトリコと小松さんはそれに乗って進んで行く。オールを漕いでいるのはトリコだ。小松さんは水面から出る多くの背びれにビクビクしている。
「さ、鮫……鮫がウヨウヨいます……」
「バロンシャーク。大きさにもよるが捕獲レベル1」
「ええっ!? 捕獲レベル1って、プロのハンター十人でやっと仕留められるレベルですよ!? それがこんなにたくさん……」
〈ギャース! ギャース!〉
「わあっ! なななななんですか!?」
「ただの猛獣の鳴き声ですよ。落ち着いてください」
「このバロン諸島には約五万種の生物が存在する。そしてその王者に君臨するのが――ガララワニだ」
歳と共に獰猛になるガララワニは最長百五十年生きたもので捕獲レベル5、IGO保有の戦車で仕留められるかというレベルなのだ。
「トリコさん、小松さん、せっかくですからこのまま最後まで同行しても構いませんか?」
「ああ、いいぜ。好きにしな」
「でも僕たちが捕獲するの、ガララワニですよ? 大丈夫ですか?」
「はい。むしろ四天王トリコさんのハントに同行できるなんて光栄です」
これが終わったら原作に関わることもないしね。今回だけでも堪能しちゃおう。
「そういえば気になってたんですけど、これは瑞貴さんの武器ですか?」
「ええ、薙刀です。一応ノッキングガンもありますが、包丁と同じくらい大事な相棒です」
「包丁……?」
ガクン!
「うわあ!」
「っと」
前触れもなくボートが砂浜に上がったから、その衝撃で小松さんの体が揺れたので私は支えた。反対にトリコはそのままボートを降りる。
「着いたぞ」
「あっ、はい。瑞貴さん、ありがとうございます」
「どういたしまして。さっ、行きましょう」
私も小松さんも降りて森に入るトリコを追いかけると、小松さんはビクビクしたままだ。
目的のガララワニはまだいないので、悠々とトリコと私は歩くが、小松さんは猟銃を持って縮こまっている。
「アワワワ……人生の選択を間違ったんでしょうか……?」
「思い立ったが吉日、その日以降は全て凶日だぜ」
「おおっ、名言ですね」
トリコの名台詞の一つがまた聞けた!
「思い立ったが凶日…だったんじゃないでしょうか……? にゅにゅっ!?」
「小松さん?」
突然悲鳴を上げた小松さんを見ると、首のうしろにヒルが引っ付いていた。
「なんか引っ付いているー!」
「バロンヒルが血ぃ吸ってるだけだ。気にすんな」
「気にしますよー! わあー!」
「ムリに取ると傷口が開くぜ」
トリコはマングローブに片手を上げて目を閉じ、一つ礼をすると葉を三枚取った。それを手で絞ると出てきた液体がヒルに当たって飛び退いた。
「あれ? なんで?」
「マングローブの葉は海水の塩分を含んでいる。だからヒルは苦手ってわけよ」
「なるほど……」
「ヒルは退いても傷口はそのままですけどね。今手当てします」
私はリュックから救急セットを取り出して消毒したあと絆創膏を貼る。簡単だけど血が垂れないだけマシだと思うし。
「見えてきたぜ……バロン諸島!」
岩礁の中心にあるバロン諸島……その恐ろしさを表すかのように空は暗雲が漂っている。トリコは落ち着いて両腕を組んでいるのに対し、小松さんはさっきからガクガクと震えていた。
岩礁の隙間を進んでいくと、その上にはたくさんのフライデーモンキーがいた。
「アワワワ……。なんですか、あれ……?」
「フライデーモンキー。警戒心が強くて臆病な奴らだ。襲ってきやしねぇよ」
「……なんでこんな所に」
「お前も気づいたのか」
「えっ、あっ、はい」
私は小さく呟いたけど、トリコには聞こえたようだ。独り言だったから驚いたよ。
「さっ、到着だ」
「バロン諸島唯一の入口。マングローブのトンネル。通称『鬼の口』だ」
大きなマングローブが並んで中心部だけ船でも通れる道になっている。バロン諸島に入れる入口と同時に地獄への入口でもある。
「トムさん、ボートを出してください」
「えっ?」
「嫌な気配がします……」
「へぇ。伊達に美食屋やってるわけじゃねぇな。確かに匂うぜ――トラブルの匂いが」
トムさんにゴムボートを出してもらい、私とトリコと小松さんはそれに乗って進んで行く。オールを漕いでいるのはトリコだ。小松さんは水面から出る多くの背びれにビクビクしている。
「さ、鮫……鮫がウヨウヨいます……」
「バロンシャーク。大きさにもよるが捕獲レベル1」
「ええっ!? 捕獲レベル1って、プロのハンター十人でやっと仕留められるレベルですよ!? それがこんなにたくさん……」
〈ギャース! ギャース!〉
「わあっ! なななななんですか!?」
「ただの猛獣の鳴き声ですよ。落ち着いてください」
「このバロン諸島には約五万種の生物が存在する。そしてその王者に君臨するのが――ガララワニだ」
歳と共に獰猛になるガララワニは最長百五十年生きたもので捕獲レベル5、IGO保有の戦車で仕留められるかというレベルなのだ。
「トリコさん、小松さん、せっかくですからこのまま最後まで同行しても構いませんか?」
「ああ、いいぜ。好きにしな」
「でも僕たちが捕獲するの、ガララワニですよ? 大丈夫ですか?」
「はい。むしろ四天王トリコさんのハントに同行できるなんて光栄です」
これが終わったら原作に関わることもないしね。今回だけでも堪能しちゃおう。
「そういえば気になってたんですけど、これは瑞貴さんの武器ですか?」
「ええ、薙刀です。一応ノッキングガンもありますが、包丁と同じくらい大事な相棒です」
「包丁……?」
ガクン!
「うわあ!」
「っと」
前触れもなくボートが砂浜に上がったから、その衝撃で小松さんの体が揺れたので私は支えた。反対にトリコはそのままボートを降りる。
「着いたぞ」
「あっ、はい。瑞貴さん、ありがとうございます」
「どういたしまして。さっ、行きましょう」
私も小松さんも降りて森に入るトリコを追いかけると、小松さんはビクビクしたままだ。
目的のガララワニはまだいないので、悠々とトリコと私は歩くが、小松さんは猟銃を持って縮こまっている。
「アワワワ……人生の選択を間違ったんでしょうか……?」
「思い立ったが吉日、その日以降は全て凶日だぜ」
「おおっ、名言ですね」
トリコの名台詞の一つがまた聞けた!
「思い立ったが凶日…だったんじゃないでしょうか……? にゅにゅっ!?」
「小松さん?」
突然悲鳴を上げた小松さんを見ると、首のうしろにヒルが引っ付いていた。
「なんか引っ付いているー!」
「バロンヒルが血ぃ吸ってるだけだ。気にすんな」
「気にしますよー! わあー!」
「ムリに取ると傷口が開くぜ」
トリコはマングローブに片手を上げて目を閉じ、一つ礼をすると葉を三枚取った。それを手で絞ると出てきた液体がヒルに当たって飛び退いた。
「あれ? なんで?」
「マングローブの葉は海水の塩分を含んでいる。だからヒルは苦手ってわけよ」
「なるほど……」
「ヒルは退いても傷口はそのままですけどね。今手当てします」
私はリュックから救急セットを取り出して消毒したあと絆創膏を貼る。簡単だけど血が垂れないだけマシだと思うし。