トリコ悶絶⁉︎ 世界一臭い食材を捕獲せよ!
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「トリコさん、この臭い……まさか!」
「ああ。こっから100キロ先にドドリアンボムの木があるって話だ」
「100キロ先なのにこの臭さー!? 今までに嗅いだことのない初体験の臭さですよ! 『初臭(ハツクサ)』ですよ! 初臭(ハツクサ)炸裂ですよ!」
「なんだよ、初臭(ハツクサ)って! まあサニーから依頼が入ったとはいえ、瑞貴は来なくて正解だったかもな」
「確かに! 女の子にはキツい仕事です!」
別行動を取ることになったとはいえ、ハント先で何か恵方巻にいい食材が見つかればもらいに行くと約束したものの、この場所に瑞貴を連れて行くのは気が引けた。
ドドリアンボムの臭さはこんなものじゃない。実が熟して地面に落ちたとき、とんでもなく強烈な臭いがするらしく、100キロ圏内の草木は一瞬で枯れたとか、近海の水面に魚が浮かび上がったとか――いろいろな噂があるくらいなのだから。
☆☆☆☆☆
サニーとハントに行ってから翌日の夜、私たちは捕獲したステンドクラブを持ってとある展望レストランにやってきた。無事に捕獲できたし、途中で海やら森やらも通ったから恵方巻の具材になりそうな食材もゲットしたし、とにかく万々歳だよ!
「っ、おいしい!」
「ここは俺(レ)の行きつけだ。瑞貴の口にも合ってホッとしたし」
「へ~。さすがサニー! 美食屋だけじゃなくて美食家と言っても過言じゃないね!」
もともとこのホテルからの依頼だったらしく殻は装飾品に、中の身は調理して私たちにごちそうしてくれるということで、お言葉に甘えているんだ。ドレスコードはある程度必要だったから、私は道中で買ったワンピースに着替えている。もちろん自分のお金で買ったよ! サニーが出そうとしたのを全力で止めたけどね!
「こんなにおいしい蟹料理が食べれて、外は綺麗な夜景が広がってる……サニー風に言えば『調和』ってとこかな?」
「お前(マ)は本当にわかってんのな。トリコの奴だと、すぐに食っちまうから調和の気分にも浸れねーし! 欲を言えばぽんこちの音楽もぜひとも欲しい所だが……まっ、ここのBGMも料理と店の雰囲気が見事に調和されてスバラシ!」
ぽんこちさんを呼ぶって……確か彼の時給は200万もいるんじゃなかったっけ。
デザートも食べて食後のドリンクを飲みながら満足していると、サニーが口を開いた。
「今日は瑞貴にハントの報酬を用意している」
「えっ? こんなにおいしい料理を食べさせてもらってるのに、もう充分だよ。それに道中でも恵方巻の具材集めに協力してもらったんだから」
ウィンナースとかカニカマの花とか、今回の依頼食材とは関係ないのに見つけて私が『合いそう』と思ったら捕りに行かせてもらったもん。おかげでステンドクラブと共に大量だよ。
「正直に言えば、俺(レ)があげたいんだ」
サニーが取り出したのは両手に乗せれるサイズのプレゼントで、私は許可をもらって開けてみると――中には香水瓶が入っていた。そのフタを開けて噴射口を少し嗅いでみれば、スッキリとしてどこか上品な香りがする。
「いい香り……これってお花?」
「ああ。モーニングローズの香水だ。与作から分けてもらったのを香水メーカーに頼んで加工したんだし。ちなみにその瓶のデザインは俺(レ)がやってみた」
「サニーが!? ホントにセンスがあるね!」
派手過ぎず地味過ぎず、だけどモーニングローズもワンポイントとして入っているからとてもオシャレだ。
「……香水の意味知ってっか?」
「アクセサリー類はだいたい知っているけど、香水は知らないね。……なんなの?」
「『あなたと親密になりたい』……または『あなたと一緒にいたい』だ」
「えっ?」
香水瓶から顔を上げると、サニーは今までに見たことがないくらいキリッとしてて、私はその視線から顔を逸らすことができなかった。
「好きだ。瑞貴が同じ気持ちなら俺(レ)とつき合ってほしい」
「っ……!?」
サニーからの告白に私は目を見開いた。ココさんといい…ゼブラといい…なんでスゴい人たちが私に告白して来るの!?
「最初に惹かれたのはお前(マ)の包丁や薙刀の美(ツク)しさだが、俺(レ)はお前の真っ直ぐな心と食に対する真剣さ、その美(ツク)しさに惚れた。今はお互い忙しいから返事は慌てなくていーし。でも、今後は俺(レ)のことをただの『友人』や『仲間』としてだけじゃなく、もう一つ……お前(マ)に好意を持つ一人の男として見てくれ」
「は…い……」
今の私はサニーに対して返せる言葉は、それが精一杯だった。
――その後はどうやってホテルが用意してくれた部屋に戻ったのかは覚えていない。でも元の世界からトリップしてトリコたちと過ごすまで色恋沙汰は無縁だったから、本当にどうすればいいのかわからない……。
『瑞貴!』
最近私の脳裏に浮かぶのはトリコだ。彼の一挙一動に度々意識させられることがあるけど……まだこれがどういう気持ちなのかよくわかっていない。もちろん『好き』か『嫌い』かと言えば好きだよ。
それにサニーはココさんやゼブラ同様に、私の気持ちが固まってからでいいと返事を待ってくれるみたいだけど、忙しいとかかこつけてばかりじゃなく、本当に真剣に彼らの気持ちを考えて答えなきゃ……。
「ああ。こっから100キロ先にドドリアンボムの木があるって話だ」
「100キロ先なのにこの臭さー!? 今までに嗅いだことのない初体験の臭さですよ! 『初臭(ハツクサ)』ですよ! 初臭(ハツクサ)炸裂ですよ!」
「なんだよ、初臭(ハツクサ)って! まあサニーから依頼が入ったとはいえ、瑞貴は来なくて正解だったかもな」
「確かに! 女の子にはキツい仕事です!」
別行動を取ることになったとはいえ、ハント先で何か恵方巻にいい食材が見つかればもらいに行くと約束したものの、この場所に瑞貴を連れて行くのは気が引けた。
ドドリアンボムの臭さはこんなものじゃない。実が熟して地面に落ちたとき、とんでもなく強烈な臭いがするらしく、100キロ圏内の草木は一瞬で枯れたとか、近海の水面に魚が浮かび上がったとか――いろいろな噂があるくらいなのだから。
☆☆☆☆☆
サニーとハントに行ってから翌日の夜、私たちは捕獲したステンドクラブを持ってとある展望レストランにやってきた。無事に捕獲できたし、途中で海やら森やらも通ったから恵方巻の具材になりそうな食材もゲットしたし、とにかく万々歳だよ!
「っ、おいしい!」
「ここは俺(レ)の行きつけだ。瑞貴の口にも合ってホッとしたし」
「へ~。さすがサニー! 美食屋だけじゃなくて美食家と言っても過言じゃないね!」
もともとこのホテルからの依頼だったらしく殻は装飾品に、中の身は調理して私たちにごちそうしてくれるということで、お言葉に甘えているんだ。ドレスコードはある程度必要だったから、私は道中で買ったワンピースに着替えている。もちろん自分のお金で買ったよ! サニーが出そうとしたのを全力で止めたけどね!
「こんなにおいしい蟹料理が食べれて、外は綺麗な夜景が広がってる……サニー風に言えば『調和』ってとこかな?」
「お前(マ)は本当にわかってんのな。トリコの奴だと、すぐに食っちまうから調和の気分にも浸れねーし! 欲を言えばぽんこちの音楽もぜひとも欲しい所だが……まっ、ここのBGMも料理と店の雰囲気が見事に調和されてスバラシ!」
ぽんこちさんを呼ぶって……確か彼の時給は200万もいるんじゃなかったっけ。
デザートも食べて食後のドリンクを飲みながら満足していると、サニーが口を開いた。
「今日は瑞貴にハントの報酬を用意している」
「えっ? こんなにおいしい料理を食べさせてもらってるのに、もう充分だよ。それに道中でも恵方巻の具材集めに協力してもらったんだから」
ウィンナースとかカニカマの花とか、今回の依頼食材とは関係ないのに見つけて私が『合いそう』と思ったら捕りに行かせてもらったもん。おかげでステンドクラブと共に大量だよ。
「正直に言えば、俺(レ)があげたいんだ」
サニーが取り出したのは両手に乗せれるサイズのプレゼントで、私は許可をもらって開けてみると――中には香水瓶が入っていた。そのフタを開けて噴射口を少し嗅いでみれば、スッキリとしてどこか上品な香りがする。
「いい香り……これってお花?」
「ああ。モーニングローズの香水だ。与作から分けてもらったのを香水メーカーに頼んで加工したんだし。ちなみにその瓶のデザインは俺(レ)がやってみた」
「サニーが!? ホントにセンスがあるね!」
派手過ぎず地味過ぎず、だけどモーニングローズもワンポイントとして入っているからとてもオシャレだ。
「……香水の意味知ってっか?」
「アクセサリー類はだいたい知っているけど、香水は知らないね。……なんなの?」
「『あなたと親密になりたい』……または『あなたと一緒にいたい』だ」
「えっ?」
香水瓶から顔を上げると、サニーは今までに見たことがないくらいキリッとしてて、私はその視線から顔を逸らすことができなかった。
「好きだ。瑞貴が同じ気持ちなら俺(レ)とつき合ってほしい」
「っ……!?」
サニーからの告白に私は目を見開いた。ココさんといい…ゼブラといい…なんでスゴい人たちが私に告白して来るの!?
「最初に惹かれたのはお前(マ)の包丁や薙刀の美(ツク)しさだが、俺(レ)はお前の真っ直ぐな心と食に対する真剣さ、その美(ツク)しさに惚れた。今はお互い忙しいから返事は慌てなくていーし。でも、今後は俺(レ)のことをただの『友人』や『仲間』としてだけじゃなく、もう一つ……お前(マ)に好意を持つ一人の男として見てくれ」
「は…い……」
今の私はサニーに対して返せる言葉は、それが精一杯だった。
――その後はどうやってホテルが用意してくれた部屋に戻ったのかは覚えていない。でも元の世界からトリップしてトリコたちと過ごすまで色恋沙汰は無縁だったから、本当にどうすればいいのかわからない……。
『瑞貴!』
最近私の脳裏に浮かぶのはトリコだ。彼の一挙一動に度々意識させられることがあるけど……まだこれがどういう気持ちなのかよくわかっていない。もちろん『好き』か『嫌い』かと言えば好きだよ。
それにサニーはココさんやゼブラ同様に、私の気持ちが固まってからでいいと返事を待ってくれるみたいだけど、忙しいとかかこつけてばかりじゃなく、本当に真剣に彼らの気持ちを考えて答えなきゃ……。