トリコ悶絶⁉︎ 世界一臭い食材を捕獲せよ!
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「なあ鉄平、なんかねぇのか?」
「そうだなぁ、最近再生したのだと……胴体はコーヒー豆、頭がミルクで尻がシロップ、湯を注げば絶品のコーヒーになる、カフェアリ。四十年前に絶滅した、いくらぶどう。数千年前の地層から発見した餅のような石、もち石ってところだが……」
「どれも恵方巻には弱いか……」
「ってことだ。ワリィな」
どれも希少な食材ばかりなんだけど、恵方巻に入れる具材のインパクトにはならないってことか。
「でもスゴいですよね。見たこともない食材ばっかりです! ビバ! 再生屋ですよ!」
「本人は難有りだけどね」
「瑞貴ちゃーん!? コホン……だけど近頃は再生屋の中にも、やたら滅多らなんでも再生させる奴がいる……」
「「「ん?」」」
突然真面目な声を出した鉄平に、自然と私たちは彼の話に耳を傾ける。
「劇物食材や隔離しないと危険な隔離生物……IGOの許可ナシに復活させちまう、ルール違反な再生屋があとを絶たないんだ」
「「「…………」」」
「まっ、ほとんど俺のことなんだが」
「「お前かよ!」」
「えっ……」
ポロッと自白した鉄平をトリコと私は思わず椅子から立ち上がって指差し、小松さんは呆れた声を出した。ルール破りは師匠譲りってことか!?
「この間もエライモンを再生させちまって、今ハチャメチャ困ってんのさ」
「なんだ? その食材ってのは?」
「なんか嫌な予感がする……」
「世界一くさ~い食材・『ドドリアンボム』だ……」
ハイ、的中しましたー! 恵方巻の頃から予感があったけど、とうとうこの日が来たかー!
☆☆☆☆☆
鉄平から情報を聞いた翌日。私はトリコと小松さんと……ではなく、サニーと一緒に鉱山に入っていた。酒乱島でハントに誘われたから今日はぴったりその日だったんだ。
「それで、今日は何を捕獲しに行くの?」
「ステンドクラブだ。ルビークラブの亜種で、ステンドグラスのようにカラフルな殻を持つ蟹でもある。殻は繊細なガラス質で、捕獲の際にはかなり力加減が必要だ」
「なんか難しそうだね。ルビークラブとかなら殻は硬いから、ほとんど力任せなのに」
「だがその殻は自然でできた故の、美(ツク)しい作りとなっている。職人の中にはそれを使って美(ツク)しい絵画を作ったり、加工して食器などに使われたりといろいろやってんだし」
そういえばスキルガーデンのステンドグラスの花も綺麗だったなぁ。
「それにしても、ハント中に突然連絡して悪かったな」
「ううん。サニーからハントの誘いをされたときは嬉しかったよ。今回はメチャクチャタイミングがよかったから、そういう意味でも感謝してる!」
「?」
……ドドリアンボム捕獲に同行するのは気が引けたので、瑞貴はサニーからタイミングよくハントの誘いや日にちがいい所だったので、サニーに心底感謝するのだった。もちろん、道中は恵方巻にぴったりな食材を探すことも忘れずに。
☆☆☆☆☆
……トリコと小松は列車に乗って目的の駅へと向かっていく。その間に頼んでいたケーキやワインなどを飲んで食べて、しばしの休息も楽しんでいた。
「ドドリアンボム……別名『臭いの爆弾』と呼ばれる木の実。大昔に兵器として使われたこともあるらしくてな。IGOも流通を制限してたって話だ」
「そんな実が恵方巻に合うんですか?」
「インパクト的には申し分ないだろ?」
確かにそうだろうが普通は誰も捕りに行こうとはしない。トリコが自ら捕りに行くと志願したとはいえ、ほとんど後始末を鉄平に押しつけられたようなものなのだから。
《まもなく列車はドドリアンステーションに到着します》
「窓を閉めろー!」
「いやー!」
列車のアナウンスがそう言った途端、自分たち以外の乗客たちが大慌てで叫びながら窓を閉めていく。
「な、なんなんですか!?」
「降りる準備だぜ、小松」
しかしどうやらこの駅が目的地らしく、トリコは小松にそう言って残りの料理を全て食べていった。
二人が列車の扉から出て駅に降りると辺り一面のキツい臭いに小松は思わず鼻を押さえる。
「くっさー!」
シュポ――……!
「すぐ出た!? てか、誰もいない!?」
「無人駅だ。臭過ぎて滅多に客も降りないからな……」
小松とトリコが降りた途端にすぐに扉が閉まり、まるで逃げるように超特急で列車が去って行ったのだった。
「そうだなぁ、最近再生したのだと……胴体はコーヒー豆、頭がミルクで尻がシロップ、湯を注げば絶品のコーヒーになる、カフェアリ。四十年前に絶滅した、いくらぶどう。数千年前の地層から発見した餅のような石、もち石ってところだが……」
「どれも恵方巻には弱いか……」
「ってことだ。ワリィな」
どれも希少な食材ばかりなんだけど、恵方巻に入れる具材のインパクトにはならないってことか。
「でもスゴいですよね。見たこともない食材ばっかりです! ビバ! 再生屋ですよ!」
「本人は難有りだけどね」
「瑞貴ちゃーん!? コホン……だけど近頃は再生屋の中にも、やたら滅多らなんでも再生させる奴がいる……」
「「「ん?」」」
突然真面目な声を出した鉄平に、自然と私たちは彼の話に耳を傾ける。
「劇物食材や隔離しないと危険な隔離生物……IGOの許可ナシに復活させちまう、ルール違反な再生屋があとを絶たないんだ」
「「「…………」」」
「まっ、ほとんど俺のことなんだが」
「「お前かよ!」」
「えっ……」
ポロッと自白した鉄平をトリコと私は思わず椅子から立ち上がって指差し、小松さんは呆れた声を出した。ルール破りは師匠譲りってことか!?
「この間もエライモンを再生させちまって、今ハチャメチャ困ってんのさ」
「なんだ? その食材ってのは?」
「なんか嫌な予感がする……」
「世界一くさ~い食材・『ドドリアンボム』だ……」
ハイ、的中しましたー! 恵方巻の頃から予感があったけど、とうとうこの日が来たかー!
☆☆☆☆☆
鉄平から情報を聞いた翌日。私はトリコと小松さんと……ではなく、サニーと一緒に鉱山に入っていた。酒乱島でハントに誘われたから今日はぴったりその日だったんだ。
「それで、今日は何を捕獲しに行くの?」
「ステンドクラブだ。ルビークラブの亜種で、ステンドグラスのようにカラフルな殻を持つ蟹でもある。殻は繊細なガラス質で、捕獲の際にはかなり力加減が必要だ」
「なんか難しそうだね。ルビークラブとかなら殻は硬いから、ほとんど力任せなのに」
「だがその殻は自然でできた故の、美(ツク)しい作りとなっている。職人の中にはそれを使って美(ツク)しい絵画を作ったり、加工して食器などに使われたりといろいろやってんだし」
そういえばスキルガーデンのステンドグラスの花も綺麗だったなぁ。
「それにしても、ハント中に突然連絡して悪かったな」
「ううん。サニーからハントの誘いをされたときは嬉しかったよ。今回はメチャクチャタイミングがよかったから、そういう意味でも感謝してる!」
「?」
……ドドリアンボム捕獲に同行するのは気が引けたので、瑞貴はサニーからタイミングよくハントの誘いや日にちがいい所だったので、サニーに心底感謝するのだった。もちろん、道中は恵方巻にぴったりな食材を探すことも忘れずに。
☆☆☆☆☆
……トリコと小松は列車に乗って目的の駅へと向かっていく。その間に頼んでいたケーキやワインなどを飲んで食べて、しばしの休息も楽しんでいた。
「ドドリアンボム……別名『臭いの爆弾』と呼ばれる木の実。大昔に兵器として使われたこともあるらしくてな。IGOも流通を制限してたって話だ」
「そんな実が恵方巻に合うんですか?」
「インパクト的には申し分ないだろ?」
確かにそうだろうが普通は誰も捕りに行こうとはしない。トリコが自ら捕りに行くと志願したとはいえ、ほとんど後始末を鉄平に押しつけられたようなものなのだから。
《まもなく列車はドドリアンステーションに到着します》
「窓を閉めろー!」
「いやー!」
列車のアナウンスがそう言った途端、自分たち以外の乗客たちが大慌てで叫びながら窓を閉めていく。
「な、なんなんですか!?」
「降りる準備だぜ、小松」
しかしどうやらこの駅が目的地らしく、トリコは小松にそう言って残りの料理を全て食べていった。
二人が列車の扉から出て駅に降りると辺り一面のキツい臭いに小松は思わず鼻を押さえる。
「くっさー!」
シュポ――……!
「すぐ出た!? てか、誰もいない!?」
「無人駅だ。臭過ぎて滅多に客も降りないからな……」
小松とトリコが降りた途端にすぐに扉が閉まり、まるで逃げるように超特急で列車が去って行ったのだった。