トリコ悶絶⁉︎ 世界一臭い食材を捕獲せよ!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「次郎、あんたのおかげだ。グルメ界であんたに俺は自分の弱さを教えられた……だから、あれからずっと修業に励んでるんだ。グルメ界で通用するようにな」
「へっへへへへっ。お主らが憧れるそのグルメ界は、何やら騒がしくなっとるらしいがのう」
「「えっ?」」
「全く、あの二人は……どうやらわしも行かねばならんかもしれんな……。まあよい、そのときはそのときじゃ」
海の向こうで沈む夕日を見ながら、次郎は脳裏に二人の人物を思い浮かべた。かつて共に修業した兄弟を……。
すると小さな間欠泉のように酒が吹き出て来ると、それを次郎は器用に二つのお猪口に淹れてトリコと小松に差し出した。
「飲め。わしの奢りじゃ」
「「いただきまーす! ズズッ……うまーい!」」
(いつの時代も酒はうまい……。雨の日も晴れの日も、酒はいつも変わらずうまいんじゃ。変わるのはいつも飲む者の心……わしらの心が酒の味も変える。ずっと穏やかにおいしく酒が飲みたいもんじゃがのう……)
次郎はこうやって楽しくお酒を飲んでくれるトリコと小松を見て、自分も彼らのようにおいしく酒を飲めるのはあとどれくらいかと思っていた。
「次郎さーん!」
「ん?」
「このお酒ってなんですか?」
小松が指差したのは、ワイン風呂の脇にある大きく『酒』と書かれた壺だった。
「わしのフルコースのドリンクじゃ」
「ってことは! ドド…ドッハムの沸き酒!?」
「え――っ!? って、驚き過ぎて酔いが完全に覚めちゃいました……」
「飲みたいか?」
「「飲みた過ぎ/ですー!」」
「まさか、グルメ界でしか捕れねぇ貴重な酒が飲めるなんて……!」
自分たちがグルメ界に行けるのはまだまだ先なので、次郎のフルコースのドリンクも飲めるのはそのときだろうと思っていた。だが、それが今飲めるのかとトリコと小松はドキドキしていると――。
「あっ! スマン、わしが全部飲んじまってたわ」
「「え~……!?」」
「まっ、ええじゃないか。お主らならすぐにグルメ界で手に入るさ。この島にはカクテルの川に清酒の池とまだまだ酒はたんまりある。飲みまくるぞ!」
「「オウッ/はい!」」
……もともと酒乱島の酒を堪能しに来た次郎はともかく、トリコと小松は大事なことを忘れていた。
「……これ、帰れるのいつになるの?」
夜になってお土産の酒も食材も捕獲して戻ってきたら、エメラルドドラゴンの上で三人が飲みまくっているのを見て、私はそう思わずにはいられなかった。
☆☆☆☆☆
あれから数日経ち、やっと王酢をスキルガーデンにいるモンチーさんの所へ届けに来たんだけど、トリコと小松さんの表情はやっぱりよくなかった。
「ホホォ、やるじゃねぇか! 王酢を捕って来たか、アホォ」
「飲み過ぎて二日酔いどころか一週間酔いになっちゃいましたけどね……」
「言われた通り、酢は用意した……」
「二日間飲み続けて、一時は目的を忘れてましたけど……」
「なので、正確に言えば捕って来たのはトリコじゃなくて私ですけどね」
まだ顔色がよくない二人と違い、私はモンチーさんが出してくれたお茶を飲みながら言った。宴会続きで王酢を見つけるときトリコも小松さんも使い物にならず、唯一素面だった私が捕るハメになったんだよ。
「モンチー、恵方巻頼むぜ」
「アホォ!!」
「「イ~~ッ!!」」
「頭に響くー!」
「ハァ……」
食べれば酔わないからと例のウコンも宴会で全て食べ尽くしちゃったから、帰る頃の分はなかったんだよね。おかげでこの通り酔いが抜けない二人はモンチーさんの大声に頭を押さえている。
「マダムフィッシュと王酢だけで作れるか! 全然具材が足りねぇんじゃあ!」
「っ、え~!?」
「ナメんな、恵方巻!」
「どうします? トリコさん?」
「……あいつに聞いてみるか」
「あいつ?」
マダムフィッシュみたいな具材を探すため、どうやらトリコが誰かに尋ねるようで私は首を傾げた。
――ここは停止した大地・ノッキングラウンド。何も育たない場所で荒野と化しているので、残ったのはいくつかの大木だけ。その内の一つを研究所として使っている男がここにいる。
「恵方巻ねぇ……」
「再生屋のお前なら、いい食材を知ってるかと思ってよ。あと、次郎からのリーゼント繋がりで来てみた」
「なんだその繋がり!?」
「せめて『血の繋がり』にしようよ……」
お察しの通り、トリコが尋ねたのは次郎さんの血を引く再生屋・鉄平だ。
「へっへへへへっ。お主らが憧れるそのグルメ界は、何やら騒がしくなっとるらしいがのう」
「「えっ?」」
「全く、あの二人は……どうやらわしも行かねばならんかもしれんな……。まあよい、そのときはそのときじゃ」
海の向こうで沈む夕日を見ながら、次郎は脳裏に二人の人物を思い浮かべた。かつて共に修業した兄弟を……。
すると小さな間欠泉のように酒が吹き出て来ると、それを次郎は器用に二つのお猪口に淹れてトリコと小松に差し出した。
「飲め。わしの奢りじゃ」
「「いただきまーす! ズズッ……うまーい!」」
(いつの時代も酒はうまい……。雨の日も晴れの日も、酒はいつも変わらずうまいんじゃ。変わるのはいつも飲む者の心……わしらの心が酒の味も変える。ずっと穏やかにおいしく酒が飲みたいもんじゃがのう……)
次郎はこうやって楽しくお酒を飲んでくれるトリコと小松を見て、自分も彼らのようにおいしく酒を飲めるのはあとどれくらいかと思っていた。
「次郎さーん!」
「ん?」
「このお酒ってなんですか?」
小松が指差したのは、ワイン風呂の脇にある大きく『酒』と書かれた壺だった。
「わしのフルコースのドリンクじゃ」
「ってことは! ドド…ドッハムの沸き酒!?」
「え――っ!? って、驚き過ぎて酔いが完全に覚めちゃいました……」
「飲みたいか?」
「「飲みた過ぎ/ですー!」」
「まさか、グルメ界でしか捕れねぇ貴重な酒が飲めるなんて……!」
自分たちがグルメ界に行けるのはまだまだ先なので、次郎のフルコースのドリンクも飲めるのはそのときだろうと思っていた。だが、それが今飲めるのかとトリコと小松はドキドキしていると――。
「あっ! スマン、わしが全部飲んじまってたわ」
「「え~……!?」」
「まっ、ええじゃないか。お主らならすぐにグルメ界で手に入るさ。この島にはカクテルの川に清酒の池とまだまだ酒はたんまりある。飲みまくるぞ!」
「「オウッ/はい!」」
……もともと酒乱島の酒を堪能しに来た次郎はともかく、トリコと小松は大事なことを忘れていた。
「……これ、帰れるのいつになるの?」
夜になってお土産の酒も食材も捕獲して戻ってきたら、エメラルドドラゴンの上で三人が飲みまくっているのを見て、私はそう思わずにはいられなかった。
☆☆☆☆☆
あれから数日経ち、やっと王酢をスキルガーデンにいるモンチーさんの所へ届けに来たんだけど、トリコと小松さんの表情はやっぱりよくなかった。
「ホホォ、やるじゃねぇか! 王酢を捕って来たか、アホォ」
「飲み過ぎて二日酔いどころか一週間酔いになっちゃいましたけどね……」
「言われた通り、酢は用意した……」
「二日間飲み続けて、一時は目的を忘れてましたけど……」
「なので、正確に言えば捕って来たのはトリコじゃなくて私ですけどね」
まだ顔色がよくない二人と違い、私はモンチーさんが出してくれたお茶を飲みながら言った。宴会続きで王酢を見つけるときトリコも小松さんも使い物にならず、唯一素面だった私が捕るハメになったんだよ。
「モンチー、恵方巻頼むぜ」
「アホォ!!」
「「イ~~ッ!!」」
「頭に響くー!」
「ハァ……」
食べれば酔わないからと例のウコンも宴会で全て食べ尽くしちゃったから、帰る頃の分はなかったんだよね。おかげでこの通り酔いが抜けない二人はモンチーさんの大声に頭を押さえている。
「マダムフィッシュと王酢だけで作れるか! 全然具材が足りねぇんじゃあ!」
「っ、え~!?」
「ナメんな、恵方巻!」
「どうします? トリコさん?」
「……あいつに聞いてみるか」
「あいつ?」
マダムフィッシュみたいな具材を探すため、どうやらトリコが誰かに尋ねるようで私は首を傾げた。
――ここは停止した大地・ノッキングラウンド。何も育たない場所で荒野と化しているので、残ったのはいくつかの大木だけ。その内の一つを研究所として使っている男がここにいる。
「恵方巻ねぇ……」
「再生屋のお前なら、いい食材を知ってるかと思ってよ。あと、次郎からのリーゼント繋がりで来てみた」
「なんだその繋がり!?」
「せめて『血の繋がり』にしようよ……」
お察しの通り、トリコが尋ねたのは次郎さんの血を引く再生屋・鉄平だ。