100回記念で四天王全員集合!
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――それからココさんとサニーとゼブラはそれぞれのポイントを見つけに行った。その前に『一緒に釣らないか』と三人から誘われたけど、私はそれを断った。一緒に釣りたい相手はもう決まっているからね。
「ゼブラが出所してから初めての全員そろっての共同作業なのに、バラバラで捕獲なんてね」
「せっかく全員そろったんですから、みんなで協力して仲良く釣ったほうが……」
「何言ってんだ、瑞貴、小松」
「「えっ?」」
「この勝負、ギャンブルだったらお前らの食運が一番人気だぜ!」
「えっ!? ぼ、僕も勝負に参加することになってるんですかぁ!?」
美食四天王と呼ばれるメンバーを相手に勝負することになって、小松さんは驚きながらもどこか嬉しそうに頬を赤くしていた。マダムフィッシュについては私も調べて来たけど、確かに釣る『だけ』なら小松さんも四天王と同等だからね。
「くぅ~! 最高にうめぇ匂いがして来やがる! 池の底に生えたワカメヘビやコンブスネークから出るうまみで、池の中は天然の出し汁になってる! 鍋池って名前の通り、まるで極上の鍋のようだな。ここに住むマダムフィッシュなら、恵方巻のいい具材になりそうだぜ!」
「えっ? 恵方巻?」
「モンチーさんっていう食の占い師さんに作ってもらうの」
「そいつを向ける方向で、探してる食材の在り処を百発百中で示してくれるんだ」
恵方巻の事情を知らないリンちゃんに私とトリコが説明する。
「向ける方向……探してる食材って?」
「一龍の会長(オヤジ)から出された、六つ目の修業食材だ」
「恵方巻の食材は私たちで仕入れて――」
「そういうことなら、ウチはトリコと釣るしー! トリコのためにがんばっちゃうしー!」
「!」
「あーへいへい、わかったよ」
「!」
トリコの腕を組んでやる気満々で反対の腕を上げるリンちゃん。いつもの光景なはずだし、トリコに何度もデートスポットを進めていたのに、こうやって目の当たりにされるとなんだかムッときた。それをアッサリと受け入れたトリコにもムッとする。
「じゃあ僕は――」
〈ユンユーン! ユーン!〉
「ユンと一緒に釣りますね」
「小松さん、私も一緒にいいかな」
「「「えっ!?」」」
私がそう言ったら全員一斉でこちらを向いた。なんで? 私、変なこと言った?
「おいおい、食運が強い二人がそろっちまったら勝負にならねぇだろ!? なあ、小松!」
「ぼぼぼぼ、僕は大歓迎です!」
「小松!?」
「ホント!? ありがとう、小松さん!」
小松さんにお礼を言うと同意にユンちゃんがこちらに滑って止まったので、私はしゃがんでユンちゃんと視線を合わせる。
「みんなで一緒にがんばろうね!」
〈ユンユン!〉
ユンちゃんの両手を握ってそう言ったら、ユンちゃんは可愛らしい笑顔を向けてくれた。あ~癒される~……!
「……僕じゃなくてユン目当てで言ったんですね」
「……小松、同情するぜ。ちょっと前までの俺と同じだからな」
(瑞貴……ちょっとは二人の気持ちに気づいてほしいし)
「〈?〉」
さっきまで声を上げていた小松さんとトリコが急に元気をなくしたし、リンちゃんからは憐みの目を向けられる。どういう状況なのかわからなかった私とユンちゃんは同時に首を傾げるのだった。
☆☆☆☆☆
「濃厚な出汁を栄養にして育ったうまい魚が、うようよ泳いでいる……。中でも、池の主と言われるマダムフィッシュ……その鮮やかで麗しい見た目と、脂の乗ったリッチな味わいは『淡水魚界の貴婦人』と絶賛されるほどだ。美(ツク)しい食材……この俺(レ)にこそ、ふさわしいぜ。フッ」
……海の中を漂う貴婦人に向けて祈りを捧げるように両手を組んで目を閉じていたサニーは、そう言うとフッと笑っていた。
☆☆☆☆☆
「マダムフィッシュの捕獲レベルは83だけど、それは戦闘力じゃない。釣り人に簡単に姿を見せない、手の届かない貴婦人らしく、滅多に巣から出ないためだ。最長で数十年も出ないとか……。チャンスは水面に氷が張ってマダムフィッシュが安心したときのみ……それが今!」
……ココは右手の包帯を取ると、右手だけを毒化させた。
「ゼブラが出所してから初めての全員そろっての共同作業なのに、バラバラで捕獲なんてね」
「せっかく全員そろったんですから、みんなで協力して仲良く釣ったほうが……」
「何言ってんだ、瑞貴、小松」
「「えっ?」」
「この勝負、ギャンブルだったらお前らの食運が一番人気だぜ!」
「えっ!? ぼ、僕も勝負に参加することになってるんですかぁ!?」
美食四天王と呼ばれるメンバーを相手に勝負することになって、小松さんは驚きながらもどこか嬉しそうに頬を赤くしていた。マダムフィッシュについては私も調べて来たけど、確かに釣る『だけ』なら小松さんも四天王と同等だからね。
「くぅ~! 最高にうめぇ匂いがして来やがる! 池の底に生えたワカメヘビやコンブスネークから出るうまみで、池の中は天然の出し汁になってる! 鍋池って名前の通り、まるで極上の鍋のようだな。ここに住むマダムフィッシュなら、恵方巻のいい具材になりそうだぜ!」
「えっ? 恵方巻?」
「モンチーさんっていう食の占い師さんに作ってもらうの」
「そいつを向ける方向で、探してる食材の在り処を百発百中で示してくれるんだ」
恵方巻の事情を知らないリンちゃんに私とトリコが説明する。
「向ける方向……探してる食材って?」
「一龍の会長(オヤジ)から出された、六つ目の修業食材だ」
「恵方巻の食材は私たちで仕入れて――」
「そういうことなら、ウチはトリコと釣るしー! トリコのためにがんばっちゃうしー!」
「!」
「あーへいへい、わかったよ」
「!」
トリコの腕を組んでやる気満々で反対の腕を上げるリンちゃん。いつもの光景なはずだし、トリコに何度もデートスポットを進めていたのに、こうやって目の当たりにされるとなんだかムッときた。それをアッサリと受け入れたトリコにもムッとする。
「じゃあ僕は――」
〈ユンユーン! ユーン!〉
「ユンと一緒に釣りますね」
「小松さん、私も一緒にいいかな」
「「「えっ!?」」」
私がそう言ったら全員一斉でこちらを向いた。なんで? 私、変なこと言った?
「おいおい、食運が強い二人がそろっちまったら勝負にならねぇだろ!? なあ、小松!」
「ぼぼぼぼ、僕は大歓迎です!」
「小松!?」
「ホント!? ありがとう、小松さん!」
小松さんにお礼を言うと同意にユンちゃんがこちらに滑って止まったので、私はしゃがんでユンちゃんと視線を合わせる。
「みんなで一緒にがんばろうね!」
〈ユンユン!〉
ユンちゃんの両手を握ってそう言ったら、ユンちゃんは可愛らしい笑顔を向けてくれた。あ~癒される~……!
「……僕じゃなくてユン目当てで言ったんですね」
「……小松、同情するぜ。ちょっと前までの俺と同じだからな」
(瑞貴……ちょっとは二人の気持ちに気づいてほしいし)
「〈?〉」
さっきまで声を上げていた小松さんとトリコが急に元気をなくしたし、リンちゃんからは憐みの目を向けられる。どういう状況なのかわからなかった私とユンちゃんは同時に首を傾げるのだった。
☆☆☆☆☆
「濃厚な出汁を栄養にして育ったうまい魚が、うようよ泳いでいる……。中でも、池の主と言われるマダムフィッシュ……その鮮やかで麗しい見た目と、脂の乗ったリッチな味わいは『淡水魚界の貴婦人』と絶賛されるほどだ。美(ツク)しい食材……この俺(レ)にこそ、ふさわしいぜ。フッ」
……海の中を漂う貴婦人に向けて祈りを捧げるように両手を組んで目を閉じていたサニーは、そう言うとフッと笑っていた。
☆☆☆☆☆
「マダムフィッシュの捕獲レベルは83だけど、それは戦闘力じゃない。釣り人に簡単に姿を見せない、手の届かない貴婦人らしく、滅多に巣から出ないためだ。最長で数十年も出ないとか……。チャンスは水面に氷が張ってマダムフィッシュが安心したときのみ……それが今!」
……ココは右手の包帯を取ると、右手だけを毒化させた。