隠された食材! 一龍からの緊急指令!
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何故占うのに具材が必要なのかモンチーさんに聞いてみたら、その具材は占いの『恵方巻』に使うらしい。
『恵方巻?』
『それって節分で食べる、あの恵方巻ですか?』
『ああ。俺ぁ恵方巻を向ける方角で食材の場所を占うんだ。『恵方』ってのは福の神のいる方角のことを言うんだ。毎年毎年、北東(コッチ)だったり南南東(コッチ)だったり。ちょいちょい変わるんだ』
『ああ。それで恵方巻はその年の恵方を向いて食べると縁起がいいんだよな』
『って、アホかぁ! このグルメ時代、最高の恵方ってのは食材のある方位を言うんじゃい!』
『さっきご自分で「福の神のいる方角」って言ったじゃありませんか』
『揚げ足取るな! アホォ!』
口癖なのか、ここまでの会話でも何度もアホって言われたよ。さっきのことに関してはそのまま返したかったけど。
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「要するに、モンチーの作る恵方巻の差す方向に目的の食材があるってわけだ」
「ざ、斬新な占いですね……」
「でもココさんが電磁波を使った『対人占い』のスペシャリストなら、モンチーさんは『職探し専門』の占い師……その精度は百発百中なの」
「ひゃ、百発百中!?」
「ただし、占う食材によって恵方巻に必要な具材、その種類と量が変わって来る……らしい。それを仕入れて来ねぇと、モンチーは恵方巻を作ってくれねぇんだ」
目的の食材が毎度のことながら一筋縄ではいかない一龍会長の修業食材な上に、それがある場所がロストフォレストだもの。一筋縄どころか百筋縄もいかないってことね。
「そこでとりあえず魚介系で何かいい具材はねぇかとここへ来てはみたが……さすがにロストフォレストに入るとなると、もっと目新しい食材が必要だな」
トリコは溜息つきそうな感じでガラスの外を眺め出した。するとガラスが鏡のようになっており、そこに黒スーツでサングラスを掛けた男性が写っているのが見えたので私たちは振り向いた。
「お食事中失礼します、トリコ様。会長からご連絡が」
「会長(オヤジ)から?」
「『鍋池』が、凍ったそうです」
「な、何っ!?」
男性の報告にトリコは驚いて椅子から立ち上がった。だけどその衝撃はトリコだけでなく、小松さんと私も同じだ。
「鍋池が!?」
「グルメ世界遺産候補にも挙がったという、池の水が沸騰した出し汁になっている、まるで極上の鍋のような池……!」
「あの鍋池が、凍ったの!?」
「つきましては、鍋池に生息する池の主・『マダムフィッシュ』の捕獲を――『四天王全員で挑め』との、会長からのご命令でございます」
「何っ!? し、四天王全員で!?」
鍋池が凍ったというだけでも衝撃的だったのに、池の主の捕獲を四天王全員だなんて!