うまさ宇宙級! 実食メテオガーリック!
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「コ、ココさん!? えっ!? えっ!?」
「瑞貴ちゃん。君に聞いてほしいことがある」
いきなり手を握られて戸惑ったけど、ココさんの瞳はとても真剣で、真っ直ぐ私を見ている。それを逸らすことなんかできなくて……私は「はい」と答えた。
「瑞貴ちゃんは僕が何故君のことを『お姫様』って呼んでるか、わかるかい?」
「そういえばココさんって、私のことをよくそう呼んでますよね……何故ですか?」
「ああ。君たちがグルメフォーチュンに来ると占いで出たんだ。『同行者に僕の運命を変える姫がいる』ってね。僕の占いは100パーセントじゃなし、この結果は3パーセントのハズレだろうと思った。――けど、その占いは確かに当たった」
「えっ!? でも私はココさんの運命を変えるようなことは何も……フグ鯨だってもともとトリコの提案だし……」
「キッカケはそうだったかもしれないけど、確かに君は僕の運命を変えてくれたよ。僕に『毒』対する見方を変えてくれた」
そう言ってココさんは顔だけ毒化した。私が元の世界から『綺麗』と思っていた、紫色の肌に……。
「僕はずっと自分の運命を呪っていた……。なんでこんな毒に強い体に生まれたのか、なんで毒を生成できる毒人間になったのか……って。美食屋を離れて占い師として活動していた間も、誰かに危害を加えるんじゃないかって一切気を抜くことができなかった」
「ココさん……」
「トリコたちは子供の頃から一緒に育った兄弟だし、キッスは家族だから別だけど……他の友人や恋人を作ろうと思わなかった。『万が一僕の毒で危害を加えたら』……って、いつも頭をよぎっていたんだ」
そういえばココさんは、第一級危険生物として隔離されそうな過去があったんだっけ……それは私の想像以上の辛さだったに違いない。するとココさんは毒化を解くと、フッと笑った。
「でも、今は違う。僕は瑞貴ちゃんのおかげで変わることができた」
「私の……?」
「覚えてるかな? 洞窟の砂浜で君は僕に『毒は攻撃するためだけじゃなく命を守るためにもあるんです』って言ったことを。あれに僕は救われたんだ。毒は『恐れるもの』じゃなくて『守るもの』……その言葉はずっと僕の胸に刻まれている。君は僕の運命を変えたお姫様だ」
「で、でもあれは私がただ思ったことを言っただけで……ココさんの苦しみも知らないのに勝手に……」
「それでも僕は救われた。君が環境適応人間だからとか、舞獣姫だからとか、僕の毒が効かないとか関係ない。きっとどんな形であれ、君と出会っていたら僕は惹かれて止まないだろう。……だから、僕のそばにずっといてほしい」
ココさんは両手をつかんだままベンチから腰を上げ、床に片膝を突くと――自然な動作で私の手に唇を近づけた。
チュッ。
「瑞貴ちゃん……――僕と、結婚を前提におつき合いしてください」
「えっ……ええぇぇえええ!?」
手にキスされただけでなくプロポーズも込めたココさんからの告白に、顔を真っ赤にした私の叫び声がサンルームどころか、ホテルだけじゃなくその周辺まで響いたのは言うまでもない。
☆☆☆☆☆
……グルメタウンの外れにある節乃食堂では、『し~ん』と立て札が吊り下がっていたが電気は点いていた。中にはいるのは店主であり美食人間国宝の節乃、そしてもう一人。
「どうじゃ? 下準備はできたかのう?」
「はい、先生」
「ホォ~見事に凍らせたのう。さすが、のの」
「フフッ……」
両手に乗せた食材の凍り具合を見て節乃が褒めると、ののと呼ばれた少女は嬉しそうに微笑んでそれをまな板の上に置いた。
「特殊調理食材・流氷ジンジャーは、マイナス20度で凍らせたまま素早く斬らねば調理できん! だあああっ!!」
「わあっ……!」
文字通り素早く目に見えないほど包丁で切って行く節乃。するとあっという間に流氷ジンジャーは綺麗な千切りとなっていた。その様子にののが感嘆の声を漏らすと――。
コンコン。
「「!」」
ノックが聞こえて二人は顔を向けると、返事もしていないのに扉が開いた。その人物は黒スーツにサングラスをかけた男だったが、節乃には名乗らずとも何者なのかわかっている。
「IGOか……そろそろ来る頃だと思っとったじょ。あたしゃを呼びに来た理由は、わかっておる。あんたらんとこの会長と、美食會のボスが――会ったらしいのう」
節乃もまた、二つの組織のトップ同士が接触したことを知っていたのだった。
「瑞貴ちゃん。君に聞いてほしいことがある」
いきなり手を握られて戸惑ったけど、ココさんの瞳はとても真剣で、真っ直ぐ私を見ている。それを逸らすことなんかできなくて……私は「はい」と答えた。
「瑞貴ちゃんは僕が何故君のことを『お姫様』って呼んでるか、わかるかい?」
「そういえばココさんって、私のことをよくそう呼んでますよね……何故ですか?」
「ああ。君たちがグルメフォーチュンに来ると占いで出たんだ。『同行者に僕の運命を変える姫がいる』ってね。僕の占いは100パーセントじゃなし、この結果は3パーセントのハズレだろうと思った。――けど、その占いは確かに当たった」
「えっ!? でも私はココさんの運命を変えるようなことは何も……フグ鯨だってもともとトリコの提案だし……」
「キッカケはそうだったかもしれないけど、確かに君は僕の運命を変えてくれたよ。僕に『毒』対する見方を変えてくれた」
そう言ってココさんは顔だけ毒化した。私が元の世界から『綺麗』と思っていた、紫色の肌に……。
「僕はずっと自分の運命を呪っていた……。なんでこんな毒に強い体に生まれたのか、なんで毒を生成できる毒人間になったのか……って。美食屋を離れて占い師として活動していた間も、誰かに危害を加えるんじゃないかって一切気を抜くことができなかった」
「ココさん……」
「トリコたちは子供の頃から一緒に育った兄弟だし、キッスは家族だから別だけど……他の友人や恋人を作ろうと思わなかった。『万が一僕の毒で危害を加えたら』……って、いつも頭をよぎっていたんだ」
そういえばココさんは、第一級危険生物として隔離されそうな過去があったんだっけ……それは私の想像以上の辛さだったに違いない。するとココさんは毒化を解くと、フッと笑った。
「でも、今は違う。僕は瑞貴ちゃんのおかげで変わることができた」
「私の……?」
「覚えてるかな? 洞窟の砂浜で君は僕に『毒は攻撃するためだけじゃなく命を守るためにもあるんです』って言ったことを。あれに僕は救われたんだ。毒は『恐れるもの』じゃなくて『守るもの』……その言葉はずっと僕の胸に刻まれている。君は僕の運命を変えたお姫様だ」
「で、でもあれは私がただ思ったことを言っただけで……ココさんの苦しみも知らないのに勝手に……」
「それでも僕は救われた。君が環境適応人間だからとか、舞獣姫だからとか、僕の毒が効かないとか関係ない。きっとどんな形であれ、君と出会っていたら僕は惹かれて止まないだろう。……だから、僕のそばにずっといてほしい」
ココさんは両手をつかんだままベンチから腰を上げ、床に片膝を突くと――自然な動作で私の手に唇を近づけた。
チュッ。
「瑞貴ちゃん……――僕と、結婚を前提におつき合いしてください」
「えっ……ええぇぇえええ!?」
手にキスされただけでなくプロポーズも込めたココさんからの告白に、顔を真っ赤にした私の叫び声がサンルームどころか、ホテルだけじゃなくその周辺まで響いたのは言うまでもない。
☆☆☆☆☆
……グルメタウンの外れにある節乃食堂では、『し~ん』と立て札が吊り下がっていたが電気は点いていた。中にはいるのは店主であり美食人間国宝の節乃、そしてもう一人。
「どうじゃ? 下準備はできたかのう?」
「はい、先生」
「ホォ~見事に凍らせたのう。さすが、のの」
「フフッ……」
両手に乗せた食材の凍り具合を見て節乃が褒めると、ののと呼ばれた少女は嬉しそうに微笑んでそれをまな板の上に置いた。
「特殊調理食材・流氷ジンジャーは、マイナス20度で凍らせたまま素早く斬らねば調理できん! だあああっ!!」
「わあっ……!」
文字通り素早く目に見えないほど包丁で切って行く節乃。するとあっという間に流氷ジンジャーは綺麗な千切りとなっていた。その様子にののが感嘆の声を漏らすと――。
コンコン。
「「!」」
ノックが聞こえて二人は顔を向けると、返事もしていないのに扉が開いた。その人物は黒スーツにサングラスをかけた男だったが、節乃には名乗らずとも何者なのかわかっている。
「IGOか……そろそろ来る頃だと思っとったじょ。あたしゃを呼びに来た理由は、わかっておる。あんたらんとこの会長と、美食會のボスが――会ったらしいのう」
節乃もまた、二つの組織のトップ同士が接触したことを知っていたのだった。