うまさ宇宙級! 実食メテオガーリック!
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さっそく私たちはジダル王国の王宮にやってきた。トリコと小松さんとマッチさんは服のサイズが合わなかったのか、上は白のジャケットしか着ていない。
「恐らくグルメカジノの行動は国王に筒抜けよ。気を引き締めて行かないと」
「極悪で有名な独裁者の城だ……何をして来るかわからねぇ」
ライブベアラーの言葉を聞いて名刀・竜王を構えたマッチさんを見て、私も念のためブレスレットを薙刀にした。
「でも、今夜は何があっても大丈夫な気がします!」
「いつもの小松と違う!?」
「これもメテオガーリック……いや、マッチョ効果!?」
いつもなら『できるだけ穏便にー!』とか、もしくは『帰りましょう!』とか言うのに、小松さんはむしろやる気満々で構えている。その様子にトリコも私も驚いた。
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……グルメカジノという資金調達の一つを失っていても、ダーニルやジョアにはなんの痛手も感じなかった。むしろもう必要ないというかのように。
「ライブベアラーには、もともと大切な情報は教えておりません。カジノにも重要な記憶の保管もありませんし」
「そうか……この国にも用はないということだな」
「はい。王宮の皆にもその旨を伝え、すでに動いております」
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出入口には門番もいないし、扉も鍵がかかっていなかったし、こんな風に悠々と廊下を歩いていても誰も見かけない。
「警備どころか人っ子一人いない……」
「ああ。何か匂うね」
「それにしてもメチャクチャ広い……」
「グルメピラミッドといい勝負だぜ」
「カジノの売り上げのほとんどは国王が持っていったからねぇ。これぐらいの城、建てるの簡単だわ」
「カジノだけじゃねぇ。闇稼業を通じてカジノの数十倍は稼いでいるはずだ」
私もココさんも小松さんもトリコもライブベアラーもマッチさんも、それぞれ城の中を見渡しながら言う。いくら闇稼業と通じているとはいえ、なんか胡散臭い感じが別モノの気がする……私たちが考えているより大きな闇を抱えているって感じのね。
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……フランスパンを食べ終えたダーニルがワインの味を楽しんでいると、ジョアが続けて報告する。
「資金もそこそこ集まりましたし、もう潮時でしょう。我々の計画も大詰めです。あとは……あの場所に行くためには『手帳』が必要です。美食神・アカシアが残したという『秘密の手帳』が」
「その在り処は割れておる」
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「あれが国王の部屋よ」
ライブベアラーが示したのは通路の奥にある広間で、長い階段の先にある豪華な扉だ。
「んじゃ、ご対面といくか」
トリコを始めココさんとマッチさんとライブベアラーが歩き始めると、私も続こうとしたら小松さんが緊張した面持ちをしていることに気づいたので声をかける。
「小松さん、大丈夫?」
「へ、平気です! それに何があっても今の僕なら瑞貴さんを守れる自信があります!」
「フフッ。頼もしいね」
いざってなると緊張感が出るけど、それでも私を守ろうと懸命な小松さんの姿は頼もしく見える。見た目がマッチョのせいとかじゃなくて、その気持ちが行動に出る人だからかな。