……トリコたちは修業食材・メテオガーリックを求め、地下料理界のボス・ライブベアラーと食の神経衰弱・グルメテイスティングで勝負する。

ジョーカー食材の般若パンダを倒すトリコ。順当にポイントを獲得し、ようやく410ポイント差まで追い上げる。ココは超特殊調理食材のニトロチェリーをヒット！　これを食べなければ勝てず、少しの刺激で爆発するニトロチェリー……果たして、どう攻略するのか!?



☆☆☆☆☆


完食までの制限時間はわずか10分……私と小松さんはニトロチェリーを運んで調理場へ移動した。そこで両側面の一部がゴムになっており、手を差し込むとゴム手袋のようになる特殊なグルメケースへ氷を入れ、さらに適温のお湯を淹れる。そして水温が６度になったのを確認すると氷を除けた。


「瑞貴さん……」

「大丈夫……」


私と小松さんには調理場へ入る前に念のため守護結界をかけておいたから、万が一ニトロチェリーが爆発しても無事だ。でも調理は違う……私はゆっくりとニトロチェリーをグルメケースの中に入れた。


チャプンッ……。


「フゥ……」


まずは第一段階、ニトロチェリーを投入することに成功。次は小松さんの番だ。

小松さんはまず小型ナイフをニトロチェリーに当たらないように中に入れ、そして両側面のゴム素材の入口から手を入れる。そして左手にはニトロチェリー、右手には小型ナイフを手に取った。

温度を６度に保ちながら層の境目を切り離す。その間、わずかな衝撃も与えてはいけない……それがニトロチェリーの調理法。小松さんは一つの層の境目に切り込みを入れた。


（層の境目…果物の皮と果肉の間…皮の部分は繊細過ぎるくらい薄い……！　おまけに、この特殊な形……）


これまでいくつものの特殊調理食材を経験してきた小松さんでも、このニトロチェリーを調理するにはスゴい神経が研ぎ澄まされているだろう。ゆっくり、でも確実に、切り込みを進めて行く。


「ヒッ！」

《完食時間まで、残り30秒！》


爆発する瞬間でも思い浮かべたんだろう……小松さんの汗がスゴい。さらにこの制限時間が小松さんに余計なプレッシャーをかけてしまう。