｢｢トリコ/さーん！｣｣

「どうした、瑞貴？　小松？」

「あんまり急いで食べちゃったら、血糖値が上がりますよー！　糖の吸収を整えて消化を助けてくれる、このミネラルラッキョウのタレをかけておきますねー！」

「味に飽きないように、他にも工夫しておくから！」

「オウッ！　ありがとよ！」


ミネラルラッキョウのタレに、アーモンドキャベツやバナナキュウリのクリームなら、血糖値を下げつつ所々の味も変えられる。まさに一石二鳥って寸法だね。

さっきまで上にいたトリコが降りてきて、アーモンドキャベツのクリームの部分を食べてみた。


「おおっ！　ここは香ばしいアーモンド味じゃねぇか！」


トリコの口にも合ったようで、あちこち食べてどんどんプリン山はなくなっていき……ついにトリコは完食した。


「ごちそうさまでした！　うっぷー……！」

《完食です……！　なんと、あの遥か高くそびえ立っていたプリン山を、たった30分で平らげました！》

「やりましたよー！　トリコさーん！」

「制限時間150分を30分で完食って……恐るべし、トリコの食欲」


ごちそうさまを言ったあと倒れたトリコの腹は、小松さんの身長より少し高めくらい大きく膨れ上がっていた。


《ココ・トリコ・小松・瑞貴チーム、150ポイント獲得で現在190ポイント！　ライブベアラー様とその差は30ポイントに迫りました！》

「フゥ……」


……プリン山を見たときココもヒヤッとしたが、無事完食してくれたことでホッとしたようだ。その優しい瞳を活躍してくれた三人に向ける。


「いや～プリン山、うまかったぜ！」

「さすがトリコ！」

「点差は一気に縮まりましたね！」

「さあ、どんどんいくよ！　続いて、38番と２番だ！」

「了解！」


ココさんが続いてのカードを指摘すると、マッチさんはそれをめくった。


《出ました！　太陽酒(ｻﾏｰｳｨｽｷｰ)です！》

「50ポイント……！　また高得点の食材をヒットしたぜ！」

｢｢｢｢｢オオォォオオオ！｣｣｣｣｣


続く高得点カードに、マッチさんやグルメマフィアのみなさんのテンションが上がってきた。


「いいの？」

「ん？」

「一つ完食してから次のカードを引くまでに、５分間の猶予があるんだけど？」


休んでも構わないというライブベアラーはそう言っているのだろう。しかしその間に別のテーブル席に座るトリコの元へ太陽酒(ｻﾏｰｳｨｽｷｰ)が届けられた。