登場! 地下料理界のボス、ライブベアラー!
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「通常VIP会員のお客様か、年間で一定以上お遊びいただいているお客様しか入れませんが……今回は特別に」
「ただ稼いだからVIPルームに案内してくれるわけじゃねぇんだろ?」
「ええ。このエリアに入るもう一つの資格を満たしているからです」
「所持している食材だね」
「はい」
「やっぱりね……」
「所持している…食材……」
『食材を賭けてやるゲームもあるんだ』
『へ~』
トリコが言ってたことはこういうことだったんだ。一般エリアでは食材は『景品』だけど『賭け』の対象にはなってないから不思議に思ったけど。
「一般エリアでは現金を換えたコインをお賭けいただきましたが、VIPエリアではお客様の所有食材そのものを賭けてゲームを楽しんでいただきます」
「半分正解ってのは、そういうことか……。ただ注目を集めるために勝っていたんじゃねぇ……。VIPエリアで賭ける食材を稼いでいたってわけだな」
「まあね」
マッチさんも何故半分しか正解しなかったのか、その理由がわかったようだ。二重の正解ってとこだろうけど、ココさんは両方最初からわかってたんだもんね。スゴいや。
「VIPエリアでは、お客様が失う物も得る物も全て食材のみ」
「お金じゃなくて食材を賭けたゲーム……まさにグルメカジノのVIPルーム……」
「本当に、グルメ時代にふさわしいゲームかもね」
小松さんに続いて私はそう言った。もしそれが一般エリアのような『マトモ』なゲームだったら、まだ気が楽だっただろうけど。
「まあ、VIPのその先もありますがね」
「その先?」
「さあ、こちらです」
トリコの疑問に答える前に従業員はVIPルームの入口の垂れ幕を開けた。通路が薄暗い分、その先が明るく見える。そして私たちが最初に見た光景は――。
「グウウッ!」
「「「「「!」」」」」
なんと口を押さえて苦しむ男が現れた。まるで血を吐くのを抑えているような姿に思わず私たちが驚くと、男は何事か呟いていく。
「大穴狙い過ぎちまった……ウウウッ……」
男はうずくまって肌がだんだん薄紫になっていき、そのまま動かなくなってしまった……。
「毒々アップルによる中毒だ」
「物によっては猛毒があるっていう違法食材か」
「「「「「オオオッ!」」」」」
盛り上がる声に周りを見れば、一般エリアとは全然違うゲームが行われていた。それはどれもチャレンジする人間が勝敗を決しており、成功するかしないかを賭けている。
鮫がウヨウヨいるプールの上で長い棒を持って板を渡ったり、砂の上を走るスイカが噛みついて来るのを阻止するため斧で割ろうとしたり、三つ目の巨大闘牛に追いかけられたり……――とにかく悲鳴と歓声が物凄く入り交じっている。
「これがグルメカジノのVIPエリア……!」
「同じ賭け事でも、一般エリアやグルメコロシアムとは違ってえげつないね……!」
「ヒイッ……!」
「――あら、まさかあのアップルに毒が入ってたとはねぇ。残念!」
私たちがVIPエリアのゲームに圧倒されていると、男が倒れているほうへ声がしたので振り向く。医療チームが男の容体を確認する中、いかにも金持ちという小太りの男と従業員が会話していた。
「ではベットした食材、サンシャインエッグをいただきます」
「よし、もう一ゲームいくぞ! 次こそ勝つからね!」
よく見ればあの男は、私たちがここに来る前に強盗が捕まるか賭けをしていた人だ。
『あの強盗、逃げ切れると思いますか? それとも銃で撃たれておしまいか』
『逃げるのはムリでしょうな~』
『それでは賭けましょう!』
『『ハッハッハッハッ/ホッホッホッホッ!』』
「あれはVIPの客だったのか……」
「恐らくあのときいたもう一人の男もそうだろうね」
小松さんと私はそのときのことを思い出しながら冷や汗をかいた。VIPの常連だから人を使って賭けること慣れているんだ。それが命を落とすことになっても……。
「び、VIPエリアって……VIPエリアって人の命をかけの対象にしているんですか?」
「ご心配なく。参加している彼らは皆、このカジノで多額の借金を踏み倒した者たちです」
「えっ……!」
小松さんが従業員に話しかけていると、鎖で繋がれているが対象者に噛みついてるドリアンみたいな食材を、誰が一番に食べれるかというゲームが始まった。従業員はそれを見せながら説明を続ける。
「一攫千金で借金返済を条件に、自らゲームに志願した方々です」
「ここでは食材を賭けてゲームをするんじゃ……!?」
「自然界では……人間だって立派な食材じゃないですか」
「食材って……!」
「理に適っているようで適っていない、矛盾した場所だね」
確かに『自然界』では猛獣や植物を私たちが食材と認識しているように、相手も事によったら私たちを食材扱いしている……だから美食屋は常に命の危険と隣り合わせだ。でもここは『人間が作った施設』――本来ならば命の安全が約束される場所。
相手を食うか食われるかの自然界と違い、人間の命が失うか失われないかの場所になっている。そして観客たちは常にチャレンジャーを人間として見ていない。
「ただ稼いだからVIPルームに案内してくれるわけじゃねぇんだろ?」
「ええ。このエリアに入るもう一つの資格を満たしているからです」
「所持している食材だね」
「はい」
「やっぱりね……」
「所持している…食材……」
『食材を賭けてやるゲームもあるんだ』
『へ~』
トリコが言ってたことはこういうことだったんだ。一般エリアでは食材は『景品』だけど『賭け』の対象にはなってないから不思議に思ったけど。
「一般エリアでは現金を換えたコインをお賭けいただきましたが、VIPエリアではお客様の所有食材そのものを賭けてゲームを楽しんでいただきます」
「半分正解ってのは、そういうことか……。ただ注目を集めるために勝っていたんじゃねぇ……。VIPエリアで賭ける食材を稼いでいたってわけだな」
「まあね」
マッチさんも何故半分しか正解しなかったのか、その理由がわかったようだ。二重の正解ってとこだろうけど、ココさんは両方最初からわかってたんだもんね。スゴいや。
「VIPエリアでは、お客様が失う物も得る物も全て食材のみ」
「お金じゃなくて食材を賭けたゲーム……まさにグルメカジノのVIPルーム……」
「本当に、グルメ時代にふさわしいゲームかもね」
小松さんに続いて私はそう言った。もしそれが一般エリアのような『マトモ』なゲームだったら、まだ気が楽だっただろうけど。
「まあ、VIPのその先もありますがね」
「その先?」
「さあ、こちらです」
トリコの疑問に答える前に従業員はVIPルームの入口の垂れ幕を開けた。通路が薄暗い分、その先が明るく見える。そして私たちが最初に見た光景は――。
「グウウッ!」
「「「「「!」」」」」
なんと口を押さえて苦しむ男が現れた。まるで血を吐くのを抑えているような姿に思わず私たちが驚くと、男は何事か呟いていく。
「大穴狙い過ぎちまった……ウウウッ……」
男はうずくまって肌がだんだん薄紫になっていき、そのまま動かなくなってしまった……。
「毒々アップルによる中毒だ」
「物によっては猛毒があるっていう違法食材か」
「「「「「オオオッ!」」」」」
盛り上がる声に周りを見れば、一般エリアとは全然違うゲームが行われていた。それはどれもチャレンジする人間が勝敗を決しており、成功するかしないかを賭けている。
鮫がウヨウヨいるプールの上で長い棒を持って板を渡ったり、砂の上を走るスイカが噛みついて来るのを阻止するため斧で割ろうとしたり、三つ目の巨大闘牛に追いかけられたり……――とにかく悲鳴と歓声が物凄く入り交じっている。
「これがグルメカジノのVIPエリア……!」
「同じ賭け事でも、一般エリアやグルメコロシアムとは違ってえげつないね……!」
「ヒイッ……!」
「――あら、まさかあのアップルに毒が入ってたとはねぇ。残念!」
私たちがVIPエリアのゲームに圧倒されていると、男が倒れているほうへ声がしたので振り向く。医療チームが男の容体を確認する中、いかにも金持ちという小太りの男と従業員が会話していた。
「ではベットした食材、サンシャインエッグをいただきます」
「よし、もう一ゲームいくぞ! 次こそ勝つからね!」
よく見ればあの男は、私たちがここに来る前に強盗が捕まるか賭けをしていた人だ。
『あの強盗、逃げ切れると思いますか? それとも銃で撃たれておしまいか』
『逃げるのはムリでしょうな~』
『それでは賭けましょう!』
『『ハッハッハッハッ/ホッホッホッホッ!』』
「あれはVIPの客だったのか……」
「恐らくあのときいたもう一人の男もそうだろうね」
小松さんと私はそのときのことを思い出しながら冷や汗をかいた。VIPの常連だから人を使って賭けること慣れているんだ。それが命を落とすことになっても……。
「び、VIPエリアって……VIPエリアって人の命をかけの対象にしているんですか?」
「ご心配なく。参加している彼らは皆、このカジノで多額の借金を踏み倒した者たちです」
「えっ……!」
小松さんが従業員に話しかけていると、鎖で繋がれているが対象者に噛みついてるドリアンみたいな食材を、誰が一番に食べれるかというゲームが始まった。従業員はそれを見せながら説明を続ける。
「一攫千金で借金返済を条件に、自らゲームに志願した方々です」
「ここでは食材を賭けてゲームをするんじゃ……!?」
「自然界では……人間だって立派な食材じゃないですか」
「食材って……!」
「理に適っているようで適っていない、矛盾した場所だね」
確かに『自然界』では猛獣や植物を私たちが食材と認識しているように、相手も事によったら私たちを食材扱いしている……だから美食屋は常に命の危険と隣り合わせだ。でもここは『人間が作った施設』――本来ならば命の安全が約束される場所。
相手を食うか食われるかの自然界と違い、人間の命が失うか失われないかの場所になっている。そして観客たちは常にチャレンジャーを人間として見ていない。